↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第9章 動乱の時代
PR
53/73

査問委員会・牟田口廉也の場合・Rewrite(1937年12月)

 同じ日の午後遅く、牟田口廉也が呼査問委員会・ばれた。


 扉を開けた瞬間、牟田口も固まった。


(まさか……陛下、ご本人……)


「楽にしてくれ」


 牟田口は座った。武藤より激しく弁明した。「天帝の為」「国のため」という言葉を何十回も使った。最後には自分でも支離滅裂だった。


 知仁は黙って聞いた。全てが終わった後、また立ち上がった。


「それだけか?」


 扉が閉まった。「それだけか」という言葉が、頭の中で繰り返された。


―――


 翌日、竹中は知仁に会った。


「昨日のことは存じませんでした」


「そうか。朕が少し脚色を考えた」


 竹中は少し間を置いた。


「……陛下」「うん」「ありがとうございます」


 知仁はわずかに頷いた。それだけだった。


―――


 その後、武藤章は長野に転出した。表向きは「地方部隊への異動」だった。しかし眠れなくなった。「それだけか」という言葉が夜ごと繰り返された。三ヶ月後、武藤は自ら予備役を希望した。誰も追い出したとは思わなかった。


 牟田口は長野転出後も部下への連絡を続けた。SCSは全て把握していた。ある夜、牟田口の元に情報が届いた。「部下が動いています。今が機会です」——牟田口は動いた。三日後、脱走という事実が軍内に知れ渡った。「脱走した将校」という烙印は、永遠に消えなかった。


 竹中はその報告を受けた時、何も言わなかった。


「PL1は関与していないんですね」と竹田。


「知らない。脱走を手助けした証拠はない」


 竹田はそれ以上聞かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。