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何だかみんなはやる気のようです。

あの後、彼女とはひたすら話して、

前世の話なども色々と教えていたりした。


用件自体は聞いていて、

彼女からもどう言う物が欲しいと言う注文も聞いた。


しかし、アイスクリーム屋からの帰り道以降の記憶は一切無くなっていた。

部屋に戻った事も、夕食を摂ってから風呂に入って、ベッドに寝た事も。


「浮かれていたのか」

誰も居ない部屋でつぶやかずには居られなかった。


気が付くと、次の日になっていた。


ただ、なぜだろう。

昨日までの仕事をするだけの日々に色が付いた気がする。

それに何だか体も軽い。


今日はいつもよりも仕事がやれそうな気がした。

テーブルにはなぜか『今日からはアイスクリーム屋の店主が用意する』

とだけ書いていたメモが置かれていた。


不思議に思いつつも、数分後。

朝食が姿を現す。


今日のメニューは

フルーツを凍らせた物が並んでいた。

口に含むと、意外に嚙み砕く事が出来、気分も爽やかである。


食事を終え、工場に行き、作業場に着くと、

他のみんなも少しだけ機嫌が良さそうであった。


道上を除いて、笑顔で仕事の準備をしていた。

「なあ、今日からは俺達が聞きに行った店の子達の要望をやって行こうや。

  直接聞いた子達の笑顔を見れるほうがいいだろう?」

多越の口調も少し、おかしくなっていた。

ただ、今の赤津が異変に気付く訳も無く、

一同の違和感を察知したのは道上だけである。


当然、道上の察知した際に顔が若干引きつった様子を気にする事は無い。


今日の始めは僕が提案する。

アイスクリーム屋で要望の出たアイス用の加工機械を提案する。

「今日は僕が、店主に聞いてきたアイス用のスライサーを作ろうと思う。

  流れはスライサーを金型で成形し、見切が『冷却機能付き』を付与する。

   他に用途があるかは不明なので、成形は一つにする。これで問題ないか?」

製造計画は実に、スムーズである。

道上は僕の表情が笑顔な事に違和感を持ったが、口にする事は無かった。


早速、僕はスライサーを創造し、

見切が『冷却機能付き』と金型に手を向けて宣言する。

次に魔力を込めて、一つだけ成形をした。


アイスクリーム屋にはまだ、『指定商品専用運搬具』を設置してなかった為、

みんなで店まで歩き、店主に伝えてから、先ほど成形したスライサーを転送する。


僕は彼女に昨日、

お菓子の作り方を聞いていたので、店の裏手に保管していたコーブレットを使い、

アイスを薄く切りながら、幾重にも間に挟み、完成した物を見ると、

お菓子とアイスのサンドイッチとなっていた。


彼女からお礼を言われ、注文されてから僕が説明した作り方で、

注文を受けてから盛り付けする流れでやると言う事である。


なんだか僕も、自分の事のように嬉しい。

他の面々も僕と同じように笑顔になり、

完成した後の店主達の笑顔を想像しているようであった。


一同は工場の作業場に戻る。時間は11時となっていた。

昼までは各店のスライサーを作る順番の打ち合わせをして、

昼食の時間となった。


食堂ではなぜか、道上が誰も座っていないテーブルの席を選び、

みんなと距離を取る様子を見せた。


今日は一番大きなテーブルの席に座り、道上以外のみんなで食事を取った。


昼食の時間が終わり、作業場に戻る。

午後は見切が屠殺場の施設長から要望を聞いた物を成形する事になっている。

本来の一般的なスライサーは肉類であるから、これがメインと言って良い。


道上が指示を出す様子も無い為、今度は見切が指示を出す。

「午後からは私が。流れとしてはスライサーの原型を金型にしてもらうけど、

  金型自体が貫通した形状になるので、この後に『穴開き薄型』と指定し、

   魔力を送り込めば薄切りになる構造です。

 スライサーと言っても、

  電気がダメなら魔力を使えばいいと思い、今回の形にしようと思いました」

昨日までの悩み抜いて、製品を作っていた状況とは対照的に見えた道上は

(本当にみんな、何があったんだろうか)

言葉にすると流れが止まる可能性を考慮し、心に思うのみにした。


今回は事前に運搬具を設置していた事もあり、

道上が鷹の目を使い、彼女と会話し、許可を得てからスライサーを送った。


なぜか一時間後に返答があり、上手く使えたとの事である。


後から彼女に聞いてみると、最近、肉の処理が滞り気味で、

その分を全て処理したら一時間かかったと言う事であった。


今日の仕事は終わりとなり、みんなは昨日、

それぞれ行った店の店主に会いに行ったらしい。


道上は違和感のある光景に不安になり、

ピザ屋の店主に話しをする事にした。


彼女は一度、ため息を吐いてから

「転移者の人達はほとんどがこうなってしまうから、

  あまり気にしないほうがいいと思う」

どうやら、この国にでは良くある事のようだ。


ピザ屋での会話を知る由も無い僕はやはり、

部屋に戻るまでの間、記憶が無く、

幸せに満ち溢れたまま、夕食、風呂、そしてベッドで寝る。

と言う、一種の流れ作業を行うのであった。


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