疑似司令部・求戦派幕僚(1939年6月)
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1939年6月
一旦落ち着きを見せたハルハ川沿岸。竹中とみほは疑似司令部を「定期連絡」名目で訪れた。
基地内へ入った瞬間に気づいた。空気が、浮ついていた。衛兵も不在だった。
参謀たちが緩んだ目で地図を囲んで声高に話していた。
「ジューコフという奴、どうせ大したことなかったじゃない。本腰入れれば叩けます」
「司令部が及び腰だから勝てないんです。もっと前に出るべきだ」
みほは黙って部屋全体を見渡した。誰が一番熱くなっているか。誰が追随しているか。誰が黙っているか。全部、頭に入れた。
竹中は書類を確認しながら、内心で思った。
(もっと踊ってくれ。もう少し激しく踊ってくれ)
参謀の一人が近づいてきた。
「中央に伝えてください。もっと兵力を寄越せと」
「はい、承りました。そんなにジューコフでも弱いですか?」
「あと1〜2個師あれば、思いきり進めますよ!」
参謀は満足そうに戻っていった。
みほが小声で言った。
「三番と五番の参謀が特に危険です。あの二人が動けば、他が追随します」
「わかった。記録しました」
「ご苦労。帰るぞ」
二人が出て行った後、参謀たちは誰も気にしなかった。ただの『外事特務課の役人』とお付きが来て帰っただけだと思っていた。
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