第65部分
「今からメンヒウの砦へと向かう。目的は盗賊の討伐。」
号令をかけ、メンヒウの砦へと向かう。
ローカニル~メンヒウ間は特に問題なく進むことができた。
メンヒウの町~メンヒウ砦間も問題なく進むことが出来たが、砦の入り口で止められる。
「どのようなご用件でしょうか?」
「盗賊の討伐任務に来ました。施設を貸して頂けると聞きましたが」
「あれ?貴方はヤマト様ではないですか?」
「ええ、私の名前はヤマトですが??」
「これは失礼しました!男女混合になってしまいますが、1棟確保しますので宿舎はそちらをお使い下さい。」
「うん、ありがとう」
こうしてメンヒウの砦に拠点を確保することができた。
「リーダー、相談があるのですが」
パトリクが声をかけてくる
「うん、どうした?」
「実は連れてきた物の中に隠密Cの者が居まして、軽い偵察をされるなら連れて行って頂けないかと」
そう言って連れてこられたのは小柄な人間の女性だった。
「どのタイミングで連れていくかはクリスと相談して欲しい。流石に昼間にはいかないと思うから、夜中になるとは思うけど」
「わかりました。クリスと相談してきます」
そうして宿舎でくつろいでいると、いつの間にか寝ていた。
「リーダー!起きてますか?」
「ハイ ネテイマセン」
「それは寝てる証拠です。」
クリスの突っ込みを貰い目が覚める。
「例の洞窟を見てきました。また住み着いています。」
「規模はどんな感じ?」
「馬車が4台ありましたので、前回同様かそれ以上かと」
「40~50人は確実に居るのか。どこから沸いてくるんだろう。」
「そこまでは分かりませんが、今回は良いものを持ってきています」
「良い物?」
「吸い込むと体が痺れる麻痺草を固めたものです。火を付けて洞窟に投げ込めば、内部の抵抗はなくなるでしょう。」
「良い案だけど、煙を出してどの位で中に入れるの?」
「点火して2時間経過すれば、煙自体は無害になります。麻痺の効果は半日続きます。」
「じゃあ、明日の日の出と共に出発して、洞窟の前で朝食だね」
「はいそうですね。お気楽な討伐ですね」
クリスが苦笑しているが、事実そうなので仕方ない。
そして眠りに付き、翌朝。
クリスにまたもや起こされ、馬車に乗り込む。
「今回は誰も殺したら駄目だからね。奴隷として売れるから、可能な限り殺さない。でも、明らかに危険な場合は殺してもいい。いいかな?」
「「「了解」」」
パトリク部隊を馬車に残し、洞窟の入り口へと移動する。
見張りをしている者もおらず、すんなりとクリスが中に入っていく。
クリスが入るのと同時に防御柵の魔道具を作動させ、入り口を塞ぐ柵を設置する。
「戻りました。」
クリスが洞窟内部に麻痺草の投げ込みが完了し、戻ってくる。
防御柵は難無く飛び越え、こちらへと来る。
鍛冶師の3人も呼び、洞窟の入り口で朝食を食べながら喋る。
「人が苦しむ洞窟の入り口で朝食とはなかなかの外道じゃないか」
「娼婦を拒んだ盗賊を、娼婦に落としたリーダーもなかなかの外道だと思います」
クリスが答える。
「でも冒険者で盗賊とか弁解の余地が無いので、おかしな対処じゃない」
リンマは肯定的な意見だ。
「私は奴隷商での命令が印象的すぎて、なにも言えない」
シャルは刺激が強すぎた様だ。
そんな話をしつつ、鍛冶師3人と将来の嫁の話をする。
「3人とも真面目に聞いて欲しい。今は奴隷の身分だけど、そろそろ解放する。なので、嫁が欲しいんだったら今のうちにアプローチしとくんだぞ。ヤマト家では嫁は最低2人という厳しい規則があるので、頑張ってくれ。」
「上限はないのですか?」
「ああ、養えるなら10人でも20人でもいいぞ。ただし、寿命が削れるが」
そんな話をして鍛冶師と過ごしていると、ボチボチ良い時間になった。
「リンマ、シャルはここで待機。クリスと2人で様子を見てくる。」
洞窟の内部は悲惨な状態だった。よく分からい顔をして全身をピクピクさせた盗賊が至る所に散らばっており、異様な光景だ。一番奥の部分には全裸の女性が3人転がっていた。これはなんか違うような気がする。中に入ったが、麻痺は特に問題ないようだ。
「クリス、この3人を先に保護したいので、毛布か何かを持ってきてくれ。あと、シャルの応援も。」
クリスを送り出し、洞窟内部を更に捜索する。あるのは酒、武器、防具、そして馬車の積荷なのか食料品やら鉱石箱やらいろいろと積まれている。よく短期間でここまで集めたものだ。
シャルが毛布を持ってクリスと戻ってくる。
「全裸でこんな場所に置かれるなんて最低ね。リーダー、この3人は味見するの?」
「いや、それはおかしいだろ。被害者だぞ?」
