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6 公爵領などの規模

公爵領とか各爵位の領地はどれくらいの広さなのだろうか


1 王国

現在のヨーロッパの国だと、小さい国では

ベルギー王国が約3万㎢

オランダ王国が4万超㎢

デンマーク王国が4万3000㎢程度である

昔あった国だとボヘミア王国(現チェコの一部)は大体5万㎢

ドイツの一部であるバイエルン王国は7万㎢

現在のフランスは革命前はフランス王国だが約65万&㎢とかなり広い。

スペインも現在王国だが50万㎢を超えている。


ちなみに日本でいうと、

関東地方が3万2000㎢

関西地方が3万3000㎢

九州地方が3万6000㎢

ぐらいなので、どれくらいの規模感かは想像がつくと思う。


2 貴族領

フランスの元は公国といわれたノルマンディ公、ブルゴーニュ公、アンジュー公

これらの領地はだいたいはどれも3万㎢

日本でいうと近畿地方とか、関東地方とか地方といわれる範囲は大体3万㎢を超えるぐらいだからそれくらいの広さを持っている。

上記3つはprincipauteとフランス語でいい、大公国とも訳される大きなところだ。

フランスで比較していくと、


ベアルン子領がだいたい5000㎢弱

リモージュ子領がだいたい5000㎢強ぐらいの様である


シャンパンで有名なシャンパーニュは宮中伯領だが、ここは3万㎢を超えている。

フランダースの犬のフランドルも伯領は1万5000㎢程度

トゥールーズ伯領が1万㎢強ぐらいのようである。


現在の地域の面積から逆算しており、参考にした資料や当時の測量技術が未熟だったろうことを考えると、誤差は大きそうだが、参考程度にはなるだろう。


経済的規模は日本のように石高のような経済規模などで計算した指標が出てこないので、なかなかどれくらいの国力的な規模だったかは計算しがたいところである。

フランスの面積は、北海道を除く日本の倍程度の広さであり、1600年ごろの推計GDPを使えば、フランスのGDPは日本のGDPの倍程度ということ

江戸時代初期日本全土の総石高が2000万石程度だったこと

これらを前提とすると、純粋な面積あたりで計算すれば、

子領が25万石ぐらい(日本でいうと中小の旧国ぐらいの規模)

伯領が50万石から150万石ぐらい(日本でいうと旧国1つから2つぐらいの規模)

公領は150万石ぐらい(日本でいうと旧国複数ぐらいの規模)

になる。


1600年ごろとなるとヨーロッパもルネッサンスからの進展で発展が進んでいた時代なので、中世の1200年までの経済規模の計算にずれが生じるそうである。

また、地域ごとの経済格差などは一切考慮していない計算法である。シャンパーニュとかかなり発展してた地域だっただろうが、ベアルン子領はスペイン国境の山岳地域に近いところなので、余り栄えた地域ではなかっただろう。

また、石高はあくまで近世の江戸時代指標なのでからそのまま使えるものではないだろう。

ただ、大づかみなイメージを作るための参考程度にはなるのではないかと思う。


なお、イギリスのウェールズ地方を同じように計算すると、大体上の公領と同じぐらいの規模感であり、ドイツの公国を計算すると、これを上回るところが多そうな感覚である。

イギリスのEarlは当時の貴族のトップにつけられた称号であり、その意味ではDukeと同等、といってもよかったはずだが、このような計算をすればおそらくフランスの貴族領の規模だと伯から子程度しかなかっただろうと何となく予想できる。伯と同等とした理由もわからなくはない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回は登場していませんが、二~三万石以下の大名や大身旗本辺りが男爵相当でそれ未満の旗本が騎士爵といった感じでしょうか。 となると貧乏御家人はどうなるのかな?(笑)
[良い点] 分かりやすい解説でした ふわっと読んでいたなろう風貴族社会の物語を理解する一助になりました [一言] 今後執筆する作家さんにこそ読んでもらいたいですね
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