脱出からの毎日
夜が明けて、台所で朝食を用意する。
この扉を廊下につなげるとすべての部屋につながるという事に気付いた。
この状態であれば美鶴も扉を開けられるらしいが、玄関だけはあかなかった。
ただし、僕はあけることができたが元の異世界の平原に出るだけだった。
そして今日になって分かったことは、美鶴の刀でもこの家の壁を壊すことはできなかったのでそういう不思議な空間という事で片付いた。
またPCやテレビは起動したが、インターネットにはつながらず番組は何もやっていなかった。
仕方なくDVDを再生しながら朝食をとり、外に出て移動を開始する。
【ペガサス】、心の中で念じてカードからペガサスを召喚する。
機能の実験の中で気づいたことだが、言葉に出さなくてもカードを発動させることはできる。
「今日は飛ぶの? 」
美鶴が少し不安そうだったが、ペガサスは跨ってみるとユニコーンより安定していた。
恐らく走るときの揺れがないためだろう。
一度僕たちが耐えられるぎりぎりまで飛んでもらい、辺りを見渡す。
昨日僕達が来た方角には何も見えないことからユニコーンの足の速さがうかがえる。
他の方角を見ても草原と山しかないので町や村を見つけるには至らなかったため、人目に付きにくいが充分耐えられる高度を飛行してもらった。
結局時折高度を上げてもらい周囲を見渡したが町や村は見つからず、昼になったため扉を召喚して昼食を済ませた。
それから寒さをどうにかできないかと考え昨日は失敗してしまった部屋の物品の持ち出しができないかについていろいろと行動してみた。
まず僕が服を着て外に出てみると、来ていた服は消えてしまった。
次に扉の外に投げてみるとこれも消えてしまった。
だめもとでやったカバンに収納した状態では、持ち出すことはできたがカバンから出すと消えてしまった。
もうだめかと思い何か有用なカードはないかあさってみたところ【コピー】というカードが見つかった。
効果は一日5回まで発動可能、術者の所持品をコピーするという物。
このカードで衣服をコピーしたところコピーの方は無事持ち出せた。
そして少し考えてから衣服をカバンに押し込んで、カバンをコピーしたところ無限収納のカバンもろとも衣服とカードがコピーされた。
カードも使ってみると無事つかえたが、予備として部屋においていくことにした。
洋服は僕の使っていた物なので男性用だったため、美鶴には少し大きかったが、ペガサスも速度を上げることができたため移動距離を稼ぐことができた。
夜になってからは美鶴は風呂に入って僕が食事の支度。
それがすんだら美鶴は刀の手入れと素振り。
僕はカード効果の把握と実験を繰り返して、それから五日間が過ぎたころに大きな街が見えた。




