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「お前を愛するつもりはない」そう言った呪われた英雄辺境伯に、売られた令嬢は咄嗟に蝉ドンしてみた~魔王殺しの英雄と魔王令嬢の物語~  作者: 桃緑茶


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19.妻に手紙を書こう

(あいつが俺に説いた事を、全て無下にしてはいけないな)

それこそ、友の想いを踏みつけにする行為だ。

辺境までやって来た幼い花嫁にも申し訳ないことをした。

痛みも薄らぎ(アヌシュカの噛み痕は兎も角)、少し冷静に気持ちを整理できた。


+++++


「…アヌシュカに手紙を書こう」

騎士たちの指南の後、オルトスはポツンと呟く。


接近禁止を出されたが、その位は…良いだろう。好きに検閲してくれればいい。


ヒルベルテのような猛烈な愛は…よく分からない。

それでも、夫として。妻へ寄り添う事としよう。


遠目でアヌシュカの様子を観察する。

(呪いを吸ったと言っていたが…、体調に問題ないようだな)

しかし、今後どうなるか分からない。

魔王を倒し、呪いを受けたあの時ほどの痛みは無い。だが、騎士たちの指南の後は魔障痕がじくりと痛む。


聖女ですら悲鳴を上げ、癒しの魔法の行使を放棄した。

教会側としては表向きには魔王の呪いを聖女でも完治できなかったと触れ回ったが。


まさか、初夜に酷い言動をした男の呪いを吸い出す花嫁がいるとは。

(毒を吸い出すのもリスクがあるというのに、何て無謀なことを)

というか、呪いを吸い出すなど聞いたことも無い。


医者がどれだけ調べようと体調に異変は無い。

魔塔の魔術師に、アヌシュカの身体の無事だけでも分かると良いが。


その後、正式に彼女に謝罪と敬意を示そう。



+++++


旦那様からお手紙を頂きました。


ここでの暮らしに慣れたかどうかと、長らく政務から離れていたので、身体の痛みが薄いうちにお仕事をしたいので困ったことがあればダリアに相談か、旦那様にお手紙を書いて伝えて欲しいそうです。


万全でないのに旦那様は凄いです。僕もお手伝いしたいので、お手紙を書きました。


『僕も出来る範囲のお仕事を手伝いたいです。魔障の治療も、酷くないものは触れて治せます。

領地経営も執事さんのお手伝いをしていたので、領主権限の無いお仕事はできます。

あと、ゼフェスゾームの西の森に瘴気溜まりが出来ていて地盤が少し緩いです。

軽いものなので、セージとローズマリーを煎じてお水で薄めたハーブ水を撒いてください。後は自然の力で回復します』


ミュゲが旦那様のお手紙を持って来ました。早いですね。


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