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召喚術の支配者  作者: 人間失格
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カードの効果

ユニコーンに跨ること十数時間、さすがに日が暮れてきたため野宿をすることにした。

幸いカバンに入っていた携帯食料や飲料水はまだ余裕がある。

更に演奏会を行った村で食料を買い込んでいたのもあり食べ物には困らなかった。


ただ問題があるとすれば、調理器具を買い忘れていたため幅広の剣を召喚してフライパンの代わりにしたくらいだ。


「あー疲れた……」


僕がポツリと漏らした言葉に美鶴が反応する。

ユニコーンを走らせている間、鞍がなかったためしりやら腰やらが痛くなったうえにバランスをとることに集中していたため必要以上につかれてしまった。

後これは美鶴の前では言わないが、人の命を奪ってしまったことに対する罪悪感とそこからくる精神的な疲労はじわじわと効いている。

それに合わせて移動中の美鶴のお説教と、背中に押しつけられた胸の感触という天国と天国が僕の理性を打ち壊そうとしてきたのもある。

天国と地獄ではない。


「明日もユニコーン任せにするの? 」


美鶴の言葉に少し考える。

ユニコーン任せでも構わないが、明日は別の方法も考えたい。

それもできるだけ目立たない方法でだ。


ひとまずカバンからアタッシュケースをすべて取出しカードを確認していく。

前回はざっとでしか見ていなかったが、改めてじっくり見るとかなりの種類がある。

例えば魔法系カードでも回復魔法や攻撃魔法、防御魔法の他に呪術や探索用魔法がある。

召喚系でいえばパラディンなどのモンスターを召喚する物や武器防具召喚の他に空間作成なんてものもあった。

これは調べてみると、僕専用の特別な部屋を作り出すという物だった。

確認もかねて発動させると目の前に扉が現れた。

この扉を召喚するカードなのだろう、という事は理解できた。

その扉を開けると、中は地球で使っていた僕の部屋があった。


なるほど、僕専用の意味が分かった。

また僕専用とうたってはいるが、美鶴も入れたし部屋の中にあるものは問題なく仕えた。

他にもいろいろ実験してみたが、このカードを使って内側から扉を閉めると外にある扉は消えるらしい。

また部屋の扉は僕以外には開けることも占めることもできず、持ち出しに至っては僕でもできない。

他に発見したことは、中に誰かを入れたまま扉を閉めるとその人は閉じ込められてしまうという事、そして事のついでに美鶴にカードを使ってもらおうとしたが、カードは無反応だった。


ひとまず今晩はこの部屋で過ごすことにする。


文明の利器のありがたみをかみしめる。

ふかふかのベッドに空調、小型冷蔵庫に入っている冷たい飲み物にジャンキーなお菓子。

すべてが今となっては懐かしいものだがありがたい。

ふと気になってトイレと念じながら部屋から出ようとしたらトイレに繋がった。

同じ方法で風呂にもつながった。

美鶴が入りたいと言い出したので遠慮しないでいいとすすめ、僕は別の実験に取り掛かる。


この部屋でカードが使えるか試してみたところ、すべて無反応。

カバンだけは相変わらずの無限収納だったがそれだけだった。


仕方なしにカードの効果を流し読みしていると、おかしなものを見つけた。

ステータス上昇カード、ステータス確認カードという二つのカードだ。

美鶴が風呂から上がるのを待って、異世界の平原に出る。

そこでカードを発動させるとぼくたちの身体能力を数値化してくれた。


例えば筋力は僕が188で美鶴が161だった。

これがどれくらいの物かはわからないので今は気にしない。

機会があれば適当な人を見つけてカードを使ってみよう。

ちなみにステータス上昇を使ったところ数値が倍加した。

効果も重複するらしく倍になったステータスがさらに倍になった。

原理は分からないが、どこまで伸びるのかわかった者ではないのでカードの効果を消してポケットにしまっておく。


そして、やはりというべきかステータスの中に魔力という項目があった。

この項目は美鶴は100で僕が320だった。

この差はなんだろうか、考えてみたがわからなかったので放置した。

そのうち何かわかるだろう。

この項目もステータス上昇で倍加した。


逆にステータス減少なんてカードもあったが、使用するとステータスが半減した。

今日の所はこのくらいにしてベッドに入ったが、美鶴を床に寝かせるわけにもいかず、かといって僕が床で寝るのは美鶴が許してくれないので一緒に寝ることになった。

僕は一切手出しはしなかったが、昔から抱き枕を愛用していた美鶴の抱き枕代わりにされたため寝付くのは十二時を回ってからだった。

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