第54部分
メーヘンの町に到着した。町の規模はメンヒウの町の倍程度だろうか。
物流の要所ということもあり、町の防壁はガッチリした構えだ。
その町中にある冒険者ギルド会議室に到着する。
「ヤマト様、お待ちしておりました。奪還作戦に向けて知恵をお貸しください」
こう言うのはパール国軍の司令官でもあり将軍のおっさん。
会議室には軍関係者や町の要職にある方々が集まっている。
「まずはエリス村周辺とダンジョン周辺の地形が分かる地図を用意して欲しい」
見に行ける距離なのだが、魔物の襲撃が頻繁にあるという話なので、下手に動けない。
地図が運び込まれ、詳細が確認できた。
エリス村とメーヘン町の間は馬車で2時間程度。ローカニルとメンヒウの距離に近い。
エリス村は事前の情報通り、固い守りで囲まれており、砦と同じ作戦では厳しいのかもしれない。
投石機を設置しても、それが襲撃されてしまえば、意味がないのだ。
「どなたか建設魔法に関する知識をお持ちではないですか。主に城壁や防壁の建設知識がある方が望ましいです。」
「それなら私が建設魔法が使えますので、お答えできるかと思います。」
国軍の出席者から手があがる。
「投石機を魔物の襲撃から守る必要があります。防御柵や堀といったものは作れますでしょうか?」
「はい、柵に関しては規模にもよりますが1日もあれば十分な物が作れます。堀に関しては、普段は奴隷に掘らせますので、作ることはありません。」
「いいですか?普段どのようなことをされているのか、を聞いていません。建設魔法の範疇で可能なのか?不可能なのか?をお聞かせ頂きたい。」
「普段は奴隷に掘らせた土を魔法で移動させ、防壁に整形する作業を行っています。手を加えられていない場所の土が動かせるかですが、動かせるには動かせますが、一度に可能な量は少ないと思います。」
「なるほど、ちょっと実験したいので、外に出ましょう。」
ギルドの裏にある空き地へと移動する。そこに木の棒で適当に印をつける。
「この印の内部にある土を3メートルほど持ち上げてこのアイテムボックスに入れて頂けますか?」
印の周囲が淡く光り、土が持ち上げられ、開かれたアイテムボックスへ収納される。
魔法で開られた穴はしっかり掘られており、堀として使うことが出来るだろう。
「この魔法ですが、どの程度連続して使えそうですか?」
「土の処理は考えずにですか?」
「はいそうです。アイテムボックス等へ入れてしまうという理解で考えて下さい。」
「そうですね、堀の幅で5メートル程度、深さは3メートル程度でしたら一度に掘れる長さは5メートルから10メートル。含まれる石の量により大幅に増減してしまいます。」
「なるほど、では休憩を挟めば1日に何度同じ作業が出来そうでしょうか?」
「多くて3回が限度でしょう。」
「ありがとうございます。」
実験を終えて会議室へと戻る。
「奪還作戦に向け、準備を開始したいと思います。」
作戦は以下の通りだ。
・まずは建設魔法使いを動員して、村の南側に堀を作る
・堀が完成したら防護柵を順次設置する
・護衛部隊を先に配置し、投石機を順次配置
・投石開始と同時に村の東西にある堀をアイテムボックスの土で埋める
・埋め立て完了と共に、投石の距離を伸ばして魔物を北へ追い込む
・東西の門を破城槌で破り、内部への足がかりをつくる
・届けばダンジョン方面へ投石し、援軍を防ぐ
「いかがでしょうか?」
「村の南にまずは堀を作るのは、この町への襲撃対策も兼ねて?」
「ええ、まずは好きに攻められている現状を解決します」
「堀が出来ればこの町の安全も確保できる。まずは堀作りから開始しよう」
こうして開始されたエリス村奪還作戦。王都とメーヘン町、その周辺から集められるだけの建設魔法使いが招集され、延々と堀を作る作業が開始された。
我々は作業中の護衛についたが、襲ってくる魔物はゴブリンといった亜人の魔物で、現れたら矢の雨を降らせるといった簡単なお仕事だった。クリスはたまに現れるオークらしき亜人を遠距離からバンバン頭を撃ち抜き、有名人になっていく。シャルは索敵レーダーとして活躍しており、リンマは近くの部隊の治癒係として活躍している。
堀の建設は3交代で行われ、エリス村を包囲する形のものが遂に完成する。
「堀が予定の範囲に出来たので、護衛部隊を出して、投石機の設置ですな。」
将軍のおっさんが出来上がった堀を見てニコニコしている。
「そうですね、柵の設置と同時進行で問題ないと思いますので、急いで設置しましょう。建設魔法使いは1人1機を担当しますので、確保してください」
「分かった。準備させておこう。」
巨大な馬車や台車の載せられた投石機のパーツが次々と運び込まれ、組み立てられていく。
手際が良すぎるので不思議に思っていたら、メンヒウの町で投石機を作った大工達の集団だった。運用経験があるので、安心して任せていいだろう。
今回の投石は城門や城壁を破ることだけが目的ではない。
村の内部に潜んでいるであろう、魔物の数を減らさないといけない。
なので、最初に油を詰めた瓶を多数投げ込み、火のついた石を投げ込む火計を用いることになった。
物資の蓄積もおおよそ終わり、そろそろ本軍が到着する日が近づく。
エリス村からは何度も襲撃があったものの、主に遠距離武器で退けている。
「待たせたな。到着して布陣も終わったぞ。」
将軍のおっさんが本軍を率い、投石機の場所へやってくる。
「では、明日の朝に投石を開始しましょう。最初は油をありったけ放り込み、次に日をつけて、最後に城壁をやぶります。村の堀は土で埋めますので、東西から主力部隊が攻めてもらい、南側からはメーヘン町の部隊が突入します。いいですか?」
「ああ、問題ない。魔物どもをダンジョンに蹴り返す日が待ち遠しい。」
おっさんと作戦の進捗を確認し、分かれる。明日は作戦日だ。
宿に戻り、3人をナデナデしながら話をする。
「明日からエリス村の奪還作戦が始まるけど、我々は攻めないからね」
「まぁそうね。盾役も居ないし、無茶すると死ぬわよね。」
シャルは意図を理解してくれた。ありがたい。
「私達は治癒できますので、支援を頑張りましょう」
リンマ、クリスも理解してくれた。ありがたい。
「明日から忙しくなるから、今日はちゃんと相手しなさいよ!」
アーーーーッ!!!
そして作戦初日を迎える。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
魔石(中) 残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:4,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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