壇上に立つ三年生
アウアーが告げた。
「新入三年生は、壇上に上がれ」
俺たち二十名は、壇上へ向かった。
壇上は広かった。20名が横一列に並んだ。
眼下に150名以上が座っている。
四年生から十年生までが、俺たちを見上げていた。
しかし、座っていた四年生たちが、立ち上がった。
そして向き合った。
壇上の三年生と、ホールの四年生以上が、向かい合う形になった。
上下ではない。対等でもない。
しかしここから先、同じ場所で動く者同士として、対峙した。
壇上から見る景色は、中央に立って見る景色とは違った。
150以上の顔が、一度に見えた。
派閥ごとに色が違った。
立ち方が違った。
目の色が違った。
これが、三年生以上の学院だ。
派閥が学院を動かし、学院が王国の力に繋がる。
この場にいる全員が、何らかの意図を持って動いている。
エドが隣に立っていた。
前を見たまま、小声で言った。
「ここからが、本当の戦場か…」
俺は頷かなかった。しかし、同じことを思っていた。
ヴィクターが三つ隣に立っていた。
その背筋は、壇上に上がってから1ミリも変わらなかった。
フォン・クラーゼンの男は、どこに立っても同じ顔をしていた。
ミアが、壇上の端に立っていた。
2年間とは違う目で、ホールを見ていた。
その目が、やっと解放され自分の場所を見つけた目だった。
俺は、壇上から会場を見渡した。
この場の全員が、今日この瞬間から、俺の盤上の要素になった。
敵か、味方か、駒か、障害か…
まだわからない。
しかし、今、見えている。




