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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第10章 宴会と戦場
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疑似司令部・求戦派幕僚(1939年6月)

第一部完了版は以下で公開中

https://x.gd/akizukitikuma00

 1939年6月


 一旦落ち着きを見せたハルハ川沿岸。竹中とみほは疑似司令部を「定期連絡」名目で訪れた。


 基地内へ入った瞬間に気づいた。空気が、浮ついていた。衛兵も不在だった。


 参謀たちが緩んだ目で地図を囲んで声高に話していた。


「ジューコフという奴、どうせ大したことなかったじゃない。本腰入れれば叩けます」


「司令部が及び腰だから勝てないんです。もっと前に出るべきだ」


 みほは黙って部屋全体を見渡した。誰が一番熱くなっているか。誰が追随しているか。誰が黙っているか。全部、頭に入れた。


 竹中は書類を確認しながら、内心で思った。


(もっと踊ってくれ。もう少し激しく踊ってくれ)


 参謀の一人が近づいてきた。


「中央に伝えてください。もっと兵力を寄越せと」


「はい、承りました。そんなにジューコフでも弱いですか?」


「あと1〜2個師あれば、思いきり進めますよ!」


 参謀は満足そうに戻っていった。



 みほが小声で言った。


「三番と五番の参謀が特に危険です。あの二人が動けば、他が追随します」


「わかった。記録しました」


「ご苦労。帰るぞ」


 二人が出て行った後、参謀たちは誰も気にしなかった。ただの『外事特務課の役人』とお付きが来て帰っただけだと思っていた。

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