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「おいおい!まじかよ?あいつ死んだのwww」
眠らない街、歌舞伎町のしょぼくれたBARの
中で1人の男がケラケラ笑いながら電話先の相手と話している。
「あんの変態ジジイ!調子乗りた挙句最後には死んでやんのwww」
『おいおい。あんま舐めんなよ?もしかしたら俺らの所にも来るかもしれねぇんだぞ?その謎の騎士隊が』
「なもん、俺がやりゃ速攻だろうがwwwそれに、、、あいつは俺らん中じゃ最弱じゃねぇか。」
『まぁな。だが、正味目障りなのは確かだ、、、どうする?』
「【デスティニー】の集団にやらせよう。」
『分かった。進展あれば連絡する』
ピッ。
「・・・はぁ〜〜。面倒だぜ」
手に持ったワイングラスをクルクルと回しながら
容器に入った赤の液体をグッと喉に通す。
「ぺぇッ!!おいマスター!てめぇ混ぜやがったな!?」
「え、あぁッ!!すみません、、、すぐ取り替えますね」
「たりめぇだ。いつも言ってんだろ、、、3歳児以降の血は入れんなって」
「すみませんねぇ」BAR後方の扉を開けながら
詫びを入れマスターは奥の方へと消えていった。
「主君。そろそろお休みになられた方が」
「いや、あともうちょっとなんだ。」
上地の討伐から今日でちょうど10日
中田達は都内に発生しているC〜B級ダンジョンを巡っていた。
「ですが、もう30時間もお休みになられておられませんよ」
「レベル90までもう少しなんだよ。だからまだ休めねぇ」
実の所、確認されているダンジョンの6割は
C〜E級でありB級だけでも70ダンジョン中2個あれば多い方だ。
それなのだからA級以上の希少性は言うまでもない。
「クソが、、、ランクが低すぎて経験値になかなか繋がらねぇ」
中田自身もモンスターとのレベル差による
経験値の少なさには頭を抱えていた。
だが、ここまでして
ようやく実る努力もある。
【レベルが上がりました】
【90レベルを達成。特典の受け取りが可能です】
「や、やっとかよぉ」
どうやら、最後に倒したオーガからの経験値は
他のオーガに比べ少し多かったらしい。
【90レベル達成 スキル【指定変換】を獲得】
【指定変換】
経口摂取を目的とする物(食べ物や飲み物など)の
成分をリスト内に存在する作成リストの成分に変換します。
この時点で中田の覚醒者としての強さは
A級を少し上回る程度
今も一般人狩りの影響により
他の覚醒者からの襲撃は止まないが
悪い事ばかりではなく
食料や金銭、返り討ちの際の経験値だけに留まらず
各ランクの奴隷獲得など意外とプラスに働くことも多かった。
だが、これだけの力を持ってしていても
まだS級の足元にすら及ばない。
焦りや不安が募りに募る中
先日、奴隷にした者から1本の連絡が入る。
「なんだ?」
『み、みみみみみみ見つけたッ!ありゃS級ダンジョンだ!』
「はぁ?」
テキトー言うな。S級のダンジョンは
12年前、中国にて初めて確認されたゲートであり
それ以降観測はされていない。
「そんなのが日本に出る訳ねぇだろ。キマリ過ぎだ」
『ううう!う嘘じゃねぇ!俺は知ってんだ!S級のダンジョンはゲートの色がドス黒い!』
「・・・あ?」
『あの日もそうだった!正に闇、、、ゲートから零れる魔力だけで俺らC級以下はほとんど全滅!駆けつけたA級だって殺された、、、』
S級ゲートの闇は深い。
当時、対応に務めた中国政府はとことん他国にこの
情報を隠しあげ、国土の6割を失うこととなっても
決して開示することはなかった。
『覚醒者にあれを見分けることはまず無理だ。それだけ魔力濃度が濃いって意味だからな』
つまりは日本政府やS級が
これに気づくにしてもまだ余裕はある。
「・・・場所は?」
『え!?ま、まさかやるのか?俺はごめんだぞ!?』
「いいから早く言え。俺がいく」
S級に満たない者がS級に潜る。
はっきり言ってこれは自殺行為である。
だが、、、
立ち止まっている暇など
中田にはない。
「もう一度聞く。場所は?」




