第37部分
教会から家に戻りまったりしていると、教会からお使いが来た。
「何か問題でもありましたか?」
「いえ、神官長からこちらの本をお渡しするように言われまして。返却はいつでも構わないそうですので、お時間のある際に教会にお寄りください。」
「わかりました。神官長に宜しくお伝えください。」
本の上には私宛の手紙と、リンマ宛の手紙がある。
「リンマ、神官長から手紙だよ。」
受け取るとすぐに手紙の内容を確認するリンマ。そうして吹き出す。
「ヤマトさん、これ読んでみます?」
「いや、それはリンマ宛の手紙だから、他の人が読むのはおかしいよ。」
「そうですか。でもこれは伝えたほうがいい内容だと思いますので、読ませて頂きます。」
そう言うと、リンマは神官長からの手紙を読み上げる。
・ヤマトさんはローカニルの守護者でもあり、孤児院への貢献等聖職にある人間でも成し得ないことを成し得ている人物である。ローカニルの顔と言っても過言ではないだろう。今後も活躍が期待されるが、今後のこともある。早く子供を授かりなさい。
「最後の一言って本当に書かれてるの?」
シャルが少し疑いの目でリンマを見ている。
「ほら、見てください。」
リンマが手紙を差し出すと、確かに書いてあるとシャルは頷く。
3人の緊急会議が開始されたので、部屋に戻って本を読むことにした。
その前にお手紙を読むべきであろう。
・ヤマト様。リンマに宛てた手紙の内容は聞かれましたでしょうか。なんと書くべきか少し悩みましたが、言いたいことをそのまま書かせて頂きました。過去に多くの勇者や英雄と呼ばれる方が存在してきました。しかし、その多くが子供には恵まれませんでした。教会ではこの現象は何なのか?過去に何度も議論を行っております。結論から申し上げますと、本人とその妻の技能が多くなれば多くなる程、子供は授からなくなる傾向になります。多くの素質をお持ちの方には早い段階で子供を授かって頂きたい、という余計なお世話です。
余計なお世話ではあるけど、知らないと悩むことになるだろうことだったな。
神官長が貸してくれた本は「英雄伝」というタイトルの本だった。
過去の英雄がどんな人物だったのか、どんな活躍をしたのか、どんな武器が使われたのか、どのような試練を乗り越えたのか、がこと細かに書かれている。共通して言えることは、複数回のスタンピードを跳ね返したこと。武器はバラバラ。試練はよくわからない。そんな内容だった。
本を半分ほど読んだところで、シャルを先頭に3人が部屋に入ってきた。
無言で神官長からの手紙を差し出す。まずは落ち着けと。
「これってどうゆうことなの?ヤマトはもう強くなってはいけないってこと?」
シャルが不満顔で言ってくる。
「いや、人外な強さになる前に子供作ったほうがいいよ。という余計なお世話でしょ。」
「そうなの?でもなんで神官長がわざわざこんな手紙を?」
確かにそれは疑問に思う部分だわな。
「シャル、クリス、落ち着いて聞いて欲しい。代弁者とか女神の剣という言葉は聞いたことある?」
「代弁者って神託を受ける聖職者のことでしょ。それこそ神官長が代弁者じゃない。」
「女神の剣という言葉は分かりませんが、女神が戦う際に使う武器は聖剣だと聞いた記憶がありますね。」
「2人とも理解していて助かる。前に技能のことで少し話したかもしれないけど、改めて言っておくね。私は女神の加護を4つ持っている。それは、大地の女神B、商売の女神B、狩猟の女神A、戦闘の女神Cの4つ。」
「えっ、それって4神の代弁者ということですか?」
クリスが恐る恐る聞いてくる。
「リンマとも話して、確信が持てなかったので教会で神官長と面会してきたんだよ。」
「なるほど、それでリンマへの手紙やこの手紙に繋がる訳ですね。」
クリスはまぁまぁ納得してくれた。
「でも4神の代弁者と言われても、私にはよく分からないわ。」
シャルが噛み付いてくる。
「シャル、あの本が何か覚えている?」
読みかけの本を指さしてリンマが話し出す。
「あれは開かずの本と呼ばれていた本では??」
シャルの発言に???で聞き返す。
「開かずの本って何??」
「ヤマトさん、その本を閉じて私に渡して下さい。」
