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召喚術の支配者  作者: 人間失格
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能力確認4

その日は一日能力の確認を行った。

その結果わかったことはいくつかある。


まず美鶴の刀だが、魔法に関しては絶対的な防御力を誇ることが分かった。

組み手の途中、パラディンが弱めの魔法を美鶴に撃ったが何事もなかったかのように攻めていたのに僕が気づいて判明した。

ちなみに雷の魔法だったが、僕も食らってみたらしばらく呂律が回らない程度のダメージを受けた。

ついでで試してみたが、呂律が回らなくてもイメージさえしっかりしていればカードは使えるのでこちらの能力把握に支障はなかった。


念のため回復系の魔法を美鶴にあててみたが、こちらは問題なく発動したので攻撃性のある魔法のみを無効化できるのだろう。

さすが守り刀というべきか。


他にもまだ何かありそうだったが、美鶴本人は把握しているみたいなのでそこは彼女に任せた。


次に僕だが、カードをようやく半分調べ終えた。

召喚系の中に道具を召喚する物と魔獣を召喚する物の二種類があったのは以前から知っていたが、その中にもさらに細かい区分があった。

例えば道具召喚系、今までは武器や防具ばかりだったが、【魂の鍋】のように日用品の延長にあたるものもあったし、【最高品質のジャージ魚】なんてものもあった。

これはつまり、僕たちはカードがあれば食料に困ることはない、という事だ。


ただ、【最高品質のジャージ魚】は召喚した際生きていたので道具召喚にすべきか魔獣召喚にすべきか区分で迷ったが食料という扱いで道具召喚にしておいた。


また魔獣系召喚では、意思疎通が可能な個体がいる事、その中には会話が可能な者もいる事、意思疎通が不可能な者にも個性がある事が判明した。

例えばソルジャーは全員剣の振り方が違う。

袈裟がけに切ることを好む個体や、突きを好む個体、中には剣はおまけで隙を見せたら拳でどつく、なんてのもいた。

ただし、統率は取れているのか集団戦になると個性よりも効率を重視した戦い方もできていた。


魔法系のカードには攻撃型、援護型、回復型、防御型、日用型の5種類があった。

攻撃型、回復型、防御型に説明はいらないだろう。

援護型は、ゲームでいうところのバフとデバフ。

相手の移動を制限して速度を落としたり、逆に味方のパワーを上げたりといった魔法だ。

日用型はそのままの意味で、ガスコンロ代わりの魔法や暖房代わりの魔法だった。


最後に、僕が今握っているカードをどうするか美鶴と相談している最中だ。

そのカードというのが【英知の神】というカード。

神、僕達がこの世界に来た原因ではないかと疑っている存在だ。

美鶴は前向きな反対、今は使わないで機会を見つけて使おうという答え。

僕としては今すぐにでも使いたいと思っている反面、できれば使わずに済ませたいとも思っている。


使いたい理由は真実を知りたいというものだが、すぐに使いたくない理由としては恐ろしく高いステータスが書かれていることもそうだが、説明の一文に『英知を授ける神、人間の設計図を描いたともされているがあまり人間が好きではない』と書かれていたことにある。

もし呼び出して「あなたを犯人です」なんて言った日には僕の首が物理的に飛びかねない。


うん、今は保留にしておくべきだろう。


そう考えたところで誰かに肩をたたかれる。

振り返ると料理人が皿をぼくに差し出した。

そこには山盛りのカレーがよそられていて、美鶴にも同じものを渡していた。

魔法の水とコップと鍋を使って作ったご飯とカレーだそうだ。


たぶん、悩むよりも楽しい気分でいたほうがいいという彼なりのメッセージだったのだろう。

今はそれに甘えて一口カレーを食べる。


いや食べたはずだったんだけど気が付いたら朝になっていた。

顔を上げると料理人が申し訳なさそうに僕におかゆを差し出す。


どうやら最高の道具と最高の水を使った料理が作れるとうれしくなって手加減せずに調理したら僕達の脳があまりのうまみに耐えきれず、気絶してしまったのだという。

そんな馬鹿な、と思ったが一口飲んで号泣するスープがあるのだからまぁ……。

ある意味平気だとは思ったが体は料理人特性スープを飲んだ時よりも軽かった。

朝のおかゆも号泣するほどおいしかったし、なんか本当にこの世界に永住してもいい気がしてきた。

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