20.6 犬と、猫と、ときどき狼〜ラグナとフィリアとレオニスと〜
本編ではありえない、完全ギャグ回・エイプリルフールネタを書いてみました。
(……もうエイプリルフールかなり過ぎちゃってますが…汗)
あなたのエルヴィンは猫?犬?それとも……?
「エルヴィン様は猫です!ぜーったい猫ちゃんです!」
フィリアは力強く反論する。
「いや、あれは犬だ。それも小型犬だ」
「何度あしらっても、目を輝かせて俺の後ろをついてきたな」
ラグナが突然のマウントと共に言う。
「私にだって懐いてますよ!指にほっぺをすりすりしてくれたんですから!」
フィリアも負けじと、エルヴィンの愛はこちらが上だと主張する。
「はんっ。ただの一度きり擦り寄られただけで勘違いしているとはな」
ラグナは鼻で笑う。
「仮に猫だとするなら、それは愛ではなくマーキングだ」
「あれの子供の頃は可愛かったぞ。なんでも嬉しそうに集めてはポケットに入れてな。重みでズボンがずり落ちて泣いていたこともあった」
口の端を上げるラグナに、
フィリアは口をぷぅっと膨らませた。
「子供の頃のエピソード持ち出すのはずるいです!」
(……何を見させられているんだろう)
(……フィリアさんとラグナが言い合うことなんて、ありえないはずなのに)
「レオニス様はどう思います?エルヴィン様は、ぜーったい猫ですよね?」
急にフィリアと目線が合う。
(……あ、この場にいるのバレてるんだ)
「犬だと言っている。それもキャンキャン煩い」
ラグナが当然だと言い放つ。
二人の視線がレオニスに集中する。
(……えぇ、これ僕が答えを出すのか……?)
「そうだなぁ……僕の目には、やっぱり犬かな」
ラグナが勝ち誇った顔をする。
「……いや、でもときどき猫っぽい仕草もするな……」
フィリアがうんうん頷く。
「……場合によっては、狼?」
レオニスが困ったように言うと、
二人の視線が「こいつはダメだ」と言わんばかりに変わった。
そして、向き直って終わりのない論争が続く。
(……はぁ、疲れた)
(……エルヴィン、愛されてるなぁ)
(……僕も愛されたいよ)
レオニスは静かに、この空間の出口を探した。




