5 伯爵と子爵
続いて伯爵と子爵の話をしよう。
1 Count
Countはラテン語のComes、同行者を語源とする。
ドイツ語ではGrafと呼ばれ、こちらはギリシア語を由来としている。グラフ、と同じ語源であり、書く者の意味だ。書記という意味合いである。
由来から見てわかるが、王や公と違い、誰かが上にいるのを前提とした称号なのだ。
そして、随行員という属性から、職分がいろいろある。
ドイツの伯号をいくつか紹介する。
Markgraf 国境の辺りを守る辺境伯 辺境は文字通り「境の辺り」、であり田舎の意味ではない。ドイツにおけるフランス国境地帯にも辺境伯はいた。
Pfalzgraf 皇帝に付き従う宮中伯、大臣のようなものだ。
Landgraf 方伯 土地を支配する伯号。一州を管轄しており権限がかなり強く、皇帝直属であるため地位も高い。
Burggraf 城伯 都市伯ともいい、一つの城塞を担当する伯
まだほかにもいろいろあるが、伯爵はこれだけあるのだ。
このうちMarkgrafは国境警備の任務という性質から、侵略への対応に必要不可欠ということで、軍事的、司法的権限が拡大していく。
そのため、他の伯とは格が一つ上とされていき、最終的にはMarquess、侯爵と呼ばれる称号につながる。
辺境伯と侯爵が同格、みたいな表現をする小説も散見するが基本的に同じものである。
ちなみにフランスでも伯はいるが、パリ伯、アンジュ―伯といったように狭い地域を管轄するものであり、基本的にBurggraf 城伯の意味合いでつかわれているといわれている。
2 Viscount
文字面だけでなんとなく意味合いがわかると思う。副随行員の意味である。
これだけでcountと明確に順位付けができるのがわかるだろう。
「子爵」と約されるが、イタリアなど地域によってはBurggrafを現地語的に翻訳したものがcountの下に来る。
そういう地域ではBurggraf系統の単語が「子爵」と翻訳される。
3 Earl
英語では伯爵に訳される語にEarlを使う。
これはフランスから来たイギリス国王が、相当するとして決めたからである。
ただ、当時これ以上の格がないことや由来がerlaz、高貴な男、から来ていることから考えると、大貴族、辺りの意味合いで、Countと同格としたのが正しいかどうかはよくわからない。
歴史的経緯があり複雑なものである。




