対ソ迎撃計画・前夜(1939年8月)
第一部完了版は以下で公開中
https://x.gd/akizukitikuma00
帰り道、竹中達は本司令部に向かった。疑似司令部の淀んだ空気とは違う、活力のある雰囲気だった。
竹田が地図を見ながら言った。
「九七式司偵によると奥地の物資輸送は盛ん。中央部の部隊も集結中で、下旬前までに攻勢の準備が整うと思う」
「やっぱりか。こっちの準備は?」
「ほぼ間に合いそうだ。ほぼ吶喊だぞ。キルゾーン以外に対戦車地雷を大量に敷設できた。地雷原にはひらがなで『じらいげん』て看板も立てておいた。そうでない所にもな」
「それはいい。疑心暗鬼で動けなくなりますね」と、みほ。
「キルゾーン手前に竜の歯が2列、後方百メートルに戦車壕と逆茂木の列。対戦車陣地に野砲をありったけ。側面には自走砲を二十輌。お前の計画は悪魔だよ」
―――
「ソ連軍が動く準備が終わったようだ」
と報告が届いたのは、前日の夕方だった。
みほはKar98Kを肩にかけ、夕日を浴びながらキルゾーン周辺を歩き、地形の細部を頭に入れていった。
(この一戦がJCSもPL1も陛下の努力の結果になるわ。ものすごく怖い。でも何としても勝たなきゃ。これが私の、レゾンデートル【存在証明】)
麻子は自室で敵の配置と作戦を反芻していた。(これが戦争なんだ)
竹田は司令部の屋根の上から草原を見ていた。
竹中は司令部のソファーで作戦書を顔の上に乗せたまま寝込んでいた。
ポチッとお願いします




