第43部分
毎日2話更新していましたが、今後は1話づつの更新にしていこうと思います。
翌朝、出発の準備を整え、馬車に乗り込む。
「では王都まで行ってくる。不在の際、家のことはクリスパパへ、奴隷や戦闘訓練のことはパトリクに一任する。2人の指示は私の指示と思い、それに従う様に。」
残されたメンバーに指示を出し、馬車へ乗り込む。
「シャル、街道まで誘導してやってくれ。」
「了解。それでは移動開始します。」
シャルの指令で馬車はスルスルと動き出す。
村の門を出て、街道へと到着し、進路を東へと取る。
「このまま走れば2時間で隣町だから。急がないから、負担の無いペースで走って頂戴。」
馬達は鼻を鳴らして返事をする。馬車内に戻り、アクセルを御者席に座らせる。
シャルがここぞとばかりにシフト表を持ち出し、呪いにやられた期間のシフトをどのように見直すのか3人の熱い議論が開始される。
なんか面倒だな、と半分聞いたフリをしていると、突然馬車が止まる。緊急停車だ。
「何事だ?」
アクセルのほうを確認するも、事態が把握できていない。
馬車から降りて各馬を確認する。一様に興奮しており、何かがおかしい。
「総員、警戒態勢!」
号令と共に馬車から飛び降りるメンバー。
馬の雰囲気を察知したのか、皆に緊張の色が濃く出る。
ブルブルブルブル
スマフォが振動を始める。今、取り込み中なんだけど。
「大いなる戦いの先端が開かれました。メンヒウの町がスタンピードに晒されています。町の北にある砦が攻撃を受けていますが、長くは持ちません。メンヒウの町へ急ぎ入り、その防衛に参加してください。」
うわぁ……
「リーダーもしかして……??」
クリスが恐る恐る聞いてくる。
「うん、メンヒウの町がスタンピードに襲われているそうだ。砦が攻撃されているとのことで、町へ急げとの連絡だった。」
「分かりました。武装したまま馬車で移動するのは良くないですが、事情が事情ですのでこのまま進みましょう。」
「そうだね。私は御者席でシャルと警戒するから、クリスは後方の警戒を頼む。」
「了解です。慎重に進みましょう。」
メンヒウの町へ馬車が近づく。
「リーダー、武装したまま町に入るのはまずいですから、先触れに走ってきましょう。」
フェルナンドが伝令を名乗り出てくれる。
「そうだね。言う通り、先触れをすべきだ。宜しく頼む。」
フェルナンドが戻ってくるまで、馬は興奮したままだった。
「リーダー戻りました。既に門に教会の使者が待っています。」
「教会?まぁいいか。とにかく進もう。」
メンヒウの町の門へと到着し、手続き後に教会の使者を先頭に町中に入る。
不思議なことに、町中はそこまで混乱している様子はない。
「おかしいな。砦を攻められてるなら、もっとパニックになってもいいんだけど。」
「そうね。町の周辺にも魔物の気配はないわ。何かおかしいんでしょうね。」
そんな話をしていると、教会へ到着する。
誘導されるまま、教会へと入ると神官長の服装の人が出迎えてくれる。
「ローカニル村の神官長からヤマト様のことは聞いております。事態は深刻ですので、恐れ入りますがこちらへお越し下さい。」
通された部屋には何人かみた顔もいる。
回りくどいことは面倒だ。単刀直入に聞こう。
「皆さんどうも。メンヒウの町がスタンピードに晒されていると聞きました。町の北にある砦が攻撃されていると聞いていますが、状況を教えて頂けませんか?」
そうすると、ザワザワが始まる。なんで知っているのだ、教えた責任は云々。
バンッ!とテーブルを叩く音と共に神官長が立ち上がる。
「ヤマト様、論より証拠です。お開き頂けますでしょうか?」
ああ、なるほど。英雄伝を開くことで証明しろと。
本を手に取り、パカっと適当なページを開く。ざわめく一同。
「失礼しました。代弁者様とも知らずに無礼を働きましたことお詫び致します。私はメンヒウの砦防衛隊を任されている者です。ご質問にお答えします。メンヒウの砦はつい先程陥落致しました。」
「その割に戦闘された様には見えない。陥落に至る事実を教えて欲しい。」
「はい、全てお話します。始まりはダンジョンから魔物が溢れているという知らせでした。砦に駐屯しております兵を集め、その殲滅に向かおうとした矢先、メンヒウの町が襲われているという知らせが届きました。兵数の半分をダンジョンの入り口へ、半数を町へと送りました。町に到着すると同じ頃に知らせが届き、ダンジョンへ派遣した部隊は全滅。砦も魔物に占拠されたと聞いた次第です。」
「町の襲撃は事実だったの?」
「いえ、襲撃はあったのですが、群れは少数で完全に陽動でした。」
「ということは魔物の策にはまったということですね。」
