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14. お山が凄いです 凄いです
今日はお外で散歩です。
人間のごはんもちょっとずつ食べられるようになったので、身体が動きやすいです。
呪いばかりでは半人の僕の栄養は足りないみたいです。食事の偏りは良くないですね。
ゼフェスゾーム辺境領のお城は、魔物の襲来に備えて要塞の機能を優先しています。
僕は平気なのですが、持ってきた服が寒冷地仕様じゃないしサイズも合っていないからと、ダリアたちが寒冷仕様のドレスをいっぱい仕立ててくれました。
お医者さんの許可も出たので、出来上がったドレスで少しお外に出ます。
砦の通路を歩いていると、その光景に僕は釘付けになりました。
「あの山々が気になりますか?」
「すごいです」
「ええ、ゼフェスゾームの山脈です。広大な山地ですが、不思議とあそこに魔物が住まうことは無いのです。…ただ、この度は魔王が出現し、当分は領民に近寄らないように言われております」
「すごい、すごいです」
広大な存在を前に、僕のただでさえ少ない語彙力は飛んでいきました。
「奥様、乗り出しては危ないですよ」
(奥様の表情が明るいわ…、この領地を好まれているのね)
僕はその綺麗な力を見て夢心地のような感覚でした。




