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詩集  作者: 明葉いより
54/63

風化の時

空に陽が昇った

光と熱気が私の姿を

少しずつ溶かしていく


空に月が昇った

光と冷気が私の姿を

少しずつ薄くしていく


冷たい雨が降った

雫と湿気が私の陰影を

少しずつ滲ませていく


荒れた風が吹いて

乾気と砂礫が私の想いを

少しずつ晒していく


真っ白な雪が降って

六花と凍気が私の輪郭を

少しずつ埋めていく


時間は過ぎ去り

年月は積み重り

季節は巡り廻って

時代は移り変わって


私の存在と意識の欠片は

私の生命と魂魄の残滓は

まだ世界にこびりつくように

残り続けて──


ひと掬いの

最後の存在(砂粒)

強い強い光に晒されて

強い強い風に払われて

ようやく撒いて消えた


そう

『私』という思念と存在が

完全に消え去ること


時の果てに

風化することでしか

私は『約束』という呪縛から

解放されることができなかった


だから

これで

さようなら


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