第48部分
鍛冶師と別れ、天幕でマッタリしていると、隊長が駆け込んでくる。
「ヤマト様、宜しいでしょうか?」
「はい、どうされました?」
「教えて頂いた砦の魔法障壁?ですが、恐らくこれだという物ができました。」
「ほう、それは良いニュースですね。実物はどちらに?」
「砦の内部で実験しておりますので、今は砦内部にあります。」
「見せて頂いても?」
「無論です」
隊長に連れられて、砦の内部へと入っていく。
投石の被害を逃れた建物に、木製の壁のようなものが取り付けられている。
「ヤマト様、この壁が試作品になります。」
「この壁は既に効果が発揮されているのですか?」
「ええそうです。既に効果は発揮されております。」
「疑う訳ではないですが、試してみても?」
「どうぞ。得物は何にしましょうか。」
「では等級の一番高い槍でお願いします。」
「それではこちらをどうぞ。」
渡された槍は全体的に真っ黒な槍で、思っていた程重くはない。
「その槍はナイトランス、強化は+6まで進めております。合計ランク10相当のものです。」
「なるほど、この壁はどちらが表とかいうことはありますか?」
「それはありません。どちらの面からでも、お試しください。」
「私は槍を投げて使いますので、近くの方は離れて下さい。」
えっ?投げるの?という顔をした技師のような人々が避難を終える。
「では投げます。」
ナイトランスを思いっきりブン投げる。
しかしナイトランスは壁に当たることはなく、跳ね返される。
「えっ?どういうこと?」
「武器だけでは結論が出ませんので、魔法での攻撃もお見せしましょう。」
隊長が合図をすると、部下?の人が分厚い本を取り出し、ムニャムニャ唱えはじめる。
頭の上に炎でできた何本かの槍のようなものが浮かび上がる。
「ファイアーランス!」
魔法名を言うと同時に浮かんでいた炎の槍が壁に向かい飛んでいく。が、跳ね返される。
「ちょっと理屈が分からない。教えてくれるかな?」
「当然ですよ。あの壁には2つの魔道具を取り付けています。1つは攻撃を吸収する魔道具で、1つは攻撃を吐き出す魔道具です。本来ですと吸収するだけで運用するのですが、魔法等はその力の行き場に困ります。そこで大気中から魔素を吸収して吐き出す魔道具を少し強化するようにします。すると、力や魔力がこのような反応を起こします。」
「便利ですね。運用面の問題はありますか?」
「まず、大きな面にしか使えないこと。町や村の防壁には使えません。砦や城といった大型建造物が対象となります。次に装置が大型化すること。この砦ですと、敷地の2割程がその装置置き場になります。」
「設置する工期はどうでしょうか?ダンジョン側の2面だけは先に対処したいですよね。」
「装置は既存の魔道具を流用しますので、10日前後で2面は完成します。」
「それは凄い、これで安泰ですね。」
その完成が待ち遠しい!と隊長に伝え、砦を後にする。
天幕に戻り、3人を集める。
「緊急会議だ。」
「議題はなんでしょうか?」
リンマが切り出す。
「投石機でボコボコにした砦が改装されている。その経過と完成を見守るべきか。」
「「「あ~~~」」」
「見守るべきかは分かりませんが、ある程度の目処が付く見込みがあるなら、そこまで待ってあげるのがいいのでは?」
クリスは優しい意見だ。
「私はどちらでもいいと思う。」
シャルはこっそりシフト表を取り出そうとしている。
「私は砦のことは分かりませんが、負傷者の治療に協力してますので、もう少し残りたいです。」
リンマは別の目的があるそうだ。
う~~ん、それではこのまま完成までこの町で過ごすことにしよう。
天幕を引き払い、町の宿へと活動拠点を移動する。
完成までの間はシャルは防衛部隊との合同訓練に参加することになった。
大太刀での二刀流について、訓練の希望があったそうだ。
リンマとクリス、私は負傷者の治療に協力した。治癒Cでもある程度回復した者には一定の効果があるそうで、負傷した人に感謝をされる。
そして滞在11日目に仮設ではあるが、魔法障壁が完成した。
試験ということで、ミニサイズの投石機が用意され、砦の外で実演されることとなった。
