第35部分
「じゃあ十分に気をつけて進んでいこう。」
まずはボスの部屋へと向かう為、途中に現れる魔物を倒さないといけない。
「あれは……でかいな。」
現れたのはベビーグリフォンの成体とも言えるグリフォン。
試しに矢を撃ってみる。視線はこちらや矢に向いてもいないが、無効化される。
「やはり矢は駄目だね。ではこれはどうだ!」
準備した槍をグリフォンに向けて思い切りぶん投げる。
手を離れた槍はグリフォンのデリケートな部分に突き刺さる。
アーーーッ
「リーダー、よく同じような場所に当てますけど、何か趣味でもあるんですか?」
「魔物だとしても、流石にあれは可哀想ですよ。」
「後で抜いて再利用することも考えないと……」
なんか盛大に勘違いもされているが、細かいことはどうでもいい。
「すいません、そろそろ戦ってください。」
盾を構えた2人がグリフォンの怒りの攻撃を防いでいる。
「シャル、足を狙って転がすのがいいと思うんだが」
「そうですね、キメラと同じ戦法でやってみましょう」
シャルが大太刀を後ろ足に振るう。今回は切断には至らないが、足を動かす何かを切断した様で、片足は機能を失っている。
「シャル、残りの足を攻撃しよう。」
シャルが少し助走を付けて2本の大太刀をグリフォンの足に振るう。「回転斬り!」と技名が出そうな程、何度も見てきたスムーズな動き。
バスッ!パチン!
変な音がしてグリフォンの後ろ足は完全にその機能を失った。
「フェルナンドとアクセルは前足の攻撃をガード、リンマは顔を攻撃。」
指示しつつ、デリケートな部分に刺さった槍を引き抜き、顔へと向かう。
顔へ回り込み、首に向けて槍を投擲する。
1本目はやや刺さりが甘い。2本目を投擲すると、効果的な一撃になった。
「アクセル、頭に1発入れてくれ。」
「了解!」
アクセルの強烈な一撃を頭に喰らい、グリフォンは動かなくなった。
槍をグリフォンの体でフキフキしていると、シャルが近寄ってくる。
「最初の一撃は確かに有効だけど、あれ見てて可哀想になるわ。」
「そうだね。シャルに足を壊してもらえば、特に必要ないかもね。」
そんな会話をしつつ、残骸を回収しておく。
同じ戦法でどんどんグリフォンを倒して進み、遂に扉のある場所まで到着する。
「呪いの攻撃がどんなものか分からないので、リンマは可能な限り離れておいてくれ。」
「了解しました。」
部屋へと入る。出現する魔物のようだ。
「あれは……バシリスクと呼ばれる魔物だと思います。」
フェルナンドが魔物の名前を告げる。聞き覚えのある名前だ。
「隊列を組んで前進しよう。シャルは回り込んでくれ。」
「了解。」
フェルナンドとアクセルの後ろに隠れて前進を開始する。
魔物は回り込んだシャルに気を取られ、注意がやや逸れている。
これはチャンス!と槍を手にとり胴体に向かってブン投げる。
ギョオオオオ!!
鳥なのか?獣なのか?といううめき声を上げた魔物はこちらに向かって突進してくる。
その攻撃はフェルナンドが上手く受け流してくれる。
続けてもう1発!と槍を投げて胴体に命中したと同じタイミングで誰かに後ろから掴まれ、後ろに引きずられていく。
「お?何事?」
戦闘はまだ続いている。フェルナンドとアクセルが上手く攻撃を受け流し、シャルの回転斬りが何度も命中する。弓も有効な様で、クリスも攻撃を続けている。
「リーダー、冷静に聞いてください。左手は動きますか?」
言われている意味が分からない。そりゃ動くでしょう、とリンマに言い返えそうと動かしてみるも動かない。
「次は左足は動きますか?……やはり動いていないですね。」
リンマは半分泣いたような顔をしているが、気丈にも声は冷静を保っている。
「戦闘が終わるまで、治癒で体力の消失を防ぎます。戦闘が終わればクリスの治癒を使用しつつ、解呪を行いますので、このまま我慢してください。」
「リンマ、確かに動かないけど痛くはない。これが呪いなのか?」
「呪いは受けた攻撃を跳ね返す邪悪な意志のようなもの。連続して2本の槍を投げましたので、2箇所が影響を受けたんだと思います。」
「手当を何もしなかったらどうなるの?」
「3日で呪いは定着すると言われています。7日で全身に回るとも言われています。」
「7日経過して以降はどうなるの?」
「呪いが原因で死にはしませんが、寝たきりになりますので、死んだようなものです。」
「……そうか。」
「他のメンバーは呪いを受けたりしていないか?」
「それは問題ありません。率先して呪いを受けた方がいますので、大丈夫です。」
「上手く動かせなくなってきた。状況はどう?」
「戦闘はこちらが優勢です。そろそろ終わると思います。」
暫くして ズトォーーン という音が部屋に鳴り響く。
「終わりました。11階に一度移動して地上に戻りますので、少し辛抱してください。」
