その後
俺が話し終えたら、部屋の空気が少しだけ緩んだ気がした。
あくまで俺が思ってるだけだが。
テレビをつけたけど、誰も内容を見ていない。
ソファとローテーブル、いつもの配置。
なのに、距離感だけがいつもと違った。
メイちゃんは俺の隣に座っているがいつもよりも近い。肩が触れて、逃げ場がない程度に。
りさは俺の膝の上に座って、クッションを抱えている。
視線はテレビを向いてるけど、意識がこっちにあるのは分かる。
ってかおい右手……ナニ触ってる。
あかん、対抗するように、メイちゃんもどんどん腕に密着してきた。
風呂は、まだ誰も入っていない。「このあとどうするか」を決めていない。
沈黙が続く。
居心地が悪いとは思わないけど、さっきの話の後だからか、なんかねぇ。
「……あの」
先に口を開いたのはメイちゃんだった。
「ライさんは……私の裏の顔を見たら引きますか?」
声はいつもより低い。
配信の時の作った明るさじゃない。
「……あまりにも乖離してたら、びっくりするだろうね。そうじゃないことを本気で祈ってるけど」
「これからは、ちょこちょこ私の裏部分を見せるかもしれませんね」
「まじ?」
「実は私の裏の顔は頭がピンクの悪魔に支配されてしまうんです」
メイは笑う。
「変わってないやないか……」
いつも頭ピンクじゃんきみ。
「てへっ」
と、舌を出した。
「もっとライさんに好意を伝えれるよう、私も頑張りますね」
そう言って、腕に絡める力を少し強めてきた。
膝上のりさが、静かに息を吐いた。
「……私も」
クッションを抱えたまま、体制を俺と対面になるように座ってきた。
「もっと大胆になる」
「裸族が大胆って、どうなるんだよ!?」
「おっぱいアタックする」
「姉さん?」
「……控えめにする」
メイちゃんの圧に負けたりさが言い直す。
「もっと私を見てもらう……ライから私を求めてくるくらいに」
りさが俺の胸に顔を埋める。
対抗するようにメイちゃんが、俺の腕に頬をすり寄せる。
「ライさん」
「ライ」
「「覚悟しててね」」
「……じゃあ、少しだけ、このままで」
メイちゃんが満足そうに笑って、
りさが、ほっとしたように、もたれかかってきた。
夜は、まだ長い。




