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転生したら第5王子で兵法(孫子)と法家(韓非子)で、無双王を目指す  作者: ひょっとこ、とことこ
富国強兵

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1年目の戦い

お読みいただき、ありがとうございます。


しばらく更新が滞りまして、申し訳ありませんでした。

色々と忙しい日々が続いておりまして、なかなか筆が進まない時期でした。


お待ちいただいた方、本当にありがとうございます。



今話は、父王との廊下での鉢合わせから始まりました。


書いていて、ハイベルク伯爵です。「は、はい……家内も……きっと……喜んで……」── この顔が引きつった感じ、皆さんに伝わったでしょうか。王妃の妹御を奥方に持つ立場というのは、こういう時に大変だなと思いながら書いていました…


 父王とルークのやり取りは、どちらも正しくて、どちらも譲らない。しかし方向は同じ。「だから分けた」、この一言に、父王の器が出ていると思っています。


そして真夜中のフリッツ…


「ルーク殿下を王になさる為に」


父王が動かす裏の話が、ここから静かに始まります。

ルークはまだ知らない…

知らないまま、富国強兵に全力を注いでいく。


その対比が、しばらくこの章のもう一つの軸になっていきます。


更新ペースについて、少しお話しさせてください。


毎日更新から、本来なら週1とかにしたいと思っておりましたが、なかなかそうは行かない状況です。

現在が、なんか色々と追いつかない時期でございます。

しかし、書くことをやめるつもりはありません。ゆっくりでも、確実に前に進んでいきます。


ルークたちの話は、まだまだ続きます。


感想・評価・ブックマーク、いただけると作者が深夜に静かにガッツポーズします。


また次話でお会いしましょう。


ひょっとこ、とことこ でした。

 廊下の角を曲がった瞬間、 父王がいる。


 向こうも大臣を連れている。

 こちらも大臣を連れている。


 どちらも…、足が止まる。


「……城下に行くのか?」と父王が言う。


「はい、その通りです。」と俺が言う。

「現地を見ないと数字が算出出来ても実践しなければ、死にます」


「ほう…」と父王が言う。「ちなみなやワシは練兵場だ!」


「頭より、体で覚えさせるんですか?」


「なぁに…、百回言うより早い…」


「なるほど、それは同意します!」と俺が言う。「ただ…、仕組みがなければ、強くなった兵も使い所がない…」


「仕組みがあっても…、動かす人間が弱ければ意味はないであろう?」と父王が言う。


 大臣たちが両側で固まっている…。どちらに同意すればいいかわからない顔をしている。


「まぁ、言いたいことは同じですね…、お互いに…」と俺が言う。


「言い方は違えど、行くつく先は同じだとわかってあるから、得意分野同士に分けたのだ…」と父王が言い、少し笑う。



「で、国家の財はどうする?」と父王が言う。「遠慮してくれても良いが…」


「何をおっしゃいます。ただいま父上より承諾を得ました!」と俺が言う。「国庫を全て空にしてでも富国にあたります。農業、商業、交通、外交……、惜しみなく動かす為に使わせていただきます!」


「よく言った」と父王が言う。「使う分は、それはそれとして、その倍を稼いでくれるわな。期待しておるぞ。国の金は使ったら返す、使った分は稼げ、金は天下の回りものであるからな…」


「怖い怖い…。でもお任せください!」


「当然ながら、ワシも強兵の為に惜しみなく財務に要求するからな…、全くもって遠慮はせん、その分もしっかり稼げ!」と父王が言う。「あぁ、但し、貴様が動くのに足らないであろうから、ワシ個人の私財も自由にせよ!なぁに、王妃のドレスや宝石が買えなくなるだけだ。お前の母、あれはあれで後宮の中の『将軍』のような女だ。喜んでお前の為に我慢もするし、質素になろうとも喜んでそうしてくれるだろう…」


 父王が、ハイベルク伯爵を見る。


「のうハイベルク、お前の奥方も……、ワシの王妃の妹御だ。ぬしの奥方も、そういう女であろう?」


「は、はい……家内も……きっと……喜んで……」とハイベルク伯爵が言う。顔が引きつっている…


「引きつるな、お主の奥方も大丈夫、それが事実だ!」と父王が言う。


 俺は、少し笑う。


「わかりました、ありがとうございます!!」と俺が言う。「財は惜しまず動かして、必ず倍返し致します!」


「よし、しっかり1年後に結果を見せろ」と父王が言う。「無論、ワシもしっかり見せるでの…」


「望むところです!」


 父王が踵を返す。武将たちがその後に続く。廊下が揺れる。


 その背中に、声をかける…


「父上!!」


 父王が止まる。振り返らない。


「ありがとうございます!」と大声で告げた。


 少しの沈黙…


「それだけデカい声は余計だ、このやろうが!!」と父王が言う。しかしその声が、少し、緩んでいる。そして、そのまま歩いていく。



 その夜、真夜中。…


 王の執務室に、1人の男が呼ばれている。


 フリッツであった…


 王の影の執事…

 しかし、その目は執事の目ではない…、長年、王の影で動いてきた男の目だ…


「……フリッツ」と父王が言う。


「はい、陛下……」


「あやつが富国強兵に集中できるよう、 お前に命ずる…」


「……承知しました」と一言だけ。


「息子に汚れ仕事はさせるな。あいつにはまだ早い…これはこの王がお前に命じることだ」


「御意に…」とフリッツが言い、頭を下げる。


「9国の中で…、弱いところから叩け。勝ち易きに勝つ…、静かに…、誰にも気づかれず…」


「標的の選定から始めます…」


「やり方や順番、誰から潰していくかも任せる」と父王が言う。「ただし、 一つだけ守れ…」


「何でございますか?」


「ルークには知らせるな…、あやつが知れば、必ず止めようとする。でも、戦争や国取りはそんな甘いものではない。それでもあやつは正々堂々とするはずだ…まだ兵法や国取りの極意をあの子は知らない。そういう子だ…」


 フリッツが…、少し間を置く。


「よくご存知で…」


「まぁ、あやつの親であるならな…」と父王が言う…


 フリッツが深く頭を下げる。


「全ては、ルーク殿下を王になさる為に…」


「そうだ…」と父王が言う。


 窓の外に、城下の灯りが広がっている…

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