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第49部分

「リーダー、おはようございます。良いニュースと悪いニュースがあります。どちらから聞かれますか?」

リンマがベッド中に潜り込んできた。


「では悪いニュースから聞こう。」

「町の入り口で国王の使者でもある近衛騎士団が王都までの護衛任務で待っているそうです。」

「王都までの護送任務ではなくて?」

「騎士団旗を掲げながら護送されるとか、どんな犯罪者ですか」

リンマがゲラゲラ笑っている。この話題はもういいや。


「次の良いニュースを聞かせて。」

「はい、フェルナンドとアクセルですが、経過は良好で戦闘は難しいですが、生活を送る上では大きな問題にならないと手紙が届きました。パトリクが2人に教官役を勧めているようで、後輩の教育に尽力したいと言っている様です。」

「不自由はさせるが、経過が良好なのは良いニュースだ。無理に仕事をせずに、奥さんと休暇を過ごすように返事を書いておいてくれ」

「そうは言っても、もう休んでる余裕は無いみたいですよ?」

「えっ?どういうこと?」

「毎日、ダンジョンやらスタンピードが当たり前だった人ですよ?もう後輩の稽古に参加してそうじゃないですか?」

「言われてみれば、確かにそれは否定できない。」

「教会と孤児院の治癒術師が定期的に来てくれているみたいですし、今はそちらに任せておきましょう」

「なるほど、それなら安心できるね。」

「そろそろ覚悟を決めて、王都に出発しましょうか。」

「そうだね…」


準備を済ませて、馬車に乗り込み門へと移動する。

「ヤマト様、おはようございます。王都まで護衛任務につかせて頂きます。」

近衛騎士団の方が挨拶をしてくる。無下に扱えないので、適当に挨拶を返す。


「夕方前には着きますから、ゆったりしておきましょう。」

クリスが察したのか、声を掛けてくる。

「クリスは王都は行ったことがある?」

「子供の頃に一度だけ父と行きました。とにかく賑やかな場所で、いろんなお店があったと覚えていますね。」

「そうか。なら、時間に余裕があれば皆の服とかを買い物するといいね。」

「リーダーは一緒に選んでくれないんですか?」

「一緒に行ければ行くけど、出来る限り鎧とか盾の素材を探そうと思ってる。」

「なるほど!それなら私も一緒に!」

「いや、折角の王都なんだよ。ローカニルで買えないような物を家の皆にも選んであげて。」

「それはそうですね。ではその任務は我々3人が引き受けます!」

「うん、そうして」


御者席に誰も座っていない謎の馬車は王都へ向けて進んでいく。


「リーダー、何を思い悩んでいるのかしら?」

シャルが変顔をしていると突っ込んでくる。

「鎧や盾のことを考えてた。防御力や魔法防御力ってあるでしょ?主にランクで表現するよね」

「そうね、レザー<チェーン<プレートと防御力の部分では区分されるわね。」

「それって魔法防御力の部分ではどうなるんだろう?」

「先ほどの3つの装備だとほぼ同じ性能みたい。簡単に言うと0。魔法を防ぐのに適した防具は無いとも言われてるわ」

「なんで無いんだろう?攻撃手段として魔法が存在するのに、防げないなんて」

「防がれると困るからよ。剣士のように短期間で戦えるのとは違い、魔法使いは子供の頃から修行を受けるそうなの。その魔法が簡単に無効化されると存在価値が無くなる。だから意図的に魔法を防御する物は開発されていないそうよ。」

「それって国と国の戦いが基準の話だよね?」

「そうね、武器や防具の基準は国が決めているから、戦争前提の話ね。ダンジョン前提ではないわね。」

「ということは、あの亜人にリベンジする場合は独自の装備が必要なのか」

「そうなるわね。でも、鍛冶師の奴隷というか仲間は出来ていることだし、開発すればいいんじゃないかしら?それこそ王様に認めさせたら?」

「名案だな!そうしよう!」

「少し元気になったみたいで、良かったわね」


話をしながら馬車はどんどん進む。途中で休憩を何度か挟みながら王都を目指す。


「リーダー、王都が見えてきました」

リンマが教えておくれる。どれどれ?リンマに続いて御者席へと移動する。

「流石、王都だね。大きさが凄い。この王国には一体何人の人が住んでいるんだろうか?」

「国全体ですか?王都のみですか?」

「う~ん、その両方?」

「ローカニルが5000前後、メンヒウが20000前後と言われていますね。パール王国の首都は国土の北側に位置しています。南にある町は北よりも規模が大きいとも言われますので、全体ではどの程度になるんでしょうか。」

