第61部分
メーヘンの町で将軍に別れを告げた後、ローカニルへ向け馬車を走らせる。
「そういえば、メーヘンで教会の建設工事が始まっていたわね。」
「そうだね。国王と約束した褒美なので、約束を守ってくれている証拠だ。」
「その教会には何を祀るの?多くの教会は大地の女神と商売の女神を祀ってるみたいだけど。」
「そうだね。祀る女神は1つ。戦争の女神だよ。」
「なんで戦争の女神?戦闘の女神ではなくて?」
「間違いなく戦争の女神。投石機の知識を与えてくれたお礼として約束しているんだ。」
「なるほどね。でも、多くの人に受け入れてもらうには呼び名は考えたほうがいいわ。」
「例えばどんな名前がいいと思う?」
「そうね、破壊と創造というイメージがあるから創造の女神?実際に投石機を生み出した女神なんだから、半分くらいは間違ってないわよね。」
「まぁ確かに」
今回の移動はとにかく早く帰ろうと、首都や町での宿泊は予定しておらず、とにかく馬車で走り、途中で野営しようという計画だ。
馬車を街道から外れた広場に停めて、野営の準備をしている時に彼等は来た。
「ヤマトさん、街道を挟んだ向かい側から恐らく人間の集団です。数は、12~15人。」
鍛冶師3人は馬車の影に隠れさせ、クリスを隠密で移動させることにする。
「新しい武器の初陣が人間相手なんて、なんかすまないな。」
申し訳無さそうにシャルとリンマと会話を交わす。
「襲ってくる人間は魔物以下よ。」
「魔物に向けるべき武器を人に向けるものは人に非ず。殲滅します!」
リンマの気合が凄いのは何故だろか?
そんなことを考えていると、お客様の集団がこちらの視界に入る。
「お前たち、こちらは15人居るぞ。大人しく降参したほうが身の為だぞ!」
「流血は望まない。まずはそちらの要求を聞こうじゃないか。」
「利口な判断だ。馬車と女は頂いていく」
「要求は分かった。盗賊や野盗の類と判断するが間違いないか?」
「お利口な奴は嫌いじゃないぜ。我らは盗賊団…」
男が完全に名乗る前に、リンマの投げた槍が男を貫いた。
シャルが男に駆け寄り、抜いた槍をリンマにパスする。
盗賊の面々はバラバラに襲ってくるが、シャルの敵ではない。
リンマは3人に囲まれるも、見事なステップで攻撃を回避し、突きを叩き込まれていく。
シャルが4人を倒した時には、襲ってくる者は居なかった。
「残りは始末しておきました」
クリスが音もなく現れる。両手には盗賊のものと思われる大量の武器が握られていた。
「ヤマト様、3人とも素晴らしい動きです。リンマ殿も槍の扱いは問題ありません。」
鍛冶師達が大騒ぎを始める。自分たちの作品が活躍する場面が見れたと喜んでいる。
「しかし人間相手は気分がいいものではないな。この残骸はどうしたものか?」
「アイテムボックスに入れて、メンヒウの町で引き渡しましょう。仮に賞金首になっている場合は賞金が出るかもしれませんし。」
「それはそうだが、親を殺された子供も居るだろう。賞金は貰う気にならないな。」
そう言いながら、アイテムボックスに収めていく。
そして片付けも終わり、食事にしようと思った時、2度目の襲撃を受ける。
「今度は何事だ?面倒なので早く用件を言うんだ。」
相手が気付かれていないと思っている距離で先手を打ち叫ぶ。
「今度は20人くらい居るわ。もう確認するまでもないけど。」
シャルがそう言うと時を同じくして盗賊が叫ぶ。
「お前たち、おとなしく…」
全てを言う前に、男の額を矢で射抜く。
「シャル、リンマ、1人は殺すな。話が聞きたい。」
「「了解!!」」
懲りずに襲ってくる盗賊達をシャルとリンマ達が蹂躙していく。
「リーダー、終わったけど判断に困るからこれは任せるわ。」
3人がそれぞれ盗賊を2人ずつ引きずってくるが、それは女性であった。
剣や槍を突きつけられた盗賊(女)達は鍛冶師達によって縛り上げられていく。
残骸の回収はシャルにお願いし、女盗賊達に疑問をぶつける。
「何故、盗賊に加担している?女であれば町や村で生きる術もあるだろうに?」
「娼婦になるつもりはない。働くよりも盗賊のほうが稼げるからだ。」
ほう、そんなに嫌なのか。しかし、盗賊行為を行う理由にはならないな。
「では寛大にも2つの選択肢を与えよう。明日の昼にはメンヒウの町に着く。1つ目の選択肢はそこで犯罪奴隷として引き渡されることだ。2つ目の選択肢は私の奴隷になることだ。好きなほうを選ぶといい。言っておくが、自殺は無理だぞ。3人治癒持ちがいるから、無駄に苦しむだけだ。」
「その選択肢なら、奴隷になるしか道はない。奴隷になる。」
そう答えた女盗賊達を近くの木に縛り付け、ようやくの夕食に戻る。
「ヤマトさん、あんな盗賊は助ける必要あるのですか?」
「その必要は全くないな。」
「では何故、奴隷にするのですか?」
「奴隷にした上で奴隷商に娼婦として売ればいいだろ?売ったお金は賞金と一緒に遺族たちに渡せばいいじゃないか。」
「うわっ……」
リンマは少しドン引きしているが、殺すよりも金にはなるだろう。
食事を終え、女盗賊達の尋問を開始する。
質問するのは私、聞き出す努力をするのはシャル、回復役がリンマとなった。
「質問がある。正直に答えれば何もしない。分かったな?」
「けっ!!」
悪態をつく女奴隷にシャルが手加減した腹パンをお見舞いする。
飲んだ水を全て吐き出したのではないか?という量の嘔吐。
即座にリンマが治癒を行い、意識を回復させる。
腹パンループを3回繰り替えしたころ、ようやく口を開く。
「殺す気なら早く殺しな」
「殺しはしない。別メニューで人の倍程絶倫な奴がいるが、そいつに聞き出させてもいいぞ?」
別メニューを提示したことで、流石に折れた様だ。
「何を喋ればいい?」
「盗賊団の規模は?」
「正確な人数は分からない。メンヒウダンジョンの近くにある洞窟に住処がある。」
「他に盗賊団のメンバーはいるのか?」
「居るが、洞窟に何人いるのかは分からない」
「お前たちの出身はどこだ?」
「………」
「これは絶倫の刑を2人分ね」
「それはえぐいな」
「2人の奥さんは毎日失神するから大変って言ってたわ」
「そこまでなのか」
そんな世間話をしていると、女盗賊は観念して口を開く。
「出身はマナト王国のある村だ。村の名前を出すと、村に罰があるので村の名前は言えない。」
「滅んでもいないマナト王国から、何故パール王国へ来た?」
「パール王国のほうが豊かだからだ。街道の馬車を襲っても、抵抗はしないので稼ぎがいい。」
「これは弁解の余地もないので、ゴブリンにでも与えたらいいわ」
「いや、流石にそれはまずいだろう」
「以前はマナト王国の冒険者に同行していた。荷物運びや魔石の回収、素材集め。」
「ならなんで、盗賊になったんだ?」
「ダンジョンで戦うよりも、稼ぎがいいと言い出して…」
多少なりとも同情の余地があれば処遇は見直すつもりだったが、これは当初の計画通り奴隷になってもらうしかないだろう。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
魔石(中) 残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:4,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
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