「はい、返す言葉もありませんが、その通りです。」
「隊長、続けて質問で申し訳ありませんが、このまま状況が推移するとどうなると予想しますか?」
「はい、偵察によりますとダンジョンから砦へ増援が向かっていることが確認されています。このまま数が増えますと、3日程度で砦は魔物で溢れます。」
「こちらから討って出る方向は駄目なのでしょうか?」
「砦を占拠している魔物は低ランクではありますが、亜人の魔物です。弓や投槍といった武器を多数持っており、現在の戦力では近づくことすら困難です。」
「手詰まりという訳ですね。砦を落とすとなりますと、どんな武器を使うのが一般的でしょうか?」
「城門を破る破城槌、梯、櫓といったところでしょうか?大工は総動員して集めています。」
「それ以外の兵器はないのですか?」
「ありません。」
文化の差なんだろうけど、特攻兵器だけでは砦は落とせないだろうな。
「メンヒウの砦までは馬車でどの程度の距離でしょうか?」
「おおよそ1時間の距離です。」
「神官長、砦の状況を見てきます。町の防御を可能な限り固めてください。」
「承知しました。ヤマト様もお気をつけて。門は名前だけで通れる様に手配します。」
「ありがとうございます。」
急ぎ馬車に乗り込み、発車させる。
「どうでしたか?」
アクセルが心配そうに聞いてくる。
「過去のスタンピードが遊びに思える程度に事態は最悪だね。」
「そうなんですね。」
多くは語らない。もうすぐその最悪の現場が見えてくるはずだ。
「弓や投槍が飛んでくる可能性がある。距離を取って馬車を止めて欲しい。」
馬車が停車すると共に、最大範囲で防御柵を展開する。
「さて皆、頭を抱える時間がやってきた。この目の前にある砦は魔物が主導権を握っている。」
「えっ???」
「フェルナンドとアクセルは申し訳ないが盾を構えて砦に近づいてくれ。どの程度の攻撃があるか確認したい。」
「はい、すぐに向かいます。」
盾を構えて砦に向かう2人。ある程度近づいたところで、砦から矢の雨が降り注ぐ。
「戻ってくれ!もう十分だ!」
叫ぶと後退してくる2人。後退から暫くして矢の雨は止まる。
「リーダーの言う通り、今までのは遊びに思えますね。」
フェルナンドがまずは口にする。
「そうなんだよ。魔物を防ぐ砦が人間を防いでいるという笑えない状況なんだ。」
「破城槌で門を攻めようにも、兵が持ちませんね。」
アクセルは矢の雨を体感したからか、冷静に分析している。
攻城兵器の名前を口にしていいものか、悩んでしまう。
「周囲を警戒していてくれ。少し考えたい。」
そう伝えるとスマフォを取り出す。
私「メンヒウの町の危機について、把握ができました。攻城兵器の知識をどの程度提供してもいいものか、相談したいのですが。」
戦「それは戦争の女神である私の管轄である。ヤマトの考えを述べて欲しい。」
私「今回の問題は砦の城壁をいかに破壊するかに掛かっています。大工が総動員されていると聞きますので、トレビュシェ(平衡錘投石機)の情報を提供したく思います。」
戦「なるほど、言い分は理解できた。情報を提供する上で条件がある。情報を渡すので加護を受けなさい。」
私「戦争が起こる加護は勘弁してください。」
戦「何故そこまで戦争を嫌う。では、加護を受けた恩恵は与えない。代わりに戦争に関する介入はしない。これで満足ではないか?兵器に関する情報は与えよう。代わりに我を信仰する教会を建てるのだ。」
私「加護の恩恵に関する部分は同意します。教会はすぐに建設できませんので、一定の猶予を頂かないと無理です。」
戦「それは分かっている。そうだな、以降10年以内に建てるという条件ではどうだろうか?」
私「問題はありません。話は成立でしょうか?」
戦「成立だ。兵器に関する設計図はアイテムボックスへ贈ろう。戦争の女神Aの加護を与える。大いなる戦いを見事勝利へ導いてみよ。」
私「はい、早速準備に取り掛かります。」
こうして、一番受けたくない女神の加護を受けることになった。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残280個-入手0-使用0個(残り280個)
魔石(中) 残145-入手0-使用0(残り145)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:9,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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