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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第一部 兆し
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3/73

04:30

同時刻、宮中の一室


 天帝と高橋是清は熱いお茶をすすりながら、


「是清よ、よかった、竹中忠彦は人を見る眼がある。見込んだ近衛を動かし、お前をここに連れてきた」


 高橋は意味が解らないが、何か重大事が起こっているのは、幾多の政変をくぐり抜けてきた歴戦の冷徹な政治の権化として、直感で解った。ここで更に発言するほどの愚行は犯さない。


 一九三六年二月二六日(2.26事件初日)の朝は開けていた。


 だが、事はすでに、その前夜から、静かに動き始めていた。

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