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転生したら第5王子で兵法(孫子)と法家(韓非子)で、無双王を目指す  作者: ひょっとこ、とことこ
3年生 学内派閥闘争編

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二年越しに『ミア姉様』を勝ち取った令嬢

初日の夜、ミア様が俺の部屋に来た。


ノックもなかった。扉が開いた。振り返ると、ミア様が満面の笑顔で立っていた。


「ルーク! 同じ派閥になったね!」


「……ノックを」

「あ、ごめんごめん! でも、でも、ねえ、一緒の派閥だよ!?」


ミア様が部屋に入ってきた。椅子を引いて向かいに座った。誰の許可も求めなかった。


「ルーク、いくつだっけ」

「7歳だ」

「私は14歳! ふふ。やっと会えた」


「……やっと、とは」


ミア様が少し遠くを見た。


「ルークのお母様と私のお母様は、姉妹なんだよ。知ってる?」

「知っている。母上から聞いた」

「でしょ。だから小さい頃、よく一緒に遊んでたんだよ。お母様たち二人に連れられて、庭でお茶したり、花を摘んだり」


俺の記憶にも、その場面はある。

明るい庭。花の匂い。大人たちの笑い声。

そして…自分よりずっと背の高い少女が、俺の手を引いて走っていた記憶。


「ルークってね、小さい頃から私にずっとくっついてたんだよ」

ミア様が、懐かしそうに目を細めた。

「どこに行っても後ろをついてきて。お母様たちが話してる間も、ずっと私の手を握ってて」


「……そういう時期もあったかもしれない」

「あったんだよ! かわいかったんだよ!」


ミア様が机に両肘をついた。目が完全に輝いていた。


「でもね、父様に呼ばれて英才教育が始まってから、会えなくなっちゃって。

ルークはまだ小さかったし。私もずっと稽古稽古で。

そのうち学院に来ることになって、偽名で入って、正体も隠して…」


ミア様の声が、少しだけ静かになった。


「ルークが入学してきたとき、兄様から教えてもらった。ルーク・レギナルドは本当はルークだって。

会いたかったけど、こっちも正体がバレたら困るから、知らないふりをしてた。

二年間、ずっと」


俺は黙って聞いていた。


ミア様が顔を上げた。今度は笑顔だった。しかし目の端が、わずかに光っていた。


「でも、もう大丈夫。全部バレた。全部終わった。

だから今日から、ちゃんとルークの隣にいられる!」


「……それは」

「隣にいていい?」


真剣な顔で聞いてきた。

目の奥に、昨日の壇上で見たあの目の鋭さが静かに宿っていた。

しかし声は、純粋に問うていた。


「……好きにしろ」


ミア様がぱっと輝いた。「やった!!」


「ただし」

俺は続けた。「仕事の邪魔はするな」

「しない! 絶対しない! むしろ手伝う!!」


それから、ミア様は少し首を傾げた。

「ねえ。昔みたいに、ミア姉様って呼んでくれない?」


「……断る」

「えー!? なんで!!」

「7歳だ。それ相応の呼び方がある」

「でもルークが小さい頃、自分からそう呼んでたんだよ!?

『ミアねぇたま』って! 今はもうちょっと上手に言えるでしょ!!」


『ミアねぇたま』

その言葉に、断片的な記憶が重なった。

庭。花。大人たちの声。そして──自分がそう呼んでいた記憶が、確かにある。


「……一回だけだ」


ミア様が息を飲んだ。


「ミア、姉様」


発音した瞬間、自分でも気恥ずかしかった。7歳の体が余計に事態を悪化させていた。


ミア様が両手で口を押さえた。

目が完全に潤んでいた。今度は本物だった。


「……可愛い……ルーク可愛い……小さい頃と全然変わってない……」

「一回だけだと言った」

「もう一回!」

「断る」

「ルーク!!」


その後、30分かけてようやくミア様を部屋から出すことに成功した。

出ていく間際、ミア様は「またね! 大好きだよルーク!!」と言って走っていった。


俺は扉を閉めて、椅子に座った。


─この令嬢は、本当に油断ならない。

そして、本当に、正直な人間だ。


2年間、俺の正体を知りながら知らないふりをしていた。

昨日の壇上で、あの恐ろしい目を見せた。

今夜、7歳の俺の前で本気で目を潤ませた。


全部、本物だ。

計算と感情が、同じ人間の中で同時に存在している。


…どういう人間なんだ、ミア・フォン・ローレンツという人間は…

え〜本当に、シリアスな話だったはずなのに…

遊び心エピソード入れてしまい。

本当に申し訳ありません。

これからもミア様に振り回されて下さい。

書いてる私も振り回されてます。

本当に困ったキャラなんです、ミア姉様は…

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― 新着の感想 ―
やっぱり(*^^*)面白ぃね?ミア様
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