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信じる勇気2  作者: シュン
一章~旅立ちの時~
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9/12

三日目~黒い力~

「どこいってたの?」

宿屋に帰るともうサナが起きていた。現在時刻は午前六時。

「ちょっとね。サナは早いんだね。」

リーナはあいまいな返事を返す。

「うん。いつもこれくらいに起きていたから。」

「そうなの。お風呂入った?」

「まだ。」

「私も少し汗かいたし一緒に入ろっか。行こ。」

「うん。」

サナの手を引きながらリーナが言う

。サナはまだ一人で浴場に入れない。

だからリーナも一緒に付き添ってあげる。ちなみにジランは隣の部屋にいる。

サナは特になにも持たずに浴場に向かう。タオルなどは一応脱衣場にあるので、べつに必要ない。


リーナ達が浴場に行ったあと、少ししてからリオンが起きる。

「....」

リオンは少しぼーっとしてから隣の部屋に移動する。

「おはよう。」

リオンが扉を開けながら言う。

「おはよう。もう大丈夫だな。リオン。」

声で判断し、ジランが言う。

「うん。」

「風呂行くか。」

「うん。」

ジランが立ち上がる。部屋から出て鍵を閉める。



AM8:00

「さてと。そろそろ行くか。」

ジランはリュックから虫籠を取り出す。

「それで妖精捕まえるの?」

同じ部屋にいたリオンが聞く。

「けっこう頑丈なんだよ。これ。

結界張ってるし。」

と、虫籠を持ちながら言う。

ジランは虫籠をリュックに虫籠を戻す。

「なんで、虫籠リュックからだしたの?」

リオンが当然の疑問をジランに聞く。

「リオンが喜ぶと思ったから。」

「僕はそこまで子供じゃないよ。」

リオンは少し怒りながら言う。

「そうだな。ごめん。」

ジランが素直に謝る。

「うん。」

「行くか。」

ジランはリュックを背負い、部屋から出る。リオンはそれにつづく。

鍵を閉め、隣の部屋に入る。

「準備できたか?」

部屋の入り口で言う。

「もうちょい。」

リーナが中から返事を返す。

「じゃあサナと出てきてくれ。町の門のところで待ってる。」

「分かったー」

リーナは待ってと言っても待って

くれることが滅多にないとわかっているため、そのことに了解する。

「リオン、いくぞ。」

ジランはリオンのほうをみて言ってから歩きだす。リオンも一緒進む。


「おまたせー。」

門についてしばらくしてから二人が出てくる。

「よし、行くか。」

「リュックもってきたほうがよかった?」

歩きだしたジランにリーナが聞く。

「いや、べつにいいよ。武器だけ

もってりゃ。」

振り向きながら言う。

「よかった。」

リーナは安心した表情を見せる。

「サナの服はリーナの昔の服か?」

「うん、そうだよ。」

サナが着てる服を昔、リーナが着ていたことを思い出して、ジランが聞き、やっぱりなと思う。

「門のときに聞いてくれなかったからもうどうでもいいのかなって思ったよ。」

「どう?」

リーナが話したあとすぐにサナが聞く。

「いいんじゃないか?」

ジランが微かに笑いながら、サナに言い、前を向く。

(....なんだろうな。この気配は。)

サナは後ろで嬉しそうにしている。

ジランがリオンの様子をみると

リオンも気づいているようだった。

ただなにかは分からないようだ。

(町からでたばっかりだってのにな。...嫌な予感がする。)

ジランの予感は的中することになる。


それから一時間くらい歩いた、森で虎のような獣に乗った山賊が現れた。獣の色は全身グレー。山賊達は先の道をふさぐ。

(よかった。雑魚で。)

ジランは心の中で思う。

「命が惜しければ、金を置いていけ!」

「命を惜しいとは思わないし、金を渡す気もない。」

ジランは少し山賊の声とかぶせながら言う。手にポケットから取り出した風のグローブをつける。

(...だが、なにかおかしい。)

ジランは胸に不安を抱きつつ、目の前にいた山賊にウインドを放つ。

山賊は大きく吹っ飛ぶ。そして

地面に背中から着地する。

「ぐあ!」

山賊が乗っていた獣がジランに襲いかかってくるが、ジランは一歩も

動かず、ウインドを放つ。

その獣は風によって、木に叩きつけられ、動かなくなった。

「やりやがったな!」

山賊の怒って叫ぶ。

(十人か。獣はさっき倒したから

九匹だな。)

ジランの不安は消えない。

「お前ら気をつけろよ。弓が飛んでくるかも知れないからな。」

「うん。」

後ろにいるリーナが返事を返す。

「リーナとサナは後ろを警戒してくれ。俺とリオンで山賊達を倒す。

なにがあってもこっちは向くなよ。」

「分かった。」

「お前ら行くぞ!!」

山賊が叫び、その山賊を含めた八人が獣に乗って襲いかかってくる。一人は走ってくる。

「リオン、頼む。」

「わかってる!」

ジランは目を閉じ、精神を集中させる。リオンが山賊達に向かって走り出す。髪が銀色に染まっていく。

(....隠れているやつが四人か。)

ジランが目を開く。

「リーナ!そっちに二人隠れているやつがいる!気を付けろよ!」

「分かった!」

リーナが叫んだと同時に矢が二本

飛んでくる。

「カッター!」

サナが風の刃で矢を撃ち落とす。時間がなかったためウインドは省略。

「サンダー!」

リーナが矢の飛んできた方向に

稲妻を放つ。

「ぎゃああぁぁ...」

声が小さくなっていく。二発とも

当たったようだ。

(さて、あとの二人はどこにいるかな。)

ジランは再び目を瞑り、精神統一を

行う。

「サナ、後ろで俺に飛んできた矢を撃ち落としてくれ。リーナはそのまま後ろを警戒しておいてくれ。」

「うん。」

「わかった。」

二人はそれぞれの返事を返し、サナがジランの方向を向く。

すでに矢が二本飛んできていた。

「トルネード!」

サナがジランの前に竜巻を発生させる。矢は竜巻によって、空に飛ばされた。離れたところで矢が落ちる。

サナはトルネードを解除する。

直後に矢が一本ものすごい早さで

飛んでくる。魔法を解除したばかりのサナは動けない。

矢はジランの足に深く突き刺さる。

「ジラン!」

サナが叫ぶ。しかし、ジランは顔色一つ変えずそのまま精神統一をつづけている。

(...ここか!)

