↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第10章 宴会と戦場
PR
58/83

疑似司令部・今村への説得(1939年4月)

第一部完了版は以下で公開中

https://x.gd/akizukitikuma00


 1939年4月


 竹中とみほが関東軍司令部に向かった同じ頃、竹田は別の車で南岸の荒地に向かっていた。


「仮設飛行場として使えるか」


「距離は十分です。工兵に整地させれば三日で使えます」


 竹田は地面を踏んだ。固かった。水はけも悪くない。


「ここに疑似司令部を建てる。本物に見えなくていい。遠くから見て、それらしければいい。テントと木造の仮設建物を組み合わせる。アンテナを立てろ。旗も必要だ」


「どの旗ですか」


「関東軍の旗だ」


「……本物の司令部と間違えさせるためですか」


「ソ連の偵察機を間違えさせるためだ。急進派の参謀連中はそこに押し込む。彼らにとっては本物の司令部のつもりでいてもらう」


―――


 翌日、竹中は今村の執務室を訪ねた。


「司令官、これから進める作戦に、関わらないでいただきたい。万一失敗した時、司令官に責任が及ばないようにするためだ」


 今村は窓の外を見た。


「……竹中、お前は俺を信頼しているのか、していないのか」


「信頼しているからこそ、頼んでいる。信頼できない者には、守る必要がない」


 今村はしばらく竹中を見た。それから、小さく頷いた。


「わかった。『聞かない』。『見ない』。『知らない』」


「ありがとう。その言葉を一番陛下は望んでおられる」


「御言葉として理解した。ただ……部下が死んだ時は、教えてくれ。それだけは知りたい」


「約束する」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。