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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第12章 世界が動く
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第一次遣欧艦隊(1940年1月)

 1940年1月。竹中は海軍省の廊下を歩いていた。


「何隻出しますか」


「まず小規模だ。軽巡一隻と駆逐艦三隻。通商保護の名目で」


「……通商保護ですか。今は通商船もそれほど」


「名目だ。文句は言わせない。ゆっくり行け、と指示する。インド洋で一週間。アデンで補給。紅海でも一週間。スエズを抜けてエジプト沖まで行く」


「地中海には入らないんですか」


「今回は手前まで。次が本番だ。本拠の近くまで行きすぎて刺激はしたくない」


―――


 麻子が航路図を広げた。


「途中の寄港地はどうしますか」


「全部寄る。コロンボ。カルカッタ。ボンベイ。アデン。補給と……挨拶だ。親善」


「現地の有力者への挨拶ですね」


「そうだ。商人でも政治家でも独立運動の人間でも。日本の軍艦が来た、という事実を残す」


「インドの独立運動との接触も」


「さりげなくな。押しつけない。ただ、顔を見せる」

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