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風紀室にて 〜冬科〜

〜前回のあらすじ〜

生徒会長である萌夏の兄・かすみに「風紀委員になってほしい」と頼まれた春花、冬科、萌夏。


「わたし達にやらせてください」


と軽い気持ちで風紀委員になった。

…でも、風紀委員って難しいかも?

ぼく・苗座冬科は、先ほど生徒会室で風紀委員に任命された。

今、春花ちゃんと萌夏ちゃんの三人で風紀室に向かっている途中、隣の春花ちゃんが

「う〜〜〜ん」

って、ずっと悩んでるんだよね。萌夏ちゃんを見ても……うん、こっちも同じで

「う〜〜〜ん。……はぁー」

と考えてはいるみたいなんだよね、途中で諦めてるけど。

先生に提出するプリントって意外に難しいんだよね。

具体的に書かないといけない。まず、具体的にやる内容は簡単。例を出すと『いじめをなくす』みたいな感じ。でも、具体的なやり方って言われると難しい。『ポスターを貼る』だけだったらなくすことはできないし、『聞き込みをする』でもいいけど、全員が素直に答えてくれるとは限らないし。

……あっ。

「ここが風紀室?」

隣から萌夏ちゃんが聞いてきた。

「地図どおりだし、合ってるよ。」

と言っている中、春花ちゃんが鍵を使ってドアを開けていた。


ギィー…


ちょっときしむ音がしたけど、部屋はめっちゃきれい。ドアだけ改装工事しなかったのかな?

みんなで順に入っていくと、春花ちゃんが一番奥の棚のファイルやデスクの中を確認していく。

萌夏ちゃんは地図とにらめっこ中。方向音痴すぎて迷子になるかもしれないから、経路を覚えているみたい。

で、ぼくはというと……提出するプリントの案を考えているけど、そう簡単には、思いつかない。

「ねぇねぇ、ピストルとか〜ナイフとか〜置いてもいい?」

と萌夏ちゃんがいきなり言うから、

「「絶対ダメ(です)!」」

ぼくと春花ちゃんの大声が同時になった

「持ってきたら、投げ飛ばしますよ!」

「え〜、ひど〜い。別にいいじゃ〜ん。冬科ちゃんから、言ってよ〜…って、冬科ちゃん?」

……今、春花ちゃんが持っているのは、ポスト?

「分かった!!ポストだ!!」

「っ!びっくりした〜」

「びっくりしましたが、それよりポストってなんですか?」

思いっきり大きな声で言ってしまったけど、春花ちゃんが聞き返してくれた。

「大きな声、出してごめん。ポストっていうか投票箱みたいなのに困ったことを書いて貰った紙を入れてもらってぼくたちが解決していく感じ。…どう?ぼくたちが気づかないことも書いてもらえばわかるし、友達のこととかも書いてもらって、ぼくたちが調べるとか。できるかな?」

ぼくが考えたことをすべて言うと、萌夏ちゃんの顔がぱぁーっと明るくなった。

春花ちゃんはどうかと思って見てみると、

「すごく良いと思います。その後なら思いついていたんですよ。生徒会長、つまりかすみ兄さんから全校生徒に言ってもらえば、依頼入って来やすいと思ったんです」

なるほど…。さすが春花ちゃんだね。

「まとめると、どっちもやるんでしょ?じゃあさ、内容は『困っていること、解決します!』っていうのはどう?わかりやすそうじゃない?」

たしかにわかりやすいかな。内容もやり方も決まったから、後はプリントに書いて提出!…とはいかない。

「ポスト、どうします?用意しないとダメでしょ?」

「あ〜、それなんだけど冬科ちゃんがひらめいたポスト。そのまま使っちゃお!…さっそくアレンジ!」

風紀室に置いてあった『心の相談ポスト』って描いた看板がかかっている投票箱?みたいなポストを萌夏ちゃんがアレンジした。

「これ、看板の下にちょっと隙間があるから、内容を書いて…っと。それに…こうして…」

わぁ〜。ただの看板で地味だったのが、ちょっとアレンジで可愛くなった。

ぼくが驚いている間に春花ちゃんが

「ポストの方には、似たような模様と、あっ、出し入れ口南京錠がありますね。これを、わたし達がいつも使っている特殊な南京錠にしまして。…はいっ、これで完成です」

見やすい、なおかつかわいい。そんなポストになった。

「…あっ!プリント、持っていきますか?職員室、いや、校長室に行きましょう。多分、姉さん達もいると思いますし。」


――❀・❀・❀――


さっそく校長室へ来たのはいいけど…。

「やっぱり、緊張しますぅ〜、でも、入んないと提出できないですし〜…そうだ!」

パンッ

「うわっ。春花ちゃんが自分のほっぺ叩いたよ。」

「よしっ。気合い入れましたから、開けますよ」

「えっ、待ってよ。あたしもやる!」

パンッ

「二人ともほっぺ赤い。…ふぅー。…よし。」緊張してるけど、大丈夫。二人がいる。

「大丈夫ですか?開けますよ?」

「大丈夫!」

「ぼくも。」


コンコン。


「「「失礼します。風紀委員の関江春花と里田萌夏と苗座冬科です。」」」

春花ちゃん、萌夏ちゃん、ぼくの順で入っていくと…春花ちゃんの言っていたとおり、兄さん達三人もいた。

「お話中、お邪魔してしまい申し訳ありません。風紀委員会の行う内容とやり方について書いたプリントを提出しに来ました。」

春花ちゃんが言ったから、ぼくはプリントとポストを校長先生のデスクに置いた。

「なるほどのぅ。よく考えておるわ。これからよろしく頼むぞ。…わしはこれで良いと思うが、君達三人はどうじゃ?」

「僕は名案かと思います」

「私も右に同じく」

「俺も右に同じくいいと思います。」

...ってことは…

「ということじゃ。これからよろしく頼むぞ。…あ、そうじゃ。明日の朝会で発表するから、明日は兄たちと一緒に来るのじゃぞ。」

「「「!!!…はいっ!」」」

〜次回予告〜

初依頼が来た!…ってもしかして、


「「「せーちゃん!?」」」


まさかの知り合い!?

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