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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第12章 世界が動く
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暗号解読・偽情報回路(1940年初頭)

ちょっと間が空きました

「解析できたということは、ソ連側も同じ鍵で他の通信を出しています。過去の分も遡れます」


「いつから」


「一九三七年まで遡れる可能性があります」


 小田は紙を机に置いた。「竹中中佐に連絡しろ。私から直接話す」


―――


 その夜、丸一ホテル。小田からの報告を聞いた竹中は、長い間黙っていた。


「一九三七年まで遡れるなら、網全体が見えます」


「逮捕しますか、今すぐ」


「しない。泳がせる。ただし、これからは——向こうが読む情報を、こちらが選ぶ」


「偽情報の回路にする、ということですね」


「そうだ。モスクワが信じる情報を、日本政府内から自然に流す。尾崎は何も知らないまま、その回路になる」


―――


 知仁の私室。竹中が書類を手に取って見ている。


「御苦労。これでソ連の暗号がやっと破れたな。これからソ連と他の国の通信も努力してほしい」


「これで、動きやすくなります」


「そうだな、逆に偽電を打つのはどうだ。尾崎になりすまして」


「あっ、そうですね。ゾルゲを逆スパイに……」


(もう知っておられたみたいだ)

もしよろしければ、ブックマークに記入してもらえてば、幸いでです。

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