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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第10章 宴会と戦場
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対ソ迎撃計画・前夜(1939年8月)

第一部完了版は以下で公開中

https://x.gd/akizukitikuma00



 帰り道、竹中達は本司令部に向かった。疑似司令部の淀んだ空気とは違う、活力のある雰囲気だった。


 竹田が地図を見ながら言った。


「九七式司偵によると奥地の物資輸送は盛ん。中央部の部隊も集結中で、下旬前までに攻勢の準備が整うと思う」


「やっぱりか。こっちの準備は?」


「ほぼ間に合いそうだ。ほぼ吶喊(とっかん)だぞ。キルゾーン以外に対戦車地雷を大量に敷設できた。地雷原にはひらがなで『じらいげん』て看板も立てておいた。そうでない所にもな」


「それはいい。疑心暗鬼で動けなくなりますね」と、みほ。


「キルゾーン手前に竜の歯が2列、後方百メートルに戦車壕と逆茂木の列。対戦車陣地に野砲をありったけ。側面には自走砲を二十輌。お前の計画は悪魔だよ」


―――


 「ソ連軍が動く準備が終わったようだ」


と報告が届いたのは、前日の夕方だった。


 みほはKar98Kを肩にかけ、夕日を浴びながらキルゾーン周辺を歩き、地形の細部を頭に入れていった。


(この一戦がJCSもPL1も陛下の努力の結果になるわ。ものすごく怖い。でも何としても勝たなきゃ。これが私の、レゾンデートル【存在証明】)


 麻子は自室で敵の配置と作戦を反芻していた。(これが戦争なんだ)


 竹田は司令部の屋根の上から草原を見ていた。


 竹中は司令部のソファーで作戦書を顔の上に乗せたまま寝込んでいた。

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