ジランは目を開く。

「...ロックオン。」

ジランが静かに呟く。

「...え?」

サナが疑問の声を上げる。

ジランはグローブを手から外す。

「ブラックドレイン!」

ジランが右手を前に構え、二発、

黒い、炎のような玉を前方に放つ。

それは曲線を描き、隠れていた

狙撃主二人に命中する。

「ぐああぁぁ....」

叫び声がどんどん小さくなる。

黒い炎のような玉はジランに直撃し、消える。すると、ジランの足に刺さっていた矢が抜け、傷が治る。

「ふぅ。これで終わりか。」

ジランはリオンの方を見る。

そこにはリオンとさっき突撃して

こなかった男しかたっていなかった。

「君、強いね。まだ子供なのに。」

男が話す。

「鍛えたからね!」

リオンが元気良く返す。

「じゃあ僕とやろうか。」

「負けないよ!」

リオンは男に向かって走り出す。

「待て!リオン!」

ジランが怒鳴る。リオンが足を止め、ジランを見る。

「なに!?」

リオンは楽しみを邪魔されたので、

怒ってジランを見る。

「お前じゃそいつには敵わない。

俺がやる。」

ジランが男に向かって歩き出す。

「...分かった。」

リオンはショボンとして素直に後ろに下がる。自分より強いジランに言われたら、その通りのことになるだろうとリオンは分かっていたからだ。

「君、その子より強いの?」

男が微笑みながらジランに聞く。

「さあ?どうだろうな。お前、

人質じゃなかったのか?」

ジランが先程まで思っていたことを聞く。

「そうだよ。よくわかったね。」

男はすぐに答える。

「手に縄がついてたからな。いつのまにか外してるけど。じゃあなんで俺達と戦おうとするんだ?」

ジランが歩みをやめずに聞く。

「自分より強いやつについていこうと思ってね。」

「なんでだ?」

「やることがないから。だからどうせならいっぱい強いやつ戦いたいなって。強いやつといたら強いやつと戦えるって思ってね。」

「そうか。じゃあ俺がお前に勝ったら俺についてくるのか?」

「うん。どこでもついてくよ。」

ジランは男にあと少しのところで

歩みを止める。

「じゃあさっさとやろうぜ。」

「うん、いいよ。」

二人はしばらく止まる。

静かな時が流れる。

「こいよ。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

男が右手を後ろに引く。

ジランはなんの構えもとらない。

男の手から黒い玉が発射され

、ジランの方向に飛んで行く。早くもないが、遅くもない。ジランは前に右手の手の平を黒弾に向ける。

「ドレイン」

ジランの右手に当たった黒弾が

吸収されていく。

「へぇ。技を吸収できるんだね。

どんな技でもできるのかい?」

「ああ。そうだ。こんどはこっちからいくぞ。」

ジランは右手を男に向ける。

ジランの右手から男がくりだしたものと同じものが出される。

男はそれを後ろに飛んでかわす。

「しかも吸収した技を出せるとはね。びっくりしたよ。」

笑いながら男は言う。

ジランは男に向かって走り出す。

「暗黒技・絶!」

男はジランに向かって大きな斬撃型

の衝撃波を手から出す。

ジランはそれを手を前にして吸収

する。

「黒波!」

大きな黒い波がジランの手から出る。

「スモールブラックホール」

男の手から小さな黒い玉が出て、

黒い波を飲み込む。

「おら!」

ジランはいつの間にか男の後ろに

回り込み、黒い拳を一発浴びせる。

しかし、男はゆらりと消える。

「なかなか強いね。」

「お前もな。」

男はジランの後ろの少し離れた位置にいて、ジランはそれを見ずに話す。少し間が開いてから男が口を開く。ジランがゆっくり男のほうを向く。

「もう手加減はいらないね。本気でいくよ。」

男の手に黒い霧が集まり、その霧が剣の形になっていく。

「君も本気出してよ。」

「言われなくても出すさ。」

ジランの両手に銀の霧が集まっていく。


「ジランが本気を出すなんて。」

リーナはもう警戒を解いていいと

リオンに言われてから木の根に座って観戦している。

「手伝わなくていいの?」

サナがリーナに聞く。

「いいの。邪魔になるだけよ。」

リーナがそういう。

「本気だせばいいじゃん。」

横で話を聞いていたリオンが言う。

「本気って?」

「普通に、本気だよ。」

リーナは自分の力がバレてることに気づく。

「精霊ってことがバレたら、しかも他の種族の血も混ざってるこの力使ったら、気味悪がられるよ。」

「ジランはそんな人じゃないよ。」

暗い顔で話すリーナにリオンが慰める。

「でも...」

「多分ジランは気づいてるよ。」

「うん、私もそう思う。でももし、気づいてなかったら...」

「私だって精霊と人間の血、入ってるよ?」

「そうなの?」

「うん。だから大丈夫。」

「...分かった。じゃあこれが終わったら話すよ。」

リーナは決意した。


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