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信じる勇気2  作者: シュン
一章~旅立ちの時~
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7/12

二日目~理由~

サナは町が珍しいのか、キョロキョロしている。

「前はどこでくらしていたんだ?」

「森の中で三人で暮らしてたよ。」

「そうか。じゃあ町に来たことは

なかったんだな。」

「うん。」

サナとジランは適当にぶらついている。

「おーい。」

すると、後ろから呼ぶ声がする。

振り替えると、そこにはリーナと

リオンが立っていた。リオンは

大分きれいになって、新しい服とズボンを履いている。

「へー。なんかいい感じだな。」

「でしょ!」

「店員さんに選んでもらったんだよ!」

上からジラン、リーナ、リオンと

いう順番。

「まあ俺らは田舎ぐらしだったからな。」

やっぱりリーナもわからなかったんだなと思うジランだが、口にはださない。

「意外と早かったんだね。その子は?迷子?」

サナはジランの後ろに隠れている。

「捨て子。」

ジランが躊躇なく言う。サナは特に

気にした様子もない。

「じゃあ一緒に連れていくの?」

リーナは少し驚いたが、冷静に聞く。

「ああ。問題あるか?」

「ないけど....」

「じゃあ決まりだな。」

リーナがサナの目線と同じ目線に

屈む。

「名前はなんていうの?」

リーナは優しく聞く。

だが、サナはジランの後ろから出てこようとはしない。

「べつに怖がらなくても大丈夫だ。ほら。」

ジランがサナの背中をおしてやると

やっとジラン後ろから出てきた。

「サナ。」

サナはそれだけ言うとまたジランの後ろに隠れてしまった。

「だめだな。」

ジランは頭をかきながら言う。

「お前、なにか隠してることないか?」

「え?なんで?」

「精霊の力とかに敏感なんだよ。こいつは。」

サナは一応精霊なので、同じ精霊の

敏感だ。だが、ジランはサナ精霊

ということは言わずに大事なところ

だけ言う。

「私が精霊のわけないでしょ。」

「精霊石とか隠し持ってないのか?」

「もってないよ。」

「そうか。リーナのなにが嫌なんだ?」

ジランは今度は後ろにいるサナに聞く。サナは俯いてなにも言わない。

「.....お前らはなんか食ったか?」

ジランが聞くのを諦め、二人に

聞く。

「え?うん。食べたよ。」

「そうか。釣りはやるよ。」

ジランは出る前に五千ゼンと割引券を渡していた。残り七万三千五百

ゼン。

「やった!なに買おう。」

夕食に三千ゼン使ったので、残りの

二千ゼンはリーナのものになる。

前にも言ったと思うが、金はジランが全部持っている。リーナに持たせていたら、不安で仕方がない。

「宿にもどるか。」

ジランが歩き出し、サナがすぐ後ろを歩き、二人は普通についていく。


「さすがに四人もいたら狭いな。」

部屋に入ったところでジランが言う。

「そりゃ、ね。」

リーナが言う。

「もう一部屋とるか。」

「それがいいだろうね。」

「リーナとリオンがここの部屋で

、俺とサナは隣の部屋で寝るよ。」

サナが少し安心した顔をする。

「僕もジランと一緒に寝たい!」

リオンが駄々をこねる。

「それじゃあ部屋を分ける意味がないだろ?我慢してくれ。リーナも寂しいだろうし。」

ジランが静かに言う。

「私は別に一人でも寂しくないよ!」

リーナが叫ぶ。

「寂しくないって言ってるよ?」

「ああ言ってるけど、心の中では寂しいんだよ。我慢してくれるな?」

「...分かった。」

「待って!私は寂しく....」

「それじゃ、金払ってくるよ。」

リーナの声に重ねるようにジランが言い、リュックから小包を取り出す。

「ちょっと!聞いてるの!」

「サナ。行くぞ。」

立ち上がり、隣に座っていたサナの手を引く。

「う、うん」

サナは少し怯えている。

「リーナ。大きい声出すな。サナが怯えてるだろ。」

ジランがそのことに気づき、リーナに言う。

「ジランが変な事言うから!」

「事実だろ?それから大きい声出すな。」

「....」

リーナはもうなにも言えなかった。ジランになにをいっても無駄だと気づいたようだ。寂しいのは事実と言うこともあって。

「じゃ、そういうことで。」

ジランがリュックをもち、部屋から

出ていく。

しばらくその部屋には静かな時間が

流れた。


「もう一つ部屋をおねがいします。」

「はい。追加八百ゼンおねがいします。」

部屋から出たジランは受け付けで

追加料金を支払う。ここの宿屋二つで千六百ゼンらしいのだが、すでに

部屋ひとつ分を支払ってしまったため、通常より少し高くなってしまった。

ジランは八百円分の硬貨を渡し、隣の部屋に入った。

「ふぅ。」

ジランはリュックを下ろし、椅子に座る。サナも横の椅子に座る。

やることがなく、そのままただぼーっとする。ちなみに現在時刻は

七時。

「外、出よ?」

しばらく立ってからサナが言い出す。

「暇か?」

「さっきはあまり町をみれなかったから。」

「あーそうだったな。分かった。」

ジランはリュックから小包を取りだし、その中から金をいくらか違う

