第50部分
「おはようございます。ヤマト様にお客様がお見えです。1階までお越し頂けますでしょうか?」
執事さんが部屋に呼びにくる。例の使者というやつだな。
「リンマ一緒に来てくれ。クリスはシャルと部屋で待っててくれ。シャルを連れていくと、またポンコツになるから。」
クリスは笑いながら送り出してくれる。
執事さんに連れられ、来客の居る部屋へ向かう。
「リーダー、先程の騎士団の方は第一でした。」
「ここの護衛ではなく?」
「ここの護衛は第三が引き継いでいるそうです」
「というとは?」
「入ればわかります」
執事さんが部屋の前に待機している騎士に声を掛け、ドアのノックする。
部屋に入るとおっさんが一人ソファーに座っており、その後ろに年配の女性の人が一人立っている。
「後ろの方は教会関係者だと思います。」
小声でリンマが呟く。
「ヤマト君だね!呼び出してすまない。まぁ、座ってはくれないか。」
言われるままリンマとソファーに座る。
「そちらの方がヤマト君の第一婦人かね?」
「彼女はリンマ。結婚する予定のある妻の1人です。」
「なるほど、英雄らしく多くの妻を娶るのかな」
「いえ、そんなことはありませんが」
挨拶代わりの軽いジャブが何度か続く。
「自己紹介がまだだったな。私がパール王国国王。そして後ろに居るものが、王都教会の神官長だ。知っているかと思うが、神官長は名前を名乗らない。そこは分かってくれ。」
「はい、神官長のお名前にかんしては存じております。しかし、国王陛下がわざわざなぜ?」
「それに関しては神官長が説明する」
「私から説明させて頂きます。私は加護を頂く聖職者。人は代弁者と呼びます。メンヒウの町でスタンピードをヤマト様が鎮圧され、王都に向かっていると神託を頂きました。また、国王陛下の悩みを解決する方法をヤマト様がお持ちだと別の日に神託を頂きました。」
「なるほど、国王陛下の悩みが把握できておりませんが、私の行動が把握されている理由がわかりました。」
「それでヤマト君に相談なんだが」
「内容によりますが、出来ることであれば」
「3年掛けて築いたあのメンヒウの砦を粉砕した兵器を貸してはもらえないか?」
「粉砕したことをお怒りですか?」
「いえそれはない。魔物の手に渡った以上は当然の措置。感謝するだけだ。」
「投石機は私の知識で作り上げた物ではありません。戦争の女神Aの加護により成し得た物です。人間相手の戦争には使用出来ませんが、それで良ければお貸しできます。」
「なるほど、あくまで魔物に対する物だということだね。それは問題はない。」
「投石機はメンヒウの町郊外で保管しています。町長に手紙を書きますので、こちらに運ばせるといいでしょう」
「それは助かる。運ぶ手筈に関しては任せて欲しい。利用方法について説明させてもらう」
国王の説明した利用方法はこんな感じ
・持ち込みたいのは王都の北東に位置する旧エリス村
・村の歴史は浅く、ダンジョンがすぐ側にあるので強固な防壁を2重に築いた城塞都市のようなもの
・規模を拡張する前提だったので、町と同等の大きさで建設をした
・近くにあるエリスダンジョンでスタンピードが発生し、大型亜人の猛攻により陥落
・現在はオークが中心となり村を占拠しているようだ
・襲撃時に一部防壁が破壊されたが、亜人の手によって修復されている
・問題がエリス村だけであればいいのだが、エリス村の南に位置するメーヘンの町へ頻繁に亜人の群れが襲撃してくるようになった
・メーヘンの町は王都への物流の肝になる町。このまま驚異に晒す訳にはいかない
・現在も物資の輸送に支障が出ており、王都は困窮している
「なんとか5神の代弁者たるヤマト様のお力で、我らパール王国の窮状を救っては頂けないでしょうか?」
神官長にまでお願いされると、断れないけどなぁ。
「お世話になっている王国の窮状を救うのであれば、手を貸すことは何も問題ではありません。」
「おお、では!!」
「この件に協力するには国王陛下にしか出来ないことで報酬を頂きたく思います」
「出来ることはなんでもしよう。継承権を持つ娘も居る。何人か妻にしてもいいぞ。」
