ハンティング計画
「しかしまあ、どうしたもんかねえ。俺一人だと手詰まり…か?」
ブレスはこの際、無視しても良いが、装甲を考えれば、かなり危険な相手だろう。
ハッキリいって、勝ち目が無い。
恐竜の厚い皮とタフネス、それを強化する呪文が最凶にして最悪だった。
万全の状態でも戦うのは獣がせいぜい、恐竜は面倒なので避けてる相手だ。
「先に防壁張られたら、ちまちま削る事も不可能だしな…。トラップにして、あとは『釣り針』でも仕込むか……。駄目だ絶対に逃げられる」
俺のレベルだと最初は良いが、防壁を使われた瞬間に確実に防がれる。
かといって『釣り針』……喰い物に呪文を仕込んで、ジワジワと継続ダメージ系の呪文で倒そうとした場合……。
防壁を張られて近寄られるか、視界の外に逃げられて終わっちまうだろう。
となれば無事に済んだとしても、次回以降に警戒される事になる。
「つーことは数人がかり。それも担当を決めて、合同呪文を含めて一気に決めるしかねーな。全員で掛かれば楽なんだが…」
攻撃や防御に撹乱など、フィギア・スタッフの特性を最大限に活かし合い、その上で共同作業で倒す。
それ以外の方法が無いとは、マジでドラゴンって感じがしてくる。
これで適宜の呪文を使いこなしたらと思うと、ゾっとするな。
「…全員で掛かる場合は、あのレベルの生物が、今後どの程度出て来るかだな。一匹だけなら、話は簡単なんだがねえ」
まあ、対策はゼロじゃない。
一番簡単な方法は、全員の能力を連結した合同呪文、……いわば儀式呪文というイメージで撃ち抜く事だ。
どんなに危険な相手でも、これなら別に難しくは無い。
だが問題なのは、種族とて次々に出てくる場合と、人間への脅威として一定の強さでコントロールされる場合だった。
前者は一匹出て来るごとに全員で吹っ飛ばす事になるので論外だし、後者は倒した処でもっと強い敵が用意されるだけの話だ。
「結局、2・3人でなんとかしねーとヤバイのか。…やっぱり、4番目を特定するのも必要だな」
倒す算段を付けないと、何時まで経っても人は外を出歩けねえ。
それは当然としても、4番目の行動が不明なのも困りものだった。
今起きている、異常な生物の進化がそいつのせいなのか、それとも単にプログラムの防そうなだけかを突きとめる必要がある。
面倒くさい作業に成りそうだが、こればっかりは投げれそうにはない。
「現実的な問題として、倒す為にも警告する為にも、あの馬鹿に会わないとどうしようもないな」
俺はそこまで計画を立てると、新しく呪文を組む為に、必要なモジュールを想定する。
どう考えても足りないので、遠視や風の呪文をバラして、情報伝達用の『雷』と加算系の『重力』を引っぺがす。
組み上げる過程で情報の指定に伝言を入れ、伝達用の呪文を造って、谷と谷で出会っても情報を伝えられるようにしておいた。
特殊な発光をさせる呪文は既にあるので、情報の漏えいを覚悟すれば、最低限の伝言をモールスで送る事も出来るだろう。
「とりあえず、あいつが恐竜をどのレベルで倒せるかを聞かなくちゃな。それ次第で向かって来るのを足止めするのか、『釣り針』が抜けない様に適度な距離で追うべきなのかが変わってくる」
あいつがどの方向に戦闘力の強化を測ってるか知らないが、モルガナやアマデウスの研究を習えば、やりようによっては十分に戦えるはずだ。
それを俺がサポートして、万が一にでも死なない様にすれば良いだろう…。
俺はこの時まで、本気でそう考えていた。
あの馬鹿が、あんな決断をしているとは思いもせずに……。
「はっ? てめえなんていった? 独学ってまさか俺の聞き違いじゃねえよな。俺はてっきり、モルガナなりアマデウスに干渉の仕方を習ってると思ったんだが…」
「モルガナはともかく、アマデウスなんかに習うはずがないだろう。…高速移動は魅力的だがな」
