第47部分
「リーダー、2人の意識が戻りました。声を掛けてあげてください。」
天幕へ走り込んでくるリンマ。目が覚めたか!
「フェルナンド、アクセル、気分はどうだ?2人共、体を張って守ってくれたことに感謝する。私だけではなく、隊長を含め、多くの命が救われた。」
「リーダー、頭でも打ちましたか?盾を持って最前線に立つ戦士です。これが役割です。」
フェルナンドは頭を打った疑惑を持っているそうだ。
「リーダーの呪いに比べれば、大怪我のようですが、まだマシかもしれないですよ。」
アクセルは相変わらずの様だ。
「体はまだ完全には治っていない。当面は治療に専念して欲しい。いいかな?」
その言葉に異議はなく、もう少し休んでくれと伝えて天幕を後にする。
「リンマ、馬車に載せるとしたらあとどの位時間が掛かるだろうか?」
「そうですね、意識は回復しましたので、2日程度もあれば大丈夫かと」
「そうか、それまでは2人の治療に専念して欲しい」
「わかりました。そのようにします。」
そう言い残し、リンマは去っていく。
天幕に戻ると、クリスが待っていた。
「リーダー、2人の様子はどうでしたか?」
「ああ、嫌味を言われたので大丈夫だと思う。」
「嫌味?それは面白いですね」
「そうだろ?死にかけてた人間が目を覚まして嫌味を言えば、もう言うことはない。」
「そうですね。治癒を覚えておいて良かったと思っています。」
「そうだな、失うものもあったが、そのお陰で命が救えた。」
そう言って、ナデナデして2人でまったりと過ごす。
「ヤマト様、少し宜しいでしょうか?」
隊長が天幕を訪れる。
「はい、どうされましたか?」
「フェルナンド殿、アクセル殿の意識が回復されたと聞きました。私もその盾に救われた身です。部下も含め、お礼をお伝えしたくお邪魔しました。」
「なるほど、その意向に感謝します。あと2人もすればある程度回復すると思いますので、よければ直接2人に伝えて頂けますでしょうか?」
「はい、ありがとうございます。改めてお2人には面会を申し込む様にします。それとこれは相談なのですが、お2人に今回の功績を讃え、町から「メンヒウ町名誉町民勲章」を贈りたいという話が出ております。お2人に持ちかけても問題ないでしょうか?」
「ええ、それは問題ないと思います。2人も喜ぶと思います。」
「ではそのように致します。要件が多くて申し訳ないのですが、これが最後です。投石機で砦が攻略出来ることが今回証明されました。そのこと自体を責める気はありませんが、この強大な威力を目にし、砦をどう守るのか?という意見が出ております。なにかご助言頂けることがありましたら、お願いできないでしょうか?」
「……そうですね、強力な矛を示した訳ですから、強力な盾も必要ですね。話に聞いているのは魔道具を使用した大きな壁、というか盾でしょうか。それを作れば防衛は出来ると聞いています。防護柵の魔道具は物理的な柵を展開しますが、例えばこれを応用して、魔法の壁…魔法障壁を築くことが出来れば、砦の防御は強固な物になるのではないでしょうか?」
「なるほど!良いアイデアですね。早速持ち帰り、相談してみます。それでは。」
聞きたいことを聞けた隊長は全力で町へ戻っていく。
そんな話をして3日が経過する。
砦側に設置された天幕にはフェルナンドとアクセルの妻2人が到着した。
「パオラ、ルイサ。フェルナンドはその身を盾にして私や多くの者を救ってくれた。当面は治癒を行いながらの生活になるが、支えてあげて欲しい。あと、夫が大怪我を負うことになり、申し訳なく思う。」
「お気持ち、ありがとうございます。夫が早く動けるようになる様、支えるつもりです。」
「ありがとう。当面は家でゆっくりと休養をとってくれ。」
「エリカ、ナタリア。アクセルも同じくその身を盾にして守ってくれた。当面は治療に専念し、その生活を支えてあげて欲しい。同じく、大怪我を負うことになり、申し訳なく思う。」
「お気持ちありがとうございます。皆様の怪我を防げたのならば、誇るべきことでしょう。」
「ありがとう。当面は家でゆっくり休養をとってくれ。」
夫婦の居る天幕を後にして、リンマに確認をする。
「リンマ、正直に答えて欲しい。どの程度の後遺症が残ると思う?」
「はい、両名ともに歩行は可能になると思います。フェルナンドは左手~左肘に多くの損傷がありました。動きはするはずですが、力が入らないという現象が起きると思います。アクセルは左肩の損傷が激しく、現在でも痺れが残っています。動く可能性はありますが、良くてフェルナンドと同じ程度までしか回復しません。」
「そうか、技能で何か打つ手はないのだろうか?」
「あの場に治癒A持ちが2人居れば状況が変わったのかもしれませんが、部位欠損寸前をここまで回復出来たのですから、これ以上は望みすぎと思います。」
「なるほど、命が助かっただけでも幸運と思うべきなんだな。」
後遺症が残る生活。2人は辛い日々を送らせてしまうことになる。
天幕の近くへ馬車が移動してくる。天幕からはフェルナンド、アクセルの2人が出てくるが、足取りはヨロヨロとしている。
馬車に乗り込んだ2人を見送り、天幕へ戻ると鍛冶師の奴隷が待っていた。
「メンヒウの町は落ち着いたかい?」
「おかえりなさいませ。お待ちしておりましたが、ご迷惑でなかったでしょうか?」
「全く問題ない。なにかあったのかな?」
「はい、フェルナンド殿とアクセル殿が重症を負われたと聞きました。その詳細も。」
「それは事実だ。先程、馬車で自宅へ帰ったところだ。」
「それでは当面は戦闘に参加されないのでしょうか?」
「いや、今後は参加できないと思う……」
「なるほど、失礼を致しました。武器の破損や防具の破損があれば、修理等はお申し付け下さい。」
「それならば……」
魔法で貫通されたタワーシールド2つを取り出す。
「これが2人の持っていた盾なんだが、防げたものと完全に貫通したものがあった。その差はなんなんだろうか?」
「これは……失礼ですが、よくご無事で。死んでいてもおかしくないと思われます。この盾は剣や槍といった物には効果のある盾ですが、魔法で作られた槍にはあまり効果がありません。」
「では、今後魔法を使う相手と対峙すると仮定して、どのような対策が良いだろうか?」
「そうですね、盾は剣や槍を防ぐものという常識があります。ですので、盾の強化の方向性は変えずに、盾そのもののランクを上げるのが良いでしょう。魔法への対策として、鎧を魔法対策で強化するという方向がいいのではないかと。」
「これは反則なのかもしれないが、鎧の上にローブ的な物を着るのはどうなんだろう?」
「防御を3層で考えるということでしょうか?」
「3層でも4層でも、実用性があるならば何層でもいい。」
「うーむ。言われることは理解できますが、伝統に拘ってしまうもので、試してみないと返事のしようがありません。」
「そうか、ならばタワーシールドよりランクが上の盾で試作品を作ってくれないだろうか。最初は物理、魔法、魔法と3層に防御力を重ねた構造にして欲しい。1層目の防御力は最低でタワーシールド並で。」
「分かりました。こちらの要件が終わり次第、急ぎ戻り試作品を作ります。」
「あと、使うかもしれないのでこれを持って帰ってくれ。使わない場合でも、今後の研究材料として使ってくれればいい。」
「ありがとうございます。」
残っていた魔石を全て渡し、防具の開発をお願いする。
続く
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残280個-入手0-使用280個(残り0個)
魔石(中) 残145-入手0-使用145個(残り0個)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:4,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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