「怒らないで。冗談よ。早く運び出しましょう。」
毛布で3人をくるみ、洞窟の外へ運び出す。
「リンマ、解毒で麻痺は解除できるかな?」
「できますがCなので話す程度までが限界です」
「それでいい、やってくれ」
リンマの解毒の効果が発揮され、話せる状態になる。
辛い話もあるだろうと、3人の相手はリンマに任せ、パトリク部隊の応援を呼ぶ。
「リーダー、こうやって見ると壮観ですね」
「そうだな。防護柵1周盗賊が繋がれているとか、笑えてしまう。いや、笑えないが。」
パトリクは呆れ返る表情で盗賊達を見ている。
「どうしますか?」
「長居したくないから、適当に馬車に放り込んで砦に戻ろう。詳しい話は砦で聞けばいいからな。」
「分かりました。繋がれている馬車に放り込んで、砦に運搬します。」
「よろしく頼む。あちらに付いたら、これに繋いでおいてくれ。外側に男、内側に女。交代でパーティーごとに見張りを頼む。」
「了解しました。こちらはお任せ下さい。」
シャルとクリス、鍛冶師を連れて洞窟内部に入る。
あらゆる物をアイテムボックスに回収し、気になる鉱石箱のある場所へ鍛冶師を誘導する。
「これは!魔鉄のインゴットがあります!」
「では全部回収でいいね」
「はい、おねがいします」
ヒョイヒョイと鉱石箱を回収し、いろいろと置かれていた物も回収する。
回収が終わり入り口に戻ると、パトリクが出発する所だった。
馬車へ戻り、リンマに状況を確認する。クリスとシャルは周囲警戒だ。
「3人はパール王国首都の住人のようですが、家族は盗賊に殺されたそうです。」
「なら被害者だな。」
「しかし完全に信用する訳にはいきません。」
「なら一度奴隷にして同じ質問をしよう。」
「そうですね。簡易的な奴隷契約でしたら名前も失いませんし」
「そのような方法が?」
「今回のように判断に困る場合に限り使われます」
「なるほど」
リンマには3人の解毒を引き続きお願いし、メンヒウ砦へと向かう。
メンヒウ砦に到着し、柵に繋がれている盗賊を数えると52人だった。
男42人、女10人。異常な数である。
「リーダー、回収した武器を出して頂けますか?」
クリスがニコニコとお願いしてくる。
「またアレをやるのか?」
「はい、お話は聞かないといけませんから。」
「まぁそうだな。でも例の3人が居たこともあるから、話を聞くまでは手は出すなよ?」
「はい、それはお約束します。」
取り出した中から選んだ武器はメイスだった。股間が寒く感じる。
「ちょっとした疑問なんだ」
柵の近くで集まってるメンバーとパトリクパーティに話しかける。
「少し前に同じ規模の団体を壊滅した。そして今回の数。おかしくないか?」
「これは推測なので証拠の無い話ではありますが、マナト王国が絡んでいると考えるとどうでしょうか?連続して馬車を襲うことは不可能ではないと思いますが、効率が良すぎます。しかも冒険者ランクはFやE。この国に来た経緯は不明ですが、稼ぎが良いからと、皆盗賊になるでしょうか?」
「確かにおかしいよな。冒険者に成りすましてこの国に来たと考えると納得出来る部分が多い。」
「そうですね。どちらにしても、お話を聞くべきだな。」
そんな話をして、襲撃部隊は少し仮眠を取ることになった。
「リーダー起きてください」
クリスが起こしにくる。手にはメイスを握りしめている。
「やけに素直なのが2人居るんです」
クリスはやや困惑している。
「連れてきてくれ」
連れてこられた2人は革鎧を着ているが、身なりは確かに良いように見える。
「我々は身代金を要求されている被害者だ。犯罪行為は行っていない。信じてくれないか。」
「真偽を確認する為に、簡易的な奴隷契約を結び真偽を確かめる。事実であればローカニルの町で無条件で解放しよう。犯罪歴があった場合や、盗賊達との関係が事実であった場合はメンヒウダンジョンに放り込むがそれでもいいか?」
「はい、嘘は言ってませんので、どうぞ確認をしてください!」
うん、この2人は多分シロだな。
「クリス、この2人は被害者として扱うので、あの3人と同じ待遇にしてくれ。ただし、真偽が判明するまで拘束したままだ。」
「了解です。」
こうして男40人女10人の尋問がメンヒウ砦で開始される。
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持P:4,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
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