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転生したら第5王子で兵法(孫子)と法家(韓非子)で、無双王を目指す  作者: ひょっとこ、とことこ
王令と、盤上の再編 8歳の立法者、誕生す

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同級生1人ずつ

「上下和同して敵に取る」

ーー孫子ーー

「衆人の心を得る者は王となり、一人の心を得る者は友となる」

ーー韓非子ーー


組織は上下が心を合わせてこそ動く。

多くの心を得る者が王となり、一人の心を得る者が友となる。



三年生の最終日、夜だった。

俺は同級生9名を、一人ずつ部屋に呼んだ。


全員に伝えたのは、同じ内容だ。

「シオン殿下より派閥を引き継ぐ。俺が党首になる。不満がある者は他派閥に移っていい。但し、決めるのは今夜だ!」


1人ずつ呼んだのは、理由がある。

全員の前で聞けば、空気に流される。

1対1で聞けば、本音が出る。



最初に来たのは、エドだった。

扉を開けた瞬間から、エドの顔は決まっていた。

いつもの無表情。

しかし、目の奥に何かがあった。


「エド。不満があるか?」


「ない。」


「他派閥に移るか?」


「移らない。」


エドが少し間を置いた。

それから珍しく、少し迷うような顔をした。

「……一つ、頼みがある。」


「言え!」


「お前が党首になるなら、俺を側近にしてくれ。」


……側近。

エドから、そういう言葉が出るとは思わなかった…


「理由を聞かせろ。」


「……お前の傍にいる方が、面白いから。」


エドらしかった。

損得でも義理でもなく、「ただ」それだけだった。


「わかった。側近にする。」


「……ありがとう。」


エドが少し頷いた。それから少し目を逸らした。

「……もう一つ。」


「何だ?」


「俺は敬語が使えない…。党首になっても、お前への口調は変えない。それだけは、承知してくれ…」


俺は少し考えた。

「構わない。」


「……本当に?」


「お前が、お前のままでいてくれる方が、俺には都合がいい。」


エドが少し、表情を緩めた。

それだけで、出ていった。


ーーエドは、エドのままでいる。

ーーそれが1番、頼りになる。



ミア姉様が来たのは、3番目だった。


扉を開けた瞬間から、ミア姉様の目が輝いていた。

……嫌な予感がした。


「ルーク。不満はないわよ。他派閥にも移らない。だから条件の話をしましょう!」


「……何の条件ですか?」


「側近ではなく、『参謀』として、私をルークの傍に置くこと。それが条件です。」


……参謀。

……ミア姉様がそれを望むとは、思っていなかった。


「参謀として、何ができますか?」


「私の持つ全ての力と繋がりを、ルークが自由に使えるようにする。父の人脈も、私自身の情報網も…、全部よ。ルークが必要と言えば、惜しまない。」


俺は少し考えた。


……ミア姉様の繋がりは、学院の外にまで及ぶ。

……それが使えるなら、確かに、大きい。


「承知しました。参謀として、傍に置きます。」


ミア姉様が、少し笑った。

しかし、それだけではなかった。


「もう一つ…」


「……まだありますか?!」


「私のことは、今まで通りお姉様として扱うこと。可愛い弟として対応してくれること。そして『ミア姉様』と呼んでくれること。それが私の全ての栄養なの!!」


俺はしばらく、ミア姉様を見た。


……全ての栄養、か…。


「……では、投資として承諾します。」


ミア姉様が、顔を輝かせた。


「ルーク! ありがとう! 本当にありがとう!!わかっていたわ、ルークなら絶対わかってくれると思っていた。これからもよろしくね、頼りにしているわよ、本当に!!!」


「ミア姉様…」


「なに?」


「参謀が騒がしいと、盤が読めません…」


ミア姉様が……口をつぐんだ。

少し頬を赤くした。


「……失礼しました、党首殿。」

「よろしい。下がっていいです、ミア姉様。」


ミア姉様が退出した。

扉の向こうで、小さく「えへへ」という声が聞こえた気がした…


参謀が一番騒がしいのは……、少し、問題かもしれない……。


残りの6人は、それぞれ違う反応だった。


ラウルは腕を組んで「面白くなりそうだ」と言った。

クルトは「殿下が党首なら心配ない」と即答した。

ヴィクターは「殿下の命令ならば」と深く頭を下げた。

エリカは「不満はないけど、党首殿って呼ぶの、少し慣れるまで時間がかかりそう」と笑った。


1人、カスパルという男が少し黙った。


「……正直に言う。俺は、シオン殿下のやり方が好きだった。ルーク殿下のやり方は、シオン殿下とは違う。それに慣れるかどうか、今はわからない。」


俺はカスパルを見た。


「正直に言ってくれてありがとう。慣れなくていい。ただ動く時は一緒に動いてくれ。それだけでいい。」


カスパルが少し間を置いた。

「……わかった。それなら、できる。」


9人、全員の面談が終わった。

他派閥に移ると言った者は1人もいなかった。


俺はノートに書いた。


同級生面談

全員残留


側近 エド

敬語不要、承認済み


参謀 ミア姉様

全繋がり使用可

「ミア姉様」呼称継続

投資、成立

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― 新着の感想 ―
>『参謀が一番騒がしいのは……、少し、問題かもしれない……。』 ミア様↑↑↑w(ノ∀≦。)ノ最高!!!
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