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超ドSな地球の陰謀  作者: 新井S蓋
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第18話 「これに、う●こをしてきてくれ」

3人の各惑星代表の女の子を、俺は駅前のゲームセンターに連れて行った。

もう営業時間が終わり、店は閉まっていたが、店頭のごみ箱は置かれたままになっていた。俺はそこからガチャガチャのカプセルを探した。

不透明のカプセルを3つ見つけると、それぞれに一つずつ渡し、

「これに、う●こをしてきてくれ」

と告げた。

のぞみは顔を真っ赤にして怒ったが、蒼生と紅緒は

「それはいい考えだ」

とカプセルを手に取り、さっそくその場にしゃがもうとした。

「ここは駄目だ!」

俺は厳しく咎めて、駅の方角を指さし、トイレに行くことを指示した。

のぞみは、

「私だけじゃ嫌だ、恥ずかしい!」

と言って、ごみ箱からカプセルを探し、俺にも強引に手渡した。

蒼生と紅緒がすでに駅に向かって歩いていたので、俺とのぞみも追いかけた。


そして10分後。

カプセルを手にした2人と、ポケットが丸く膨らんだのぞみが戻ってきた。

俺に中身の入ったカプセルを手渡ししようとする蒼生と紅緒の申し出を丁重に断り、そのまま各自で持っていてもらうようにした。地球人の俺は、のぞみ同様恥じらいを持ち合わせているので、カプセルをポケットにしまって隠した。


再びロープの張られた隕石落下地点まで戻ってきたが、やはり投げて届く距離ではない。

野次馬もさらに増えている。

そこで俺は三人をその場に待たせて自宅に駆け足で戻り、物置に仕舞われていた子供用のプールと父親の釣り道具を持ち出した。

三人の元に戻り、そこから少し歩いて上流の川岸まで皆を連れだした。その人気のない場所で俺はプールを膨らませ、釣り竿を用意した。釣り糸の先には、魚をすくう網を付け、その中にカプセルを入れるように言った。

「なるほど!川から近づいて行って、その釣り竿で投げるんですね」

「そう。川からの方があの穴に近いからね」

「警察官は、土手の野次馬の方を見ててるようですしね」

穴の周囲は警察官も近づけないから、川の近くには誰もいない。

「それは名案です!」

と蒼生と紅緒はカプセルを網の中に入れた。

俺もポケットからカプセルを取り出して網に入れると、のぞみにも促した。

「絶対いやだ」

とか言いながら、のぞみはポケットから素早くカプセルを取り出し、網の中に放り込んだ。

「じゃあ行ってくるね」

俺は子供用プールを川に浮かべると、そこにそうっと乗りこんだ。

プールは俺一人がやっと乗れる大きさで、重みで今にも川に沈みそうだった。

川岸から手を振る三人がみるみるうちに遠ざかり、あの木が近づいてくる。

川は暗いので、気づかれずに行けそうだ。俺は釣り竿を構えた。

投げられるのは一回だけだ。

隕石の落ちた穴へ、カプセルを正確に投げこまないといけない。

川の流れに乗って、隕石墜落地点の正面まで来ると、俺は釣り竿を思い切り振り抜いた。

釣り糸の先の網が一直線にあの木の方角に向かってシュプールを描き、そのまま隕石の穴に吸い込まれた。

やった、成功だ。

穴の底にカプセルが落ち、カチッと割れる感触がした。

音はかすかで誰にも気づかれないはずだ。

穴の底から突然何かが飛び出てくる、ということもなく、何の変化も起きないままボートは遠ざかっていく。

ホッと一息ついた、が…ある重要なことに俺は気づいた。

この釣り糸、このままリールで引き上げると、割れたカプセルの破片が手元に戻ってきてしまうのだ…。うわー!それは困った。

急いで釣り糸を切ってカプセルを捨てないと…なのだがハサミを用意していない…。

ボートは川の流れでどんどん穴から遠ざかり、竿から釣り糸が次々と吐き出されていく。

このまま糸がリールから全部出てしまえば、今度は釣り糸がピンと張り、穴からカプセルを引きずり出してしまう…。

俺は泣く泣く釣り竿を川に投げ捨てた。


人気のなくなった下流でボートを降り、空気を抜いて俺は3人の待つ場所に戻った。

「うまくいきましたか?」

蒼生の心配そうな問いかけに、大きくうなずく。

「良かった!」

蒼生と紅緒は、満面の笑みをこぼした。

のぞみは、何だかホッとしているようだ。

「これで、いいのかな?」

「はい、ありがとうございます!」

「このあと、何か起こるの?」

俺は、地面から植物が生えてきたあの日を思い出していた。

「分かりません…」

すぐに何かが起こるのか、何も起こらないのか。

何か起こるにしても、それは数年後なのか、数百年後なのか。

全ては地球の気分次第らしい。

「あとは待つしかないです」

なるほど

「じゃあ、もうあれはいいのかな?」

あれって…?蒼生は首をかしげた。

「ほら、あの…緑色の子供が…どうとかいう…」

「ああっ」

蒼生は顔を赤らめた。

「いえ、それと今回のカプセルとは全くの別モノです」

「いくつかの可能性の一つだ。私もあきらめたわけではないぞ」

紅緒が妖しい眼差しで俺を見つめた。

「私は…あのカプセルに期待するしかないんですよね…」

のそみが確認するように二人を見た。

「私は地球の人間なので…」

「いえ、それは分かりませんよ」

 蒼生は首を横に振った。

 「やっぱり黄色のままでいいや、と地球が思うかもしれませんし」

 何が起こるか分からないし、どんなことでも起こりえる、と蒼生は言った。

 すべては地球が決めることだと。


もうこれ以上ここにとどまっても仕方ない、という蒼生の提案でそれぞれが家路につくことにした。もう夜も遅いし。


それにしても…この二人はどこに住んでるんだ?

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