第2話
●昼の村
村人達、ドラゴンの死骸を回収している。
回収作業中、村人達は喜んでいる。
村人A「ははは! これで大金持ちだな!」
村人B「アーク! お前は村の英雄だ!!」
村人C「お前はいつかやると思ってたぞーー!」
歓声を受けるアーク、気まずそうに会釈する。
アーク「どうも……」
隣にいる少年、不思議そうにアークに尋ねる。
少年「アーク兄ちゃん、なんで自信なさげなの? ドラゴンを一人で倒したのに!」
アーク「だって勝手に自滅しただけだからなぁ……デカいだけでジャストガードしやすかったよ。森のウサギの方が難しいと思う」
少年「兄ちゃん……感覚がおかしいって」
呆れる少年。
ほぼ同時に女騎士が発言する。
女騎士(off)「その少年の言う通りだ」
女騎士、堂々と歩み寄ってくる。
アーク、困惑気味に問う。
アーク「あの、誰ですか?」
女騎士「私は王都騎士団の部隊長サリア・ミネルだ」
女騎士サリア、意気揚々と名乗る。
少年、小声でアークに尋ねる。
少年「王都騎士って何?」
アーク「この国のトップの騎士だよ」
少年「すごい偉いってこと?」
アーク「そうそう、そんな感じ」
サリア、アークの前で立ち止まって尋ねる。
サリア「貴様も名乗れ」
アーク「アークです……村の兵士をやってます」
サリア「ドラゴンを倒したスキルは何だ」
アーク「一応【ジャストガード】ですね」
サリア「何っ!?」
驚くサリア、いきなりアークの両肩を掴んで告げる。
サリア「アーク、貴様には今から王都で騎士試験を受けてもらう」
アーク「……え?」
きょとんとするアーク。
●王都
サリアとアーク、王都に到着する。
疲労困憊のアーク、周囲の街並みを見て感心する。
アーク「すごい……」
サリア「王都は初めてか?」
アーク「はい。王都どころか村からも出たことがなくて……」
サリア「そうか。ではこれからさらに驚くことになるだろうな」
サリア、アークを引っ張って歩き出す。
二人は騎士の訓練場に到着する。
訓練が行われる中、サリアが大声で報告する。
サリア「聞け! 最強の男をスカウトしたぞ!」
アーク「!?」
アーク、ぎょっとする。
訓練を中断した騎士達、怪訝そうにアークに注目する。
騎士A「最強の男?」
騎士B「どう見ても弱そうだが……」
サリア、自信満々にアークの背中を叩いて押し出す。
サリア「自己紹介を頼む!」
アーク「はぁ……」
アーク、自信なさげに自己紹介をする。
アーク「えっと……アークといいます……スキルは【ジャストガード】で……」
その瞬間、騎士達は大爆笑する。
騎士A「ジャストガードだってぇ!?」
騎士B「クソ雑魚スキルじゃねえか!」
サリア「…………」
サリア、険しい顔で黙り込む。
やがて剣を抜いてアークに声をかける。
サリア「……アーク」
アーク「何ですか?」
サリア「死ぬなよ」
サリア、いきなりアークに斬りかかる。
アーク、驚きながらも盾で防ぐ。
アークM「【ジャストガード】!!」
サリア、次々と攻撃を仕掛ける。
アーク、的確に攻撃を防ぐ。
アーク「おわっ」
サリア、渾身の刺突を放つ。
アーク、盾で防ぐ。
衝撃でサリアの剣が砕け散る。
攻撃が終了し、騎士達はどよめく。
騎士A「無傷……!?」
騎士B「部隊長が寸止めしたのか?」
騎士C「違う、間違いなく当たっていた! あいつが防御したんだ!」
サリア「アークは木の盾でドラゴンを完封した防御の達人だ!! 私の攻撃すら難なく防いでみせる! スカウトした意味を理解したかッ!!」
サリア、勢いづいて問いかける。
騎士達、気まずそうに黙る。
そんな中、一人の男が挙手をする。
男「俺はまだ認めないぜ」
男、ゆらゆらとアークに近付いて声をかける。
男「よう、坊や。俺と殺し合いをしよう」