小包の中に入れる。

「リーナ達に言ってから出るぞ。」

ジランはその小包をポケットに入れて立つ。それにあわせてサナも

立ちあがる。

「行くか。」

ジランはドアを開け、サナは後ろからついてくる。そして横の部屋の

扉を開ける。

「ノックくらいしてから入って来てよ。」

リーナ達も部屋でぼーっとしていたようだ。

「暇だから外出てくるよ。」

「じゃあ私達も行く。」

と、リーナが立ち上がる。

「リオンも行くか?」

「行く!」

リオンはすごい勢いでジランに突進してくる。ジランはそれを受け止める。

「じゃあ行くか。」


四人は外に出て、町を適当にぶらぶらした。たまに出ている出店でサナとリオンに食べ物を買ってやった。

そして宿屋に戻る。


ジラン達は宿屋に帰った時はもう九時。

「楽しかったか?」

ジランが部屋で聞く。

「うん。」

サナは答える。

「そりゃ良かった。風呂入って寝ろよ。先入るか?」

サナは首を傾げる。

「あー風呂知らないか?」

サナは首を縦に振る。

「リーナにつれてって貰え。別に恐いところじゃないから大丈夫。

リーナも恐がる必要ないぞ?」

ジランが言ってもサナは不安そうだった。よっぽどサナのことが恐いんだろう。

「大丈夫だから。な?俺も横で入ってるから。」

サナはそう言うと少し表情が和らいだ。

「じゃあリーナにいってくる。」

ジランはそういうと、サナを残して、隣の部屋に入る。

「だからノックくらいしてって。」

「サナを風呂に入れてやってくれ。まだ入ってないだろ?」

「入ってないけど。あの子私のこと恐がってるよ?大丈夫なの?」

「俺も一緒に入る。」

「え!」

リーナは驚く。

「一緒に入る気!?」

「? そうだけど。部屋は閉めてく。昨日はなにか盗まれる心配があったから別々に入ったけど、大丈夫そうだしな。リオン、風呂入るぞ。」

ジランはなぜ、リーナが驚いたかわからなかったが、特に興味がなかったので聞かなかった。

「風呂って何ー?」

「気持ちいいところ。」

ジランはリオンの疑問に適当に答える。リオンだったら怖がる心配が

どこにもなかったからだ。

「じゃあさっさと準備しろよ。」

ジランはリオンと一緒に部屋を出て隣の部屋に入る。リーナは呆然としていたが、ジランの声でとりあえず、準備しはじめる。

ジランはもう準備できていたので、

子供二人のやり取りをぼーっと見ていた。

「君名前なんて言うの?」

まずリオンが聞く。

「...サナ。」

サナが静かに答える。

「じゃあサナは精霊なの?」

サナは突然聞かれて驚くが、すぐに

答える。

「うん。」

「へー。僕より強い?」

「分かんない。」

「じゃあ今度試してみようか。」

「え?」

「お互いの最大の技をぶつけるんだよ。」

「リオン。」

リオンが物騒なことをいいはじめた

のでジランが話を止めに入る。

「そんなこと本当にするなよ。

リオンとサナじゃ、力は全く一緒だ。」

「え、そんなに細かくわかるの?」

「力みりゃだいたい全力が分かる。」

「ジランとサナ戦ったの!?」

リオンが羨ましそうに見る。

「互いに全力じゃなかったけどな。」

「そうなの?」

自分に匹敵するほどの力ではなかったが、ものすごい力だったのでサナは驚く。

「ああ。リーナには言うなよ。」

「私には言うなって?」

リーナが扉を開けて、入って来る。

「お前もノックして入ってこいよ。」

「いつもの仕返しだよ。」

リーナは満面の笑みで言う。

サナはジランの後ろに隠れる。

「大丈夫だって。」

ジランがサナの背中を押して自分の前に出す。「なにがこわいんだ?」

とはあえて聞かない。

「行くぞ。」

開けっぱなしの扉を出て鍵を閉める。横の扉も鍵がかかってるか確認する。開いていた。

「あ、忘れてた。」

リーナが手に持っていた鍵で鍵をかける。

「なんで鍵手に持ってんのにかけ忘れるんだよ?」

「気にしない、気にしない。」

「気にしろよ。」

ジラン達は一階にある浴場で別れる。

「じゃあ後でな。」

「うん。」


「うわーひろーい」

「こけるなよ。」

中は大分広いが、風呂は一種類しかない。

「リオンこっちこい。」

「なにー?」

リオンが走ってくる。

ジランは蛇口を捻り、シャワーを出す。

「あったかいー。」

リオンの頭をそのままごしごし洗う。

「お前昼風呂入ったんじゃなかったのか?」

「入ったよー。」

「じゃあなんで聞いたんだ。」

「リーナがここに連れてきて入ってってって言っただけだったから。」

「風呂とはきいていなかったと。」

「うん。あそこにジャンプしたんだ!」

リオンが指さすのは浴槽。

「おもしろかったよー!」

リオンはおおはしゃぎだ。

「そうか。よかったな。誰もいなかったからやったんだよな?」

「うん!」

リオンは賢いのでそこはよくわかっている。

ジラン達は体を洗い終えると浴槽に

ゆっくりと入る。

「なんで力隠すの?」

リオンはさっきより大分声を小さく

して話す。女風呂とは壁一枚でつながっているため、大きい声を出すと

向こう側に聞こえてしまう。

ジランも静かに話し始める。


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