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詩集1  作者: 明葉いより
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欠落の始まり

あれ……? 何だったっけ?


忘れちゃいけないことがあったのに

それが何だったのか忘れてしまった


思い出そうとするんだけど

やっぱりどうしても思い出せなくて


記憶の断片や片鱗さえも浮かばない


嬉しかったのか楽しかったのか

苦しかったのか辛かったのか

悲しかったのか苦かったのか

はたまた

怒るもの憎むもの恨むもの

そういうものだったのか?


忘れてしまったから

付随する感情さえも忘れてしまった


心に残ったのは

どこかすっきりしない諦めと

妙に乾いた割り切りだ


どうせいつか忘れてしまう

大したことのない

記憶だったんだろう


だから──

私は私という一部を失っていく

それが始まりだと気づかないまま


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