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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第一部 兆し
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9/79

07:00(反乱軍 将校の私室)

中橋中尉は椅子に座ったまま、動けなかった。


 手の中に、あの手紙があった。


「たわけ」


 たった3文字。その3文字が心を錐のように鋭く抉る。


(俺は本当に『たわけ』だったのか・・・)


 窓の外が明るくなっていた。作戦は始まっている。仲間たちは動いている。しかし何かが、根本的に狂ってきていた。


 伝令が来た。


「岡田邸、首相不在でした」


 中橋中尉は動かなかった。


 また伝令が来た。


「牧野別邸、対象不在」


 また来た。


「斎藤邸……指揮官が負傷しました。狙撃です」


 中橋中尉はようやく立ち上がった。


 窓の外を見た。東の空が白んでいた。


 全てが、誰かに読まれていた。


 そう気づいた瞬間、全身から力が抜けた。


「……誰だ」


 誰も答えなかった。


 答えられる者が、この部屋にいなかった。


 嵌められたのか?


 いや違う、我は天から『日本を正しい道』に導くように進んで、決起しただけだ。我の行動は天命なのだ。正義は我

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