第38部分
「おはようございます、リーダー。ちょっと相談したいことがあるんですが。」
「おはよう、パトリク。なんか慌ててる?」
「少しだけ慌てていますね。手が空いたら馬車倉庫まで来て頂けませんか?」
「わかった。もう少ししたら行くので待ってて。」
石化の呪いを受けて2週間程の時間が経過した。リンマの解呪のお陰か、日に日に体調は戻っている。後遺症なのか、弓の命中精度が落ちたこともあったが、10日を経過してからはほぼ問題ないレベルまで回復している。
空き地で弓の訓練をしていたのだが、パトリクに呼ばれたので馬車倉庫に向かう。
パトリクの妻になったマリベル、リナが倉庫前で何か作業をしている。
「おはよう。何をしているの?パトリクから呼ばれているんだけど。」
「あ、ヤマト様…さん!おはようございます!主人は中に居ますので、どうぞお入り下さい。やっていました事の説明は主人から行いますので。」
「なるほど、では中にお邪魔させてもらおう。」
「リーダー、訓練中に呼び出してすみません。実は遂に成功したんですよ!」
「うん?ようやくパトリクに子供でも出来たのか?」
「いや、それは頑張っていますが、なかなか……じゃなくてですね!」
マリベル、リナは顔を赤くしている。なんか申し訳ない。
「いいですか?羊毛の加工は技能持ちでないと加工が困難だと思っていました。」
「うん、それはずっと言ってたよね。だから、技能持ちの奴隷まで買った。」
「そうなんです。しかし、技能の習得には少なくとも1年は掛かります。頑張ってCランク。」
「それは仕方ない。技能ってそういうものでしょ?」
「そうです、ここまでは今まで考え方です。」
「今までの……???だと???」
「リーダーの槍を投げる場合は投擲だというこじつけのような解釈を引用しましてですね、紡績・機織・裁縫の技能をある程度実現できる道具を作ってみました!」
「ということは初心者でもある程度の紡績や機織、裁縫が出来ると?」
「実は裁縫だけはまだ上手くいってないんです。」
「まぁ、いきなり全部は欲張りすぎかもしれないね。」
「そこで相談なんですが、この機械を魔石で動く仕組みにして貰えませんか?知識的な部分だけでも頂けると有り難いです。」
「欲しているものは分かった。この場合の管轄は…大地だろうか商売だろうか?」
「恐れながらご主人様、大地の女神様の祝福を頂く技能だと聞いております。」
紡績の技能を持つ奴隷が教えてくれる。
「そうか、ありがとう。ちょっと聞いてみよう。」
スマフォを取り出し、メッセージを送ってみる。
や「紡績と機織の機械を製作しました。自動化に関する相談を大地の女神にしたいのですが、連絡取れますでしょうか?」
大「はい、大地の女神です。動力部分の設計図は送ることは出来ますが、魔道具になりますのでその村での製作は困難でしょう。首都で魔道具店に相談されるのが良いでしょう。設計図はアイテムバックの中に入れておきます。では。」
「パトリク、なんとかなりそうだ。裁縫はまた後日相談だな。」
「え?この短時間で神託が?」
「神託とか言うけど、ただの会話だぞ。設計図も貰った。え~っと、あこれだな。」
アイテムバッグから取り出した設計図をパトリクの前で広げる。
「リーダー、この設計図の意味って分かります?」
「いや、全くもってわからん。王都に行けとも書かれてた。」
「なるほど、これを理解出来ていたらますます頭を抱えるところでした。」
よく分からない部分で共感し、作れそうという点での進展は皆で大いに喜んだ。
「これで私達もお仕事を手伝う目処が付きました。ありがとうございます。」
マリベル、リナは作業の手伝いが出来ることが嬉しそうだ。
「パトリク、2人に紡績Cの技能でも付けたらいいんじゃないかな?」
「……リーダー、確かにそうなんですが、技能を飯でも食って行けという感じの軽い話で持ち出すのはやめましょう。Cランクでも最低1年は修行しないといけないものですから、そんなに簡単に与えるべきではありません。」
「そうなの?2人はもう奥さんでしょ?」
「それはそうですけど、頂く技能は命を守る戦闘技能を優先すべきです。」
「それは確かにそうだね。ではパトリク隊長のご意向通りに!」
笑いながら馬車倉庫を後にする。
食堂に戻り、たまたま居たアクセルを捕まえて「飯でも食っていけという感じ」での技能プレゼントを怒られたことを話してみる。アクセルは爆笑している。
「リーダー、悪いですけどそれはパトリクが正解です。私も欲しい技能はあると言えばありますけどね。」
「ほう、アクセル君はパトリク隊長の派閥に入る訳だね。ところで欲しい技能って?」
「私は牽制が欲しいですね。逆にフェルナンドは不動を欲しがると思います。」
「牽制で魔物との距離を取りながらも、不動でがっちりガードというやつだね。」
「今は2人で成立してますので、それぞれで成立できればいいですね。」
「それは確かに。」
アクセルも最近は孤児院の子に剣術指導をしている様で、呼び出しがかかり出ていった。
さてどうするか?と思案していると、おっさんがやってくる。暇なのかな?
「ヤマト君、久々だね。呪いを貰って死にかけるとは、なかなか良い経験をしてるじゃないか。」
「やめてくださいよ。仲間が居なかったら本当に死んでますよ。」
「仲間が居て良かったな。」
「そうですね、感謝しています。」
「今日は良い知らせをもって来た。」
「どんな内容ですか?最近、死にかけてたので世間の動きに疎くて」
「がはははは、それだけ冗談が言えればもう大丈夫だろう。知らせというのは、この村の拡張工事が正式に決まったのだよ。」
「拡張ですか?どの程度広げるのです?」
「今の面積の倍以上かな。」
「えっ?そんなに?というか、住人はどうするんです?」
「今でも流れてきているが、エリス村の元住人や王国各所からの難民だな。」
「食料はダンジョンと森からの供給ですか?」
「それもあるが、村の南の畑も落ち着いてきたので、半年後を目処に拡張工事を開始する。」
「なんか楽しみが増えますね。拡張工事しても村のままなんですか?」
「いや、正式には町になる。というか、そもそも町の規模ではあるけどな。」
「そうなんですね、それは良いニュースですね。」
「あと、」
「あと?」
「王都の教会本部の推薦もあり、馬車を2台買えるそうだ。」
「それは良かったですね。馬車は不足しているという話ですし。」
「いや、ヤマト君、君が買えるんだぞ?」
「え?馬車が買えるんですか?どんな馬車なんですか?」
「最低でも12人は乗れる馬車だと聞いているよ。長距離移動にも優しい魔道具付きだそうだ。」
「お尻が痛くならないアレですか?」
「そうだ。」
「ちなみにお値段は?」
「馬とセットで1台1000万G、買える金額だろ?」
「買えますね。お金今渡しておきます。」
「確かに。2~3日で届くと思うから、楽しみにしておいてくれ。」
そう言い残して、おっさんは帰っていった。
食堂に戻ってきたアクセルに「緊急会議」と伝える。
続く。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残280個-入手0-使用0個(残り280個)
魔石(中) 残145-入手0-使用0(残り145)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:130,233,500G
所持P:9,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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