「この国の正確な地図って見たことある?今までに見たことがないような」

「地図は戦争に使われるので、庶民が目にすることはありません。」

「なるほど、地図を探してたらスパイ疑惑ってやつだね」

「そうです。騎士団の詰め所とかには置かれているそうですよ」


……


「リンマ、馬車が並んでいないほうの門に向かっているけど、なんでだろう?入るならあちらの門からじゃないのか?」

「近衛騎士団が先導してますので、間違いは無いですよ。え~っと、こちらの門は……」

「どんな門なんだ?なんか不穏な空気なんだが……」

「私もこちら側の門の意味は知らないんですよ。あの並んでいる門が一般的に使われる通用門です。」

そんなやり取りをしていると城門はどんどん近づいてくる。


「リーダー、見えますか?門の前の通路部分です」

「ああ、見える。旗印が分からないけど、なんか並んでいるな」

「通用門以外の門、門の前には騎士団、騎士団には旗。これが意味するものは1つです!」

リンマの鼻息が荒くなる。

「はやく答えを言って。なんか憂鬱になってきた」

「ここまでの出迎えをされるのは他国の国王や、教会の上位者数名といったところです」

「答えを早く言ってくれ」

「パール国 国王が国賓の待遇でお出迎えということです」

「えっ??ローカニルって外国なの?」

「いえ、間違いなくパール国に属する村です。」


馬車が門に近づくと、騎士達が剣を抜き空に掲げる。

意味が分からないので、護衛の騎士を近くに呼び意味を聞いてみる。


「ご説明が不足しておりすみません。並んでおります騎士はパール国王直属の近衛騎士団の者。あの旗は第一騎士団旗です。並んでいる騎士達は日頃から国王の身をお守りする騎士。抜き身の剣は刃が潰された儀礼用の剣です。王の代理としてこの王都への来訪を歓迎する意味があります。軽く手を挙げて応えてあげてください。」

説明を聞くと更に気分は憂鬱になってくる。


入門の儀式を終え、王都に入るとお店等のない大きな邸宅の並ぶエリアだった。


「これって誰の家なんだろう?」

「ここは王都の貴族街ですので、貴族の方々のお屋敷ですね」

「うわ、一番苦手なパターンだ。もう中に戻るよ。」

リンネに宣言して馬車の中に引っ込む。


そして馬車は貴族街にある宿に到着し、部屋へと案内される。


「この部屋は落ち着かないね。」

「そうですね」

「この部屋広いよね」

「そうですね」

「シャル、そうですねしか言ってないぞ」

「そうですね」

シャルには刺激が強すぎたのか、同じことしか言わない。


部屋のドアがノックされ、執事っぽい人が入ってくる。


「ヤマト様、おくつろぎのところ失礼致します。食事の用意が出来ておりますので、こちらに運んでも宜しいでしょうか?」

「はい、宜しくお願いします」

「恐れ入ります。」


執事の指示でテキパキと食事が運ばれてくる。

執事さんなら知っているかもしれないと、手を挙げて執事さんを呼ぶ。


「聞きたいことがあるんですが」

「はい、なんなりとお申し付けください」

「近衛騎士団の護衛、騎士団の儀礼剣、そしてこの宿。意図するものは何でしょうか?」

「はい、当パール王国で国賓を迎える際の最上位待遇です」

「では近衛騎士団の第一騎士団出迎えの意味はなんでしょう?」

「第一騎士団が出迎えるのは、国王、第一王子、他国の国王、国王が定めた方のみです」

「では王妃様を出迎える際はどうなりますか?」

「はい、国王や第一王子とご一緒でない場合は王族となりますので第二騎士団が担当します」

「なるほど、分かりました。田舎出身なもので、作法に通じていないもので、参考になりました」

「御役に立てて光栄でございます」

一礼をして執事は下がる。


「これからの話もあるので、内々の食事にしたい」

そういうと畏まりました と水が流れるように退出していく。


「さて、この意味不明な待遇をどう受け止めようか」

「そうですね」

まだ壊れているが、食事は食べているので心配はない。

「来いと言われて来ているのだから、気にしなくてもいいかも」

クリスはやや楽観視している。

「それに父に言われました。建国すると言い出しても止めてはいけない。と。」

「突き抜けすぎて面白いけど、それは誰かの言葉なんだろうね」

そう言うとクリスは頷いている。


「私の予想ですが、歓迎の準備までされていました。この宿も意味があり、ここにしたのだと思います。王様へ謁見する前に、配下の方が来られて話があるのではないでしょうか?」

リンマが軍師のような読みをしてくる。

「ん?どういうこと?」

「えっとですね、国王までなると謁見は公的なものです。他国に使者とやり取りをしますが、見解の相違で戦争に発展することはよくあります。ですので、謁見前に話す内容を取り決めて、取り決めた内容だけ話をして終わり。これはよくあるそうです。教会でも同じ様に取り決めて話をします。」

「なるほど、そういう意味があるのかね」


気疲れしてその日は早くに休むことにした。


☆☆本日のお仕事☆☆

魔石(小)残0個-入手0個-使用0個(残り0個)

魔石(中) 残0個-入手0個-使用0個(残り0個)

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名前:ヤマト

職業:狩人A

所持金:30,233,500G

所持P:4,150P

冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P

E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)

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