出社
「それじゃあ、行ってくる」
「はーい♡」
昼から出社の為、準備して出かけた。
2人を家に残す心配があったが、メイちゃんがしっかりしてるし、大丈夫だろう。
監視アプリなるものは、ちゃんと削除させて貰った。
流石に監視されていると分かった上で持ち歩くのは落ち着かないし。
正直、彼女達が帰るまでの1週間はリモートワークのみが良かったが、緊急性のあるトラブルのため、出社が免れなかった。
くそう。
「やあやあ、元気かい?」
道中で隼人から電話が来たため、出ることにした。
風呂場以降は流石に言えないから、なんともない1日だったと伝えた。
「うむうむ、元気そうで何より。監視アプリの方はどうなったんだい?」
「ちゃんと削除させてもらったよ。監視されてるって思うと落ち着かないからな」
「ははっ、言わなければ良かったかな?」
「むしろ気付いたのに言わなかったならお前を恨んでいたな」
「おぉ、怖い怖い」
そう言えばと、聞き出したかったことを聞くことにする。
「確認するんだが、りさとメイちゃんに嫌なことはしてないよな?」
声を低くしたことで、真剣さが通じたのか、さっきまでのへらへらした様子とは打って変わって、隼人も真面目に返してきた。
「僕は女性の嫌がることはしない主義なのは君もよく分かっているだろう?」
「盗撮はするけどな」
「あれは別さ。最初に接触があったのは黒井さんの方さ」
「りさが?」
「ああ。宵月さんから僕と君が友達であることを聞いた黒井さんが、君のことを知りたがっていたのさ」
てっきりメイちゃんがコンタクトを取ったものだと思っていた。
しかし、実際はりさの方から。
「確かに僕はライカと友人だけど、他人に友人のことを売るような真似は出来ないからね。教えることはないと言ったさ」
「お前も言うことはちゃんと言うのな」
「まぁその後に写真を送ってくれるって言ったから、喜んで対価として情報を沢山教えたのも事実なんだけど」
「ふざけんな!!!!」
「ロリは正義。親友よりも尊いものだからね。しょうがないね」
やっぱこいつはロリコンだった……。
「しかし、男性が苦手と聞いていた黒井さんが君にあそこまで懐くのも珍しいことだ」
「その話って有名なのか?」
「もちろん。君は知らなかったと思うが、企業勢VTuberの中では有名な話さ。男性とは喋らないってね。うちの後輩がイタズラに黒井さんに電話したことがあったけど、声を聞く間もなく通話を切られたこともあったし」
「なにやってんの」
「その後輩はお叱りが入ったんだけどね。はは」
りさからすると恐怖だよな……。
「僕としても、君が2人を受け入れたことに驚愕してるよ?なんせ君は……」
「やめろ隼人。あいつと2人を同一視させるな」
「……すまなかった」
「もうすぐ会社だから切るな」
「ああ、分かった。最後に良いかい?」
「なんだ?」
「黒井さんの中学1年生の頃の写真がもっと無いか交渉して欲し……」
電話を切った。




