りさ姉、風呂場へいく
「次、入ってくる」
トテトテと着替えを持ったりさが、脱衣所の方に消えた。
りさは逃げだした!!
「さっ、俺も仕事するかなぁ」
▶︎ 俺は逃げだした。
「逃がしませんよ?」
しかし回り込まれた!!
「服を着てくれ!!」
メイちゃんは下着姿だったため、慌てて視線を外す。
「ライさんに見られても恥ずかしくないからこの姿なんです」
「自信満々に言わないでくれ......」
俺は彼女が居たことはあるが、それも中学生の頃までだ。当然ながら童貞だ。
そんな童貞に、下着姿の女の子は直視できない。
普通チラチラ見るって?
じゃあお前らは急に一緒に住むことになった赤の他人である女性の下着姿を直視できるか?
俺は出来ない。作者もできない。
「なんで目を逸らすんですか!ちゃんと見てください!」
「直視できるか!!ちゃんと服を着てください」
「むぅ...勝負下着なのに...」
「勝負することなんぞない」
「確かに、勝負はベッドで、ですよね」
「ちげぇよ」
「ライさんには嫌われたくないので、大人しくパジャマを着ますが...」
いそいそと脱衣所に行き、30秒も経たずに、猫耳パジャマを着たメイちゃんが戻ってきた。
「じゃーん、猫ちゃんです」
「え、可愛い」
「〜〜〜〜♡」
その可愛さに、思わず口に出してしまった。
白色の猫耳が付いた薄めのパーカーのため、風呂に入る前の黒髪清楚なメイちゃんとは違い、可愛さが出ていた。
「んもう、自然と女の子を褒めるのが上手なんですから♡♡さ、ベッドに行きましょう!」
「誘うな誘うな」
「とまぁ、お話は一旦ストップして、真面目な話をしましょう」
出来れば冗談であって欲しかったんだが。
「りさ姉がお風呂に入ったのを確認しましたから」
この子達は、相手に聞かれたくないんだな。
「さっき姉さんとお話していた中学生の頃の話は、姉さんにとってトラウマそのものです」
「メイちゃんは知ってるんだな」
「もちろんです。だからこそ、対面でライさんと親しげにお話している姿に私はとても驚きました」
「俺以外だとどうなってるんだ」
「1分持たずに姉さんが気絶します」
「嘘だろ!!??」
「...残念ながら本当です。姉さんからしても、ライさんはとても安心できる存在なんでしょうね」
普通に冗談を混じえて話せてるが、珍しいことなんだな。
それはそれで、親しい人にはあんな感じなのか?
「私も姉さんがあそこまでボケているのは初めて見たんですけど」
「話し方とか声とか、別におかしくないと思うんだけどな」
「残念ながら、姉さんの周りはそうはいかないみたいでした。ですから、一時期ずっと家にひきこもって、私や家族以外全て拒絶していたこともありました」
そんなになのか......。
ボケているりさの過去は、壮絶なものだったのか...。
「出来ればライさんは、ずっとりさ姉と友達になってほしいです」
「......もちろん。相棒だしな」
「ゲームの中だけですからね...現実は私なんですから」
最後のセリフだけは、小声過ぎて俺には聞こえなかった。
なんて言ったんだ...。