本をリンマに渡す。開こうとしているが、開いていない。
シャルに本を渡し、同じことを行う。開かない。
クリスにも本を渡す。同じく開かない。
クリスから本を受け取り本を開く。簡単に開く。
「シャル、これが絶対的な証明なの。中身が読めるかは本人の受けた加護によるとは言われているけど、開けることが加護を受けた証明なの。」
「え?これってそんな貴重な本なの??」
「中身が重要なのかは知らないのですが、子供の頃に何度か開かせてみる本で「開かずの本」と言われています。開くことができた者には加護があると言われ、開いた子供は伝統的に教会が保護し、教会で育てられます。」
「えっ?両親は子供を取り上げられるってこと?」
「いえ、両親も一緒に教会へ移ります。聖職の素質を持つ貴重な子供として育てられるのです。」
「なんか、えらい話になって困惑してきた。」
「困惑するのはこちらなんですがっ!!」
シャルの怒りメーターが振り切れそうなので、ナデナデしておこう。
ナデナデナデナデ……ナデナデナデナデ……
「それでヤマトはどう考えているの?早くに子供が欲しいの?」
シャルの機嫌が少し良くなった。
「私はいつでも産みたいです!!」
いや、クリス、嬉しいけどそうじゃない。
「ある程度、落ち着かないと出産や育児が出来る環境とは言えないからね。」
この発言を機に、ややお通夜ムードへ突入する。
「ところでヤマトさん、その本に書かれていることを教えてくれませんか?」
リンマが空気を読んで話題を切り替える。良い判断だ。
「これは英雄伝という名前の本。中身は過去の英雄の活躍が書かれている。」
「英雄伝……存在したのですね。最後のページに書かれている人物の名前を確認してもらえますか?」
そう言われ、最後のページからペラペラとめくり、書かれていた名前は。
「ヤマト」
「「「えっ???」」」
「ヤマトって書いてるね。どれどれ、「何度もの危機を乗り越え多くの仲間を従える英雄。その貢献から「文字が読めない」や「文字が読めない」の守護者とも呼ばれる。「文字が読めない」」
「文字が読めない?前のページは読むことは出来ますか?」
リンマが不思議そうな顔で聞いてくる。
「前のページは読めるね。あ~これは重たい話だな。エリス村を最後の最後まで守って戦った戦士の話だね。最後はエリス村の門で足に短剣を左右それぞれに刺し、魔物の侵入を拒み続けたそうだ。襲撃から3日3晩戦い抜いて、朽ち果てたそうだ。」
「なんで足に短剣を??」
「この本によると牽制の技能は持ってたみたいだけど、不動は持ってなかったので、ハンデを背負う変わりに技能を強制的に発動させたとあるね。」
「まさに人外ですね。」
「ヤマトのページにはグリフォンのお尻にロングスピアを投擲した経歴も載るのかしら。」
シャルのご機嫌ももどってきたようだ。
実はヤマトのページには続きがある。
ヤマトには複数の妻が居たとされている。遥か彼方にいる敵を一撃の元に葬り去る「文字が読めない」のクリスティーナ。双剣使いでもあり、大剣使いでもある、「文字が読めない」のシャルロッタ。右手には天罰を、左手には慈悲を持つ「文字がよめない」のリンマ。「文字が読めない………」
「リンマ、読めない文字ってどんな意味があると思う?」
「そうですね、意図して読めない様にされているか、未知の未来でしょうか。過去の出来事でしたら、隠す必要もないですからね。」
「なるほど、そうとも言えるね。残ってるページも読んでみることにするよ。」
そういうと3人は部屋から出ていった。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残280個-入手0-使用0個(残り280個)
魔石(中) 残145-入手0-使用0(残り145)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:150,233,500G
所持P:9,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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