リンマがそう告げると、フェルナンドとアクセルが駆け寄ってくる。
2人は無言で盾を体の下に差し込み、体を持ち上げる。
「宝箱は出たか?回収したか?」
「はい、先程回収しました。」
リンマは口数少なく回答する。
そして11階。魔法陣まで辿り着くまでメンバーはずっと無言だった。
11階の魔法陣を使用し、地上へと戻る。
地面の上に寝かされ、リンマとクリスが何か話し合っている。
「シャル、実は顔も動かせないんだけど、どんなことになっているか教えてくれないか。」
「それは………」言葉を失うシャル。
「私が代わりに答えます。黒いモヤのようなものが左手と左足に掛かっています。10階にいる時よりそのモヤは濃くなっています。」
「なるほど、それが呪いというやつなんだな。」
「すぐに治療するので、お待ちください。」
フェルナンドが状況を教えてくれたが、思わしくはないようだ。
「クリス、用意はいい?治癒をずっと続けて。精神力が尽きると気を失うけど、ここは安全だから続けて。いい?」
「分かった。気を失うまで治癒を続ける。」
2人が傍に座り、治療が開始される。そして気が遠のく。
「……あれ?ここは?自分の部屋だ。」
気がつくと自分の部屋だった。体は…動くには動くが、ギクシャクする。
部屋にはリンマが居て気がついたことに気付く。
「リーダー、具合はどうですか?」
「少しギクシャクするけど、動くには動くよ」
実際に足と手を動かして見せる。
「良かった。呪いは解けていますね。あとはクリスと2人で治癒を定期的に行えば、何日かで元に戻るはずです。歩けそうですか?」
「恐らく歩ける。ところで10階から脱出して何日になる?」
「今日で3日目ですので、2日は寝たままでした。」
「そうか、心配掛けてしまってすまん。」
リンマとゆっくり歩いて食堂へと向かう。食堂に入るとそこはお通夜の様な雰囲気だった。
「心配掛けてすまん。リンマとクリスの治癒に助けて貰って、感謝している。」
そう言うと、フェルナンドとアクセルから深い溜息のようなものが聞こえる。
「リーダー、回復できてよかったです。回復するまではしっかり休養して下さい。」
フェルナンドから労いのことばを貰う。
「リーダー、記憶が新しいうちにお話します。聞きたくないでしょうが、今後の為にも聞いて欲しいです。」
アクセルが何か言いたいそうだ。怒られるならしっかり聞くべきであろう。
「うん、聞きたいと思う。話して欲しい。」
「リーダーが2本目の槍を投げてから、魔物の傷口から黒いモヤのような物が吹き出しました。そのモヤはリーダーには見えていない様で、回避しないまま左手と左足に命中。攻撃も続いてましたので、ガードすることに必死になっていると、リンマが後ろからリーダーを掴み部屋の隅まで連れていきました。その間、魔物の意識はリーダーに向いていたのですが、クリスが弓で連射しその意識を逸らすことに成功しました。その後は正確には覚えてないのですが、どうにか倒すことに成功しました。」
「なるほど、皆の連携のお蔭で生きている訳だ。感謝する。」
深々と頭を下げると、皆からそれを止められる。
「とにかく、今は回復させることに専念してください。リーダーが目を覚ましたので、皆も一安心ですよ。」
パトリクがしれっと優しい言葉を投げかけてくる。このイケメンめ。
そうすると、スマフォがブルブルしていることに気付く。
「ちょっとすまん。」
そう言ってスマフォを確認すると、
・呪いの完全な治療には時間が掛かります(約1ヶ月)
・ダンジョンの10階攻略により女神側がやや有利になりました
・大いなる戦いの後に、しかるべき報奨を与えます
と書かれていた。
「なにか問題でも?」
アクセルから声を掛けられる。
「うん、呪いがしっかり治るまで1ヶ月は掛かるそうだ。」
「そうですか。呪いですから、治るだけでも恵まれていますよ。」
「そうそう、冒険者ギルドから出頭を求められています。」
「出頭?なんかしたっけ?」
「ボスと戦いましたので、そのお説教かと…」
「あー」
今日は部屋で休むことにして、明日冒険者ギルドへ行くことにする。
☆☆本日のお仕事☆☆
魔石(小)残280個-入手0-使用0個(残り280個)
魔石(中) 残145-入手0-使用0(残り145)
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名前:ヤマト
職業:狩人A
所持金:150,233,500G
所持P:9,150P
冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P
E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)
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