リンマから肘打ちをくらう。結構痛い。神官長はそれを見て笑っている。
「今回必要とされている投石機ですが、これは戦争の女神の恩恵を受けています。私は恩恵を受ける際に、戦争の女神を祀る教会を作ると約束しました。ローカニルだけでしたら、自力で建設することは可能ですが、他の町や村では厳しい。条件として各村や町、そして王都に戦争の女神を祀る教会を建設するとを約束して頂きたい。」
「建設の猶予はどの程度あるのだ?」
「遅らせると機嫌を損ねそうなので、作戦終了後から5年以内でどうでしょうか?」
「条件には問題はない。しかし、それは女神からの恩恵に対するお礼だ。何か望む褒美はないのか?」
「それでは1つ。私の仲間が亜人の攻撃により重症を負い、後遺症が残る結果になりました。このような惨状が続くことは望んでいません。可能な限り、ダンジョンを殲滅したいのですが、王国として公式に許可を頂けますでしょうか?」
「なるほど、お仲間の方にはお見舞い申し上げる。ダンジョンの最下層は攻略しない様に、各冒険者ギルドに通達を出していることは知っているかな?」
「いえ、そこまで進んでおりませんので、まだその情報は」
「なるほど。ダンジョンは最下層にダンジョンボスと呼ばれる非常に強大な力を持つ魔物が住み着いている。その魔物を倒すことでダンジョン攻略となるのだが、1つだけ問題がある。」
「問題ですか?ダンジョンボスの強さではなく?」
「ダンジョンが攻略されると、ダンジョンは攻略したパーティーやクランの所有物になる。攻略されたダンジョンはスタンピードを起こさない安定したダンジョンになり、所有者のパーティーやクランはそのダンジョンの魔物に対して特攻の加護を受けると言われている。」
「ということは、安定した物資の供給場所になる訳ですね」
「そうだな。ダンジョンの所有権は継承することが出来るが、継承が可能なのは実子のみ。性別は問わない。継承方法は再びダンジョンボスを倒すこと。」
「継承されなく、所有権が無くなったダンジョンはどうなりますか?」
「スタンピードの発生する危険なダンジョンに戻るだけだ。」
「なるほど、後継のことを考えると難しいですね」
「その問題はつきまとうものの、ダンジョン攻略に反対する理由はない。各冒険者ギルドへ入手出来ている情報を全て提供するように、指示を出そう。ギルドにもダンジョンに関する規制はさせない。これでどうだろうか?」
「その条件でお願いします」
こうして国王との面談?は終わった。
その後は神官長が詳細をまとめ、明日の謁見時に話す内容を煮詰める。
翌日の謁見にはシャルが国王から指名され、シャルと2人で謁見することになった。
・投石機はこちらからの提案でエリス村の攻略に使われることになる
・成功の際には望む報奨を与える
・メンヒウの砦奪還作戦で獅子奮迅の活躍をしたシャルに国王から「一閃姫」の称号が贈られる。
・メンヒウの砦奪還作戦でその身を盾に多くの仲間を救ったフェルナンド、パトリクの2人に対し、「双璧」の称号と、王国最高ランクの盾「騎士団長の盾」が贈られる。
という感じでチャッチャと謁見自体は終わった。
謁見前からシャルはポンコツだったが、今でもポンコツ状態が続いている。
「シャル、謁見は終わったんだぞ」
「そうですね」
「いつまで緊張してるんだ?」
「そうですね」
「シフトからシャルの分を外しておくぞ」
「そうですね」
「これはちょっと重症ですね。」
リンマが笑いながらシャルに寄り添う。
「緊張しすぎて、心が遠出しているんだろうね」
続く
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
魔石(中) 残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:4,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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