干渉の方向性、呪文の門派と名前を付けられた能力があるのは知っていた。
アマデウスは干渉し易い方向性を見つけて、火なら風、風なら土というように干渉し易いモジュールの代用が可能になる…俺から見ても便利なモンだ。
対してモルガナは呪文の登録を研究して、今よりも安いコストで呪文を造ったり、特定条件で他人に貸したりする方法を研究している。
どっちを覚えているにせよ、おやっさんが新しいのを研究したにせよ、ジックリ戦えるようになると期待していたのだが……。
それは俺の甘い観測だと、思い知らされる事になった。
「安心すると良い。強化の方向は威力だ。恐竜くらいは十分に単独で戦いきれるのが目標だったんだ。それが今回は幸いしたな。……どうした?」
「い、いや何でも無い。あまりにも素敵な斜め上過ぎて、どう褒めていいのか判らないだけだ」
俺は頭が痛くなるのを感じで、ため息を突きそうになった。
呪文と違って、フィギア・スタッフのカスタマイズは簡単に設定し直しが出来ない。
ということは、今の状態で倒さないといけないのだ。
「…何が不満なんだ?恐竜くらい普通に倒せるようになったと言ってるだろう」
「あのな……。相手は防御呪文を使って来るんだよ。倒せると言っても、一・ニ発じゃないんだろ?その間は、俺がお前を抱えて逃げる羽目になるんだが…」
そんなに重いかな?
なんて見当違いの事を行ってのける馬鹿に、この深刻さを教えてやりたい。
だけれども、十分火力が通じると判って、ようやく俺はレッサードラゴン相手の方策を固める事が出来た。
この段階をクリアできる事が判って、色々素材を集めたらグルっと一周する前に、『谷』に踏み込むとしよう。
ゲーム風解説第17回とオマケ
@戦闘の必要性と功績ポイント(経験値)
このゲームは電源系ゲームではないので、無理して戦闘する必要はありません。
倒した時に手に入る素材などが変わりますが
優先権は手に入っても素材を維持するコストも必要なので、無理する事は無いのです。
場合によってはその場に居ないメンバーに助けを求めたり、罠を使ったり、時には逃げ出すだけでも構いません。
これに対して成長の為に絶対的な必要な物が
経験値である功績ポイントであり、様々なアイテムを常時持ち出す事が可能になります。
功績ポイントの稼ぎ方は、多くきわけて次の通り
1:シナリオ参加経験値
「地図やモンスター図鑑の更新」:シナリオ終了時に1p
2:課題の命題クリア経験値
「与えられたミッションをクリア」:クリア時に1~3p。
およびレア・アイテム入手権利
3:背景にある、大問題の解決経験値
「指定された異常事態を解明する」:キャンペーンの主題をクリアした時に、5p
フィギア・スタッフを造り直す権利。
と言う感じになります。
@オマケ:存在するけど、解明されてないモノ
お話の段階では、殆どのモノが造られてなかったり、既に失われた物です。
ですが、呪文門派やクラスによって代用可能な物もあります。
例えば、物理干渉する物を、データやメンタル干渉に変換するモジュールは
この時点では、提唱されていても、解明されていません。
ですが魔術師の特典で指定したり、門派の精霊術で代用が可能になるわけです。
下位:上位
光 → 太陽(肉体干渉)
光 → 星(データ干渉)
光 → 月(メンタル干渉)
魔術師ならば、コモンのモジュールか、コモンを1つアンコモンに変更ですので
直接に星を指定することで、相手のモジュール干渉へ逆干渉する事も出来ますし
データ領域を一時的に破壊することで、MPを削る事も出来ます。
なお、物理接触が出来ないイモタールは、太陽のモジュールを常時使う事で、物理に干渉が可能。
逆に肉体的に死なないイモタールへ、星や月を使う事で倒す事も可能になります。




