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病床の岡田啓介を、須知が見舞いに訪れていた。
岡田は、まだ顔色が優れなかったが、意識ははっきりしていた。
「陛下より、伝言を預かっております」
須知は、静かに切り出した。
「快復までの間、宇垣一成殿に、総理の職務を代行していただきたい、とのことです。岡田総理の御内諾を、頂戴したく」
岡田は、しばらく黙っていた。
「宇垣君、か」
「はい」
「悪くない。あの男なら、任せられる」
岡田は、小さく頷いた。
「頼む、と、陛下にお伝えしてくれ」
「畏まりました」
須知は、深く一礼し、部屋を後にした。