馬車の荷台に取り付けられた板(壁)に投石機の石を当てるんだそうだ。
「隊長、疑ってはないけど、あれ大丈夫なの?」
「問題ないですよ。最後にヤマト様がまた槍を投げられてください。」
試験が開始される。
投石機から石が投げ出され、、同じように跳ね返る。
次は石にロープを巻き、油を染み込ませた石だな。着火して投石、、跳ね返る。
その後は弓を一斉に撃ったり、石を投げたりと好き放題しているが、一切通用しない。
「最後にこの壁の原理を提案されたヤマト様が実演されます。」
ナイトランスを手に取り、思い切り投擲する。跳ね返る。
「それでは装置を無効にしますので、ヤマト様もう一度お願いします。」
運んでこられたナイトランスを手に取り、思い切り投擲する。
槍は壁と馬車を貫通した様で、バキッ!と凄い音がする。
「これで手抜きではないことが証明できました。ありがとうございます。」
ウオオオオオ!!という歓声と共に、魔法障壁の完成が知れ渡る。
宿に戻ると、町長からの使者が待っていた。
「ヤマト様、町長が面会を希望しております。お連れして問題ないでしょうか?」
「いえ、来て頂くのは悪いです。こちらから向かいましょう。」
使者と4人が町の役場?に到着する。
町長からの用件はこんな感じだった。
・スタンピード対策での大きな貢献に町として報いたい
・報奨として騎士爵を与えたいと思う → 即断る
・魔法障壁の開発に貢献したので、称号として「メンヒウの盾」を贈りたい。これは町長としての意向だけではなく、多くの守備兵および冒険者の総意。これだけは受け取って欲しい。 → 断れないので受け取る
特に騎士爵については何度も勧められたが、居住地はここではないと無理矢理断った。
「よし、明日は絶対に王都に向けて出発しよう。」
そう言って宿に戻ると、宿の主人がプルプルしながら封印のされた何かを差し出した。
「ヤマト様、パール国 国王陛下様よりの書状が届いております。」
「えっ?もう一回言って貰えるかな??」
「パール国……以下同文」
「クリス、先日の精神混乱魔法の影響なのか、おかしな言葉が聞こえる。治癒を頼む。」
「いえ、魔法の影響ではなく、国王からの書状と確かに言われています。」
「心当たりがないんだが……」
「ヤマト様、どうされるかはご判断次第でしょうが、受け取って下さい。胃に穴が空きそうです。」
「悪い。こんな変な書状を預かるほうも迷惑だね。」
宿の主人が辛そうな顔をしていたので、さっさと部屋へと退散する。
「燃やすか!」
「いや、まずは読みましょう!」
リンマにツッコミを入れられる。
手紙の中身はこうだった。
ヤマト君。君の活躍は耳にしている。ローカニルの町、メンヒウの町を救ってくれたことに国王として感謝している。代弁者からの話で首都を目指していると聞いている。こちらに来た場合は、是非顔を出して欲しい。 パール国王
「シャル、ちょっといいか?」
「はい、なんでしょう?」
「国王陛下って偉い人だよな?」
「ええ、そうね。間違いなくこの国の最高権力者よ。」
「その方からの書状で、顔を出して欲しい とあるけど、どう思う?」
「それは代弁者がバレてるんじゃないの?」
「あ~~」
女神の加護を増やしたからかなぁ…と呟いていると、リンマに突っ込まれる。
「女神の加護は、人生で1度あれば幸運と言われるものです。ヤマトさんみたいに女神の加護をどんどん増やしてたら、世の中おかしくなりますよ!」
「そうなのかなぁ。今は無理だけど、そのうち加護は買えるからなぁ。」
「それを口にしないでください。特に教会と首都で言うとまずいですよ!」
「ハイ、ワカリマシタ」
説教をされ、一日が終わった。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
魔石(中) 残0個-入手0個-使用0個(残り0個)
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:4,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□




