第4話
●夜の酒場
客で溢れたにぎやかな酒場。
アークとサリア、テーブル席に座っている。
テーブルには酒と料理が並ぶ。
サリア、上機嫌に酒を掲げる。
サリア「今日は君の入団祝いだ! 好きなだけ食べてくれ!」
アーク「どうも……」
アーク、恐縮しつつ、互いのジョッキを打ち鳴らす。
酒を一気に飲んだサリア、楽しそうに語り出す。
サリア「まさかライズに勝利するとは! 只者ではないとは思っていたが、それでも過小評価だったらしい」
アーク「ライズさんが本気を出してたら一瞬で負けてましたよ。あれは俺を試すために手加減してくれていたんです」
ライズ(off)「その通り。調子づいていたらぶん殴るつもりだったが、相応に弁えているようだ」
突如、ライズがアークの背後に登場する。
アーク、ぎょっとする。
ライズ、アークの肩に腕を回し、ニヒルな笑みを浮かべる。
サリア、嬉しそうに酒を飲む。
サリア「ライズ、お前もアークを祝いに来たのか!」
ライズ「勘違いすんな。酒を飲みに来たらお前らがいただけだ」
ライズ、近くの椅子を引き寄せて座る。
ライズ、テーブルの料理を勝手に食べ始める。
アーク、遠慮がちに尋ねる。
アーク「あの、腕は平気ですか?」
ライズ「お前が心配することじゃねえよ。もう絶好調だ」
ライズ、前話で負傷した腕を揺らしてみせる。
ライズ「サリアが連れて来た時点で実力は疑っていなかったが、まあ予想以上だったな。一体どこで見つけたんだ?」
サリア「追っていたはぐれの竜をアークが討伐したんだ。身なりは村人なのに、熟練の戦士をも凌駕する立ち回りだった」
ライズ「なるほどなぁ……」
頷いたライズ、ふと何かを考え込む。
ライズ、アークに顔を寄せて話しかける。
ライズ「なあ、アーク」
アーク「は、はいっ」
ライズ「なんで木の盾なんか使ってやがる。鎧も着てねえし、武器もねえじゃねえか」
ライズ、アークの装備を指差して指摘する。
アーク、ばつが悪そうに答える。
アーク「俺、筋力も体力がなくて、ちゃんとした装備を着けたまま動けないんですよね……。盾が木製なのも、軽くて動かしやすいからです。【ジャストガード】が成功すれば、盾の素材とか耐久力は関係ないですし……」
ライズ「ははは、こいつは大した自信家だ……そんなお前にぴったりの任務がある」
サリア「ライズ、お前まさか……」
サリア、何かを察してハッとする。
ライズ、ニヤリと笑って告げる。
ライズ「アーク、お前を混沌領域の守護騎士に任命する。魔界からの侵攻を防いでこい」




