初依頼 〜萌夏〜
校長先生、生徒会長達のOKをもらえた三人。
「これからよろしく頼むぞ」
「「「はい!!」」」
と勢いよく返事をしたのはいいけど…?
「では、書類は貰っておくぞ」
と校長先生が言い、冬科ちゃんにポストを渡した。隣で春花ちゃんが手を握ってきたから
「「「ありがとうございました、これからよろしくお願いいたします。…失礼しました」」」
三人同時に言って、校長室を出た。
「あ〜。緊張しました」
「本当だよね。ぼくずっと足震えてた。」
あたしは何もしてなかったのに緊張した。
「ねぇねぇ、この後どうするの?今日、兄さん達帰るの遅い日でしょ?」
この後の予定は特にないんだよね。
「家に帰って、夜ご飯作ったりいろいろしないといけませんからね」
「早く帰ろっか。」
「おっけー!」
春花ちゃんと冬科ちゃんが言ったから、三人でちょっぴり早歩きで帰ったんだ。
みんなに言ってないけど、あたし達が小さいときに親が亡くなったから、今はあたし、冬科ちゃん、春花ちゃん、かすみ兄、かのん兄、かよね姉の六人で一つの家に住んでいるんだ。
……で、家事は、普段は兄さん達がしてくれているんだけど、生徒会の代表三人だから、帰るのが遅いときはあたし達が手伝っているんだ。
三人で分担して家事を終わらせたとき、「ガチャッ」と音がして、兄さん達が返ってきた。
「「「ただいま〜」」」
「「「おかえりなさい!」」」
「行ってきます」や「ただいま」、「いってらっしゃい」や「おかえりなさい」を絶対に言うのが我が家のルール。
「わぁ〜。私達の好きな料理ばかりじゃないの!」
「僕達のことより、自分達の好きな料理にすればよかったじゃ?」
「なんでだ?…今日って何かあったか?」
ふふっ。あたし達の作戦…大っっ成功〜!!
「理由一つ目、放課後を使ってまで、生徒会お疲れ様です」
「理由二つ目、ぼく達の好きなものは別にあるから。」
「理由三つ目、あたし達三人全員を風紀委員に任命してくれたから!」
春花ちゃん、冬科ちゃん、あたしの順言った後、
「「「理由四つ目、いつものありがとうを込めて」」」
三人で同時にありがとうを言った。
そして、あたし達はいろいろな話をして楽しく夜ご飯を食べた。
――❀・❀・❀――
次の日、学園に行って掲示板の横を見ると、あたし達が昨日置いたポストがあったし、掲示板を見ると、生徒会からのお知らせにあたし達風紀委員のことが書いてあった。
そして、朝会のとき、生徒会長から紹介されて、校長先生に正式に任命してもらったんだ。
そこから、三日後――
なんと…ポストに依頼が入ってたんだ!
「と、とりあえず紙を持って風紀室に行きましょう」
驚いて固まってた脳みそが春花ちゃんの声で起きた。あたし達は早足でささっと風紀室に行った。
「さっそくなんだけどさ、内容確認してみようか。」
冬科ちゃんがそう言って紙を開いたから、三人で見てみると…
『初めまして。ボクは一年B組の有矢雪斗です。幼馴染とボクのことなんですが、◯日の放課後に風紀室で相談させてください。お願いします。』
と書かれていた。……ん?1年B組って…冬科ちゃんと同じクラスじゃん!!
「冬科ちゃんと同じクラスですね」
春花ちゃんも同じことを考えてたみたい。
「うん。そんなに目立つ人じゃなかったと思う。でも、同じクラスになってからずっと見覚えがある気がしてるんだよね。」
引っかかってるんだ。あたしは知らないと思うけど…。
「もしかしてさ、昔、幼稚園が一緒だったとか?」
とりあえず言ってみたけど…あ、覚えてないっぽい。
「そう言われてみれば、わたしも名前だけは聞いたことがある気がするんですよね〜」
えぇ!!春花ちゃんも!?…え、全く心当たりないよ…?
――キーンコーンカーンコーン
「あ、昼休み終わった。」
「また放課後、ここ集合で。」
「そうしよ!…て、片付け!」
バタバタしながら、あたし達はそれぞれの教室に入った。
―4時間後―
「はぁ〜…やっぱり中等部の授業のペース早いですよね〜」
「そうだね…。でも、冬科ちゃんが本気出せば1位確定でしょ」
春花ちゃんが言った通り、難しいんだ。さすが国立学園って感じ。150位より低い順位の人は補習を受けないといけないんだけど、あたし達は仕事があるから50位以上を維持し続けないとだめなんだ。あたしの場合は50位以上を目標にしてやっと100位だから、めっっっちゃヤバい!!
「1位になってもいいけど、1位って目立つでしょ。体育成績1位の萌夏ちゃんみたいに。」
ぎくっ…
「そ、そんなことないよ〜。…そんなことよりさ…」
――コンコンコン
話をそらそうとしたら、ドアをノックする音がした。
「どうぞー。入ってください」
春花ちゃんがドアを開けて依頼人さん達を中に通した。
「こんにちは、椅子に座って。お茶持ってくるから。」
冬科ちゃんがそう言って給湯室に行って、ポットとコップをお盆に置いて帰ってきた。
「あの、ボク、依頼を出した1年B組の有矢雪斗です。……ごめんなさい!!幼馴染を連れてきていいか書いてなかったです。」
「気にしてませんよ。むしろ、連れてきてくれて良かったです。少し話を聞きたかったので」
「ありがとうございます!…えっと、1年D組の渓流聖ちゃんです。」
……ん???…え、嘘でしょ!?
「「「もしかして、せーちゃん(ですか)!?」」」
依頼人達はまさかの友達だった!
話を聞いていくと……。
情報収集したものと証拠があれば解決!……とはならない!?




