第40部分
「リーダーいいでしょうか?」
「うん、どうした?」
リンマのほうを振り返る。
「これは仮説ですが、とリンマが語りだす。」
・この家に来て夢を見る偶然が5人全員に起こることはおかしい
・共通事項としては生産のAもしくはBを持っていること
・売られた経緯に何かあるのかもしれない
・この家に来ることで、元々持っていた素質的なものが有効になった?
「なるほど、リンマの言うことは理解できる。商業ギルドに英雄伝を持って行ったとしても、開ける奴隷は一人も居ないだろうね。」
「教会で教育を受けた身としては、代弁者が奴隷という現実は無視できません。」
「そうだな。その奴隷が女神の剣たる者なら、解放すべきだとは思う。」
「問題は奴隷を買うお金ですね。あと、生活の維持です。」
「そうだな。生活の維持はキラーシープを延々狩れば解決できるからいい。」
「まぁ、それはそうですが。」
「今から商業ギルドに行くぞ。」
「はい、お供します。」
そしてやって来た商業ギルド。
「エステルさん、ちょっといいですか?」
「あら、ヤマトさん、何かお急ぎの要件でしょうか?」
「生産技能のAもしくはBを持つ奴隷は今何人いますか?」
「え?生産技能?技能全部が対象ってこと?」
「はい、戦闘技能ではない技能ABを持つ奴隷の総数を知りたいです。」
「少しお待ちくださいね。確認してきますので。」
「リーダー、何人くらい居そうですかね?」
「少ないほうが嬉しいけど、分からないよね。」
「そうですね……」
「お待たせしました。今回の数には性別関係なくお答えします。」
「はい、性別は問いません。AB持ちの総数は?」
「合計で20名です。技能Aはいません。内訳はこちらにまとめています。」
・紡績3名
・機織3名
・裁縫4名
・鍛冶3名
・大工3名
・細工師3名
・薬品製作1名
「あくまでこの村で買われるであろう奴隷なので、他の町だとまだ居るのかもしれません。」
「なるほど、技能Bということは500万Gだと考えて問題ないですか?」
「はい、今回確認できた者は全て500万Gで大丈夫です。」
「では、全部買います。」
「えっ???」
「1億Gで買えますよね。全部買います。」
「ちょ…ちょっとお待ちください。確認して参ります。」
エステルさんが慌てて奥へ引っ込んでいく。そしておっさんを連れてくる。
「ヤマト様、いつもありがとうございます。商業ギルドのギルドマスタをしています…」
とおっさんの自己紹介と、購入の経緯を知りたいという話だった。
「村が拡張するという話を耳にしまして、生産技能を持っていればある程度の生活が維持出来るのではないか?と考えまして。村が大きくなれば多くの需要が生まれるでしょう。あとはご理解ください。」
適当に丸投げしてみる。
「なるほど、ヤマト様の奴隷は皆誰もが非常に良い待遇と聞いています。目的の無い一括購入はお断りしますが、英雄の依頼では断る理由がありません。」
「では購入は問題ないということで?」
「はい、手続きを行わせて頂きます。」
そして一括で全額を支払い、手続きを終える。奴隷は明日の朝に家へ来る予定だ。
「財布が危ないけど、また稼げばいいな。」
「そうですね。」
そんな話をしながら家へと戻る。
パーティーメンバー、パトリク、クリスパパママだけを食堂に集めて事情の説明を行う。
「まず最初に、クリスパパなんだが女神の加護を受けている。狩猟の女神の加護。」
ここは想定されていた様で、驚きもあるが受け入れられている。
「次に先程解放した奴隷の5人。彼女達は大地の女神の加護を受けている。」
これも想定された様だ。パトリクが話したのかもしれない。
「最後に、先程商業ギルドで奴隷を買ってきた。」
「…それってまさか??」
シャルが驚きながら聞いてくる。
「今回は生産技能のAとBを探して買ってきた。理由は加護を受けている可能性があるから。技能Aは居なかったので、技能B持ちを全部買ってきた。」
「全部?何人なの?」
シャルの顔は驚いたままので、少し笑えてくる。
「全部で20人。一人500万Gなので1億Gで買ってきた。代弁者がこの敷地に30人住んだら、王都教会が表彰してくれるかもしれないね。」
「いや、そこは冗談言う所じゃないでしょ」
シャルに怒られる。すんません。
「私からも説明します。皆さん自覚が無い様ですが、加護を受けているということは女神の神託を受ける代弁者なのです。この村で代弁者は教会の神官長ただ一人。分かっているだけで、この敷地にはリーダーを含めて7人の代弁者が住んでいます。」
リンマの説明に一様に皆が頷く。
「質問ですが、生産技能を持っている奴隷は加護がある、もしくはその可能性があるのに対し、戦闘を行っているメンバーに加護が付かないのは何故でしょうか?」
はい、フェルナンド君、いい質問だ。
「そこはまだはっきり分かって居ないんだけど、戦闘メンバーに関しては技能を与えることが出来るので、技能を身につけるという恩恵で加護が帳消しになっているのかも。」
「では私の妻達が努力して生産技能を身に着けた場合、加護を与えられる可能性は?」
「断言できないけど、0ではないと思う。ただ、ABの技能を持った奴隷ではないので、やってみないと結論は出ないと思う。」
「なるほど、では今まで通りの生活で問題はないですね。」
「そうだね、大きく生活を変えるつもりはない。」
「ヤマトさんはどのような道を進むと思っていますか?」
珍しくクリスママが発言してくる。最後のページでも読んだのかな?
「はい、はっきりとした何かがある訳ではありませんが、あの英雄伝には多くの仲間が居ると書かれていました。勝手な解釈ですが、代弁者を解放して仲間に加えることがその意味ならば、この行動こそが必要なことだと思います。それが進む道は、困難も多いのでしょうが、結果として平和が訪れればいいなと思います。」
「なるほど、分かりました。私は引き続き夫と一緒に本の解読を続けます。」
「ええ、是非お願いします。大変な作業で申し訳ないです。」
「他に聞きたいことがあれば、なんでもいいよ。」
特にこれ以上は無かったので、解散となった。
その後はシャルにシフト表を見せられたり、パトリクの訓練に顔を出したりと、のんびりした時間を過ごすことになった。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残280個-入手0-使用0個(残り280個)
魔石(中) 残145-入手0-使用0(残り145)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:30,233,500G
所持P:9,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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