ハピエンで大団円なのですよ
「これまで私を支えてくれたことに感謝する。
もう、大丈夫だ。私はもう、女性に怯えたりはしない」
王子様は卒業直前に女性恐怖症を克服しました。
かなりギリギリでしたが、間に合ったのです。
これで王子様は王太子のままでいられます。
私は王太子廃嫡という最悪の展開から、国が混乱しないように守り抜けたのです。
私自身、幸せ家族計画を捨てずに済んでホッとしました。
いくらハイスペックなヒロインパワーでも、王子様を支えつつ、そこそこの生活をできるとは思えません。私一人なら何とでもなりますが、結婚して、子供を作ると、私一人は無理ゲーなのです。
平民落ちせずに済んだことは、心の底から嬉しく思います。
卒業式では、みんなの前で王子様とのダンスを披露する事になっています。
王子様が女性恐怖症を克服した証明なのですが、それよりもまず、卒業生で一番偉い王子様がダンスをしないと、他の人が踊れないのです。
面倒臭いシキタリなのですが、一番偉い人が最初にダンスを踊るのがこの国の常識なのです。
いくら面倒臭いといっても、疎かにすれば常識知らずと馬鹿にされますからね。王族の嫁たる者、手抜きはできません。
全力で踊らさせていただきますとも!
このダンスシーンは、日本の私がゲームで一番好きなスチルだったので、他のヒロイン仲間に見てもらうのです。
エンディング、カーテンコールは鮮やかに決める主義なのです。
これからの未来をイメージした、軽快な曲の中で王子様と踊ります。
ゲームのエンディングテーマ(歌詞無し)なのですが、そこは突っ込みませんよ?
私も王子様も、ステップなど、基本動作を間違える事はありません。
だからやるべき事は、ダンスによる表現。
見ている人たちを魅了し、これからの未来が明るいと信じさせるようなダンスを目指します。
「その様な表情もできるのだな」
「ええ。王子様も笑顔をお見せですもの。今はタガを緩めるだけで笑顔があふれる、そんな気分ですわ」
動き、表情。全身を使って、大きな動作を意識し、“喜び”を表現します。
王子様と二人、これから幸せな未来を掴み取ってみせると、不敵な笑顔だって見せます。
淑女らしくありませんが大粒の汗をかき、少々やり過ぎのような気もしましたが、掛け値なしの本気で一曲を踊り抜きました。
私個人としては、非常に満足です。
ですが、見ていた方々が満足しなければ意味がありません。
そこだけが不安だったのですが、踊り終え皆様に下げた頭を上げると、万雷の拍手を頂きました。
私たちの想いは、届いていました。
仲の良い方々が私に手を振ってくれるのが見えます。
その中には、イケメンな伴侶をゲットしたヒロイン仲間もいました。
攻略対象は足りなかったので、知らない顔もありましたが、イケメンばかりです。さすが、イケメン率が異常な世界だけはありますね。
ともあれ、これでゲームパートは終了。
王子様ルートはハッピーエンドを迎えるようです。




