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知識は最も重い荷物でも前に進む  作者: 秋月 筑摩
第2章 二・二六事件 翌2月27日
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影の組織・誕生

いよいよ、本当の主役が設立か(?)

 真っ白い壁に窓も何も無いだっ広い部屋。三十個以上の机が、部屋の後ろ半分に置かれ、正面には細長い黒板が壁に貼られ、その上には世界各地の現地時間を示す時計が動いている。ハワイ・ロサンゼルス・ワシントン・ロンドン・モスクワ・デリー・バンコク等の名札がその下に貼られている。


 その前は一段高くなってその上に竹中がスーツ姿の十数名の男女の向かっていた。前には白いテーブルクロスを掛けられた細長いテーブルの上に豪勢な食事が並んでいる。


 竹中は少し雛壇になっている段上から、その少し不安げな男女に向かって、


「諸君、初合わせの者も多いが、今ここに集まったのがPL1、SCSの全員だ」


「諸君のお陰で事件はおおよそ計画内で終息しつつある。俺からも礼を言う。『ありがとう』諸君達は俺と『天上の人』とで決めた逸材だ。自信を持って欲しい」


「ここで言っておくが、この組織PL1&SCSは影の組織だ。影から天帝とその愛されている国民を支える屋台骨だ。たとえ死んでも表に出ないし靖国にも行けないかもしれん。たとえ世界を揺るがすような事態を止めても新聞に一行も出ないだろう。ここでもう一度尋ねる。そういうのは否だと思う者がいたら、遠慮なくこの場から立ち去って欲しい。原隊に戻るか、元の生活に戻れる。但し此処での事は一切口外しないことを陛下に誓ってもらう。どうだいるかな?」


 と見渡すが誰も動こうとはしない。


「ふう・・・助かった。これ以上少なくなったら、任務に支障が出るんだ」


 とニヤリと笑いながら言う。その一言で場の緊張感が薄まり、互いに顔を見合わせる。


「わかっていると思うが、ここに集まったのは同志である。男も女もいる。世間での価値観・道徳観はこの組織では通用しないと思ってくれ、男も女も同列に扱う。『女のくせに』とか『男だから』っていうのは御法度だ」


 一人の女が手を上げた。


「男も女も同じ条件ということは、戦闘訓練とかもですか?」


「いい質問だ。女も男も同じように近接格闘術・拳銃・ナイフの訓練を受けてもらう。自衛のためだ。それから緊急の事を感じたら一番最初にするのはここへの連絡だ。たとえ勘違いでも不審な者・物・雰囲気を感じたら先ずは一報入れて行動せよ」


 一人の男が手を上げた。


「私の家は貧しくて家に入れてるんですが⋯」


「大事な話だ。君達の身分は元の組織から外れてもらう。新たに近衛部隊付や同軍属になってもらい、給与はダミー会社経由で支払う。親元への送金は自由だ」


「最後にひとつ。各員は軍用ナイフと拳銃を常時携帯してもらう。繰りかえすが常時携帯を意識せよ。それだけ危険な任務の連続であることだ」


 当惑気味の人々を置いて、


「ちょっと冷えてしまったかな?長話してすまぬ。今日は思い切り飲んで食べてくれ」


 と、言って自ら食べ始めた。

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