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暗号解読・偽情報回路(1940年初頭)
ちょっと間が空きました
「解析できたということは、ソ連側も同じ鍵で他の通信を出しています。過去の分も遡れます」
「いつから」
「一九三七年まで遡れる可能性があります」
小田は紙を机に置いた。「竹中中佐に連絡しろ。私から直接話す」
―――
その夜、丸一ホテル。小田からの報告を聞いた竹中は、長い間黙っていた。
「一九三七年まで遡れるなら、網全体が見えます」
「逮捕しますか、今すぐ」
「しない。泳がせる。ただし、これからは——向こうが読む情報を、こちらが選ぶ」
「偽情報の回路にする、ということですね」
「そうだ。モスクワが信じる情報を、日本政府内から自然に流す。尾崎は何も知らないまま、その回路になる」
―――
知仁の私室。竹中が書類を手に取って見ている。
「御苦労。これでソ連の暗号がやっと破れたな。これからソ連と他の国の通信も努力してほしい」
「これで、動きやすくなります」
「そうだな、逆に偽電を打つのはどうだ。尾崎になりすまして」
「あっ、そうですね。ゾルゲを逆スパイに……」
(もう知っておられたみたいだ)
もしよろしければ、ブックマークに記入してもらえてば、